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終活してたんですね

年始めに携帯電話に着信があった。
奥様から主人が亡くなりましたと…
十数年前に引き継いだお客様の自宅からである。
元々は破綻した○産生命に加入していた。
そして受皿として国が管理するあ○ば生命になった時に死亡保険金、入院保険も減額されているのでどちらも端数のある金額になっている。
このあ○ば生命は新規の契約は取らずに保全だけの経営形態であった。
よって契約者は入院したとき、死んだ時だけ手続きを自らするのである。
これは保険業界にとって契約者を置き去りにした状態だと弊社の社長が感じ、買取った経緯がある。
当然、担当者は付く事になる。
自分も自宅から近い地域のお客様を引き継いだが、ほとんどが既に定年退職をしている高齢の方達であった。
契約を引き継いだからと言って手数料は当然発生する事はない。
そもそも破綻している会社の契約であるのでお客様も保険会社に対して信頼等ない状態での挨拶回りであった。

内容を説明するがそもそも○産生命の契約であるので決してお客様も納得して契約しているわけではないが…
あと何年すると死亡保障はこの金額になります。入院保険も80歳までとなります。
そしてお客様には何でこんな契約なんだ?と怒られる事が多かったが仕方のない事だ。
しかし何年も担当しているとお客様も保険会社と言うより俺自身を信頼してくれるようになる。
そして息子さん、お嬢さんを紹介してくれるようになっていった。
その後、○○ガンとなった時には手続きをしていく事になる。

亡くなるまでに何だかんだと何十回と訪問して手続きしながら話し相手になっていたものだった。

昨日、死亡保険金の手続きに行き奥様と何時間も話を聴いた。
亡くなったその日に一番最初に俺に電話したとの事。
いつも良くして貰って本当に心強かったと言って頂いた。
生前には自分のお墓と葬儀の予約も既にしていましたと奥様は笑いながら俺に話をしてくれた。
息子さんとお嬢さんは他県に住んでいるので奥様は一人暮らしとなるので、何か困った事があればいつでも電話くださいネと伝えてある。
死亡保険金は来週にも奥様の口座に振込になる。
自宅はご主人の名義であるので、これから遺産分割協議書等を準備し諸々の死亡に伴う手続きをしていく事になるが、サポートしていくのも俺の役目だと思っている。
きっとまだご主人も近くにいる事だろう…

保険会社の人間だから言うわけでは無いがやはり保険の担当者は必要だと感じる。

そして今日もテレビであのラ○フネ○ト生命のCMが流れている…
こんなに保険入ります?
スマホでサクサク…
私にはこれくらいがちょうどいい!
浮いたお金でああ〜だこうだと…
おいおい、それは違うだろと日々思う今日この頃である。


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