見出し画像

006 フィジカルスキル

栄養ドリンクで「だる重〜」を解消したところで、エナジードリンクで翼を授かったところで、所詮は対症療法にすぎません。それよりも根本治療を施し、 “健康” や “元気” を手に入れる方が賢明と言えるでしょう。今回はその基本にあたる「フィジカルスキル」をご紹介します。

脳のアラーム「疲れ」

私たちが体の存在を意識するのは、思うように動かない時が多いでしょう。アスリートの方々をのぞけば、それは「失って気付く健康のありがたみ」と言いたくなった時かもしれません。いずれにせよそれは、その度合いが軽いと「疲れ」、酷いと「病気・ケガ」と呼ばれる状態に陥った時です。

注意によって予防可能な後者はさておき、前者の「疲れ」は生まれた瞬間から死ぬまでずっと私たちにつきまといます。にも関わらず、この疲れは病気やケガの類いではないため、ほとんどの医師から “専門外” とされる空白地帯でもあります。おそらく将来的には「病気の専門家」としての医師に加えて「健康の専門家」に相当する職業※が誕生し、そのケアを包括的に行うことになるでしょう。しかしそれまでは、私たちが自己責任で自身の疲れに対処していく必要があります。そしてその対処スキルが、今回ご紹介するフィジカルスキルです。
※分子栄養学に基づき、ライフログやヘルスケアデータを統合管理し、「健康」を超えた「元気」の実現を支援・指導する専門家?

では、そもそも「疲れ」とは何でしょう?

結論からいうと、疲れは「脳が発する三大アラーム」のひとつ(残りは痛みと発熱)で、持続的な負荷によりパフォーマンスが低下した状態とされています。体にある無数のセンサが発する悲鳴のような電気信号を脳が「疲れた」と解釈しているのですが、運動不足の人は脳と体との連携が上手く機能していないためその悲鳴に気付けず、それを疲労というカタチで蓄積させてしまっているのです。

深く眠る

「世の中に寝るほど楽はなかりけり」という身も蓋もない句がありますが、疲れの元を絶つには「とっとと寝てしまう」のが最も手っ取り早いでしょう。しかし「寝る」だけでは効果が乏しく、「眠る」までして初めて疲れの蓄積は止まります。また、よく「○時間寝た」などとその “量” で睡眠を表現しますが、本来は “質×量” による判断が必要ですので「○段階の睡眠を○時間とった」などと “質” を評価しなければ意味がありません。

そして睡眠の “質” はその “深さ” を指し、浅い眠りの「レム睡眠※」に深い眠りの「ノンレム睡眠」4段階(ステージ1〜4)を加えた5段階で表現します(ステージ4が最も深い状態の睡眠となります)。
※レム睡眠:Rapid Eye Movement(急速眼球運動)を伴う睡眠。脳は覚醒状態にあり、眼球が激しく運動する。

ですので、この深い睡眠(ステージ4の睡眠)を実現するのが、疲れの予防と蓄積の最も効果的な防止策となります。以下に「深い眠り」実現の具体的なヒントをご紹介しておきます。

・体調を整える(肉体疲労、腸内環境、脂肪量などが影響)
・ホルモンバランスを整える(就寝時刻や太陽光、食事などが影響)
・体深部の体温を下げる(入浴時刻や室温、ストレスなどが影響)
・物理的阻害要因を取り除く(アルコールやカフェインなどが影響)
・心を整える(交感神経の興奮、モンキーマインドなどが影響)

3つのRを意識する

疲れたくないからと言ってずっと眠ってばかりでは、生活が立ち行かなくなります。そこで二番手として登場する対策が「休憩」です。人それぞれ自分のやり方があり、その効果の程度も様々ですが、多くの人が “我流” で休憩しているので、ここでは “効果的な休憩” の仕方を押さえておきます。

休憩といえば「何もしない」か「好きなことをする」イメージかもしれません。勿論それで高い効果が発揮できていれば問題ないのですが、もし効果が出ていないのならば、次の3つのポイント (3R) を意識することをお薦めします。

・レスト ( rest ):積極的休憩
・リラクセーション ( relaxation ):心身の緊張緩和
・リクリエーション ( recreation ):気晴らし

積極的休憩(アクティブレスト)とは、簡単に言うと、筋肉や関節を適度に動かすことを意味します。近場をぐるっと散歩するだけでも良いとされていますので、効果が低い「何もしない休憩」を卒業し、それによってリラックス ( relax ) 状態を手に入れ、自身の体に “健康” や “元気” を再創造 ( re-creation ) してあげてください。


[参考]これまで&これからの記事

法人/個人を問わず、論理思考やコミュニケーションスキル、メンタルスキルなど各種ビジネススキルを、基礎の基礎から分かりやすくお伝えいたします。   (株)トンパニ https://tongpanyi.co.jp/