たすけたい

近所のペットショップの、いきものたちへのお世話が悲惨なものだという。


クチバシの大きい鳥は生まれてここに来てから6年間、じゅうぶんな大きさのカゴを用意してもらえず、飛ぶこともできずに右目を失明、右足を悪くしている。ただでさえ狭いカゴの中、床には掃除をしてもらえず溜まったふん、集まってくるごきぶりたち。汚いところをさけて、いつも隅っこに横たわるようにして佇んでいる。


この話をしてくれたのはバイト先の常連さんで、彼はボランティア事業の運営をしている。

毎朝コーヒーとサンドイッチをたのみ、世間話をしつつ窓際で難しそうな本を読んでいる。健康に気を使っているのでサンドイッチはハム抜き、牛乳ではなく豆乳をオーダーする。着ているものはいつも、着古したTシャツやユニクロのフリースだ。穏やかな笑顔で「おはようございます」と挨拶をかわす、一日のはじまりを告げる合図のようなご来店。


ときに怒りをにじませながら話してくれたこの話には、さすがにおどろいた。まさか近所に、しかも10年以上はあるペットショップがそんなことをしているだなんて、しらなかった。

いくら言っても病状や生育環境のわるさを認めず、「右目はわるいけれど足は良くなっている」「ペットショップだからごきぶりはしょうがない」の一点張りらしい。

かわいそうなこの鳥、ペットとしての相場は35~50万らしいが、売値は100万円。

ペットショップにとってペットは商品でしかなく、いきものが弱っていてもきちんと世話をせず値をさげず儲けようとする。

そうやって悪い方法で商売をしているからこそ経営は長続きする。



もう僕だけが言ってもしかたないから、皆さん足を運んで、言ってきてやってくれませんか。この鳥はもう長くないと思うんです。


彼が「ピーちゃん」と名づけた鳥を見舞って、すこしでも助けになれるようにしよう。