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マイナスな唄は小鳥が嫌う

子供の頃から褒められてこなかったせいか自己肯定感というものが自分には無い。家族には優しくしてもらえていたけど、それ以上に外部での辛い記憶のほうが色濃く残っている。良い思い出だけを掘り起こそうと思っても必ずついて回ってくる。残酷な出来事とそれに耐え忍ぶ時間。辿っても辿っても闇と病み。相変わらず色の無い人生で嫌になってしまう。


自己肯定。

その気持ちさえあればどんな傷みでも振り払い、蹴り飛ばし、強く生き抜く事が出来たかも知れない。自信を持って過ごす事が出来たかも知れない。毎日が彩られていたかも知れない。そんな日々に近づこうとして考え方をプラスに向けようとしたり余計な事は排除したりと時間をかけて取り組んできた。

だがいつまで経っても闇は拭えない。こびりついて落ちてくれない。最近調子が良いかもな…なんて思っていたら心に良くない事を目の当たりにして自信を失ってしまう。そして「また振り出しに戻ったんだ」と全てが無になった気がして落ちていく。
何も変わらないまま時間だけが過ぎる。変わらないのは本気で変わろうとしていないから、なんて言葉をよく見かけるな。一応本気だったんだけどな。けれど変わっていないならそうなんだろうな。


そのうち「自信を持つ=自分を履き違える」というレッテルが頭の中で出来上がっていった。過信からのミスが怖くて抑えつける癖がつき、調子に乗ってはいけないと律し続けていた。やがて自己肯定はシンプルなエゴで他人から見ればただの自惚れでしかないと思うようになっていった。


こうなったきっかけって何だったんだろう。

社会人1年目の頃に先輩から「自分で努力したと思っていても他人から見たらそれは努力ではない、だから自分が思った以上に頑張らないといけない」なんて言われたからだろうか。


冷静に考えたらとんでもない根性論。
でもその当時はそれが全てだと思い込んでいた。
だから身を粉にして日々を過ごしていた。

どんくさい人間だから心身がすり減るレベルまでいかないと自分は認められない。周りのお荷物になって煙たがられてしまう。別にそこまでする必要がないのは分かってる。壊れたら元も子もないのを知っている。

当時の自分はとても馬鹿な行動を取っていたと今になって思う。散々そんなことを繰り返した結果、今でも自己肯定が得られない事で苦しんでいるもの。これが弊害じゃなければなんなんだ。大きな出来事に遭った訳でもないのにマイナスに引きずりこまれて苦しんでいるじゃないか。普段なら見流すような事も目について仕方がない。自分がなりたくないと思っている人間に近づいていて自己嫌悪が止まらない。負に襲われて腐に染まって、人の楽しそうな姿を見るのが辛くなって…。一番ダメな奴。

マイナスモードは気の流れがどんどん悪くなる。
正しい思考回路が成り立たなくなる。
明るい笑顔が棘に見えてくる。
このままでは何も良いことなんてない。
解っているのに止められない。
解っているのに止められない。
このまま転がり落ちれば無様に醜く
野垂れ死ぬのは目に見えているのに…。





辛くなった時に聴く音楽がある。その音楽を作る人は愛に溢れていて激しく心が乱れていてもゆっくりゆっくり整えてくれる。いじめられて何度も死を考えた学生時代。理不尽に揉まれて自暴自棄になった社会人1〜2年目。色々経験してそれでも浮き沈みがある今。どんな時でも常に寄り添ってくれるような存在で、これまでもこれからもずっと聴き続けるんだろうなと真剣に思っている。愛という言葉を聞いて真っ先に思い出す「愛のひと」である。

詳細は省きますが世間を騒がしているあの問題で、その方に対しても辛辣な言葉が飛び交った。人は好き勝手に思いを放つ生き物で、それがどれだけ周りを傷つけたりするのかを想像できない。もちろんちゃんと考える方もいるけどそうじゃない人が多すぎる。
やがてその矛先はファンにも向けられ、正義を振りかざすかのように暴言を吐かれてしまう。個人ではなく全体を相手にしてるんだけど、その全体に少なからず自分も入っているので何とも言えない気持ちになっていった。

一時期は自分の体から切り捨ててしまおうとも考えた。けれど自己肯定の件でどん底になった時、求めたのはその方の音楽だった。
気づけば数々の楽曲を貪るように聴いていた。安らぎを求めて浸った結果、平静を保てるようにまで落ち着くようになる。そして自分にはこの音楽が必要なのだと改めて感じた。
全てを包み込むような歌声と繊細な歌詞と何色にも成るメロディー…。さまざまな愛が寄り添ってくれるからこそ、脆く弱い自分は何とか生きていけるのだ。血も涙もない喧騒にやられてる場合じゃない。生きる為に必要なら自信を持って好きと言えば良い。上手く言葉に表せないが、今日はそんな事を胸に刻んだ一日だったのです。





自己肯定の話から自分の音楽の話に切り替わってしまったな。思うがままに書き進めるからまた訳の分からない記事になってしまった。そして記事タイトルは自分が1番好きな歌から拝借させて頂きました。

とりあえず自分で自分を褒めてあげられる人間になりたい。
その事が自己肯定に繋がるのならそれで良い。
少しでも前を向いて生きていたい。
また何かに揺さぶられるかも知れないけど、それでも何とか生きていたい。
たとえそれが不細工でみっともなくて、笑われるような格好だったとしても。



ここまで読んで頂きありがとうございました。

読んでくれたあなたはとても優しい人です。

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