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好きなこと=できること じゃないんだな




社会人になってから
ずっと社会福祉士の仕事をしてきて、

主人の転勤、引っ越しを機に
初めて福祉以外の仕事を数ヶ月やってみたことで、

ようやく気づいた。


好きなこと=できること、とは限らないんだな。

気づいたことで、心が軽くなります。




高校生のとき、
大切な人が苦しい思いをしていて。

私はそばにいることはできたけど、
そばにいることしかできなくて。


生活や心の手助けができる人になりたいと思い、
大学で社会福祉を学び、資格をとった。


それから社会人になり、
転職や体調を崩して無職の期間もありつつ、
福祉職としては、今年で通算約9年目。


社会福祉士の仕事が、好き。



忘れられない姿が、たくさんある。


病院でソーシャルワーカーだったころに見た、
「私は何があっても絶対に家に帰る。」と、
胸水を何度も抜かないとすぐに水が溜まるほど重症な病気だった女性の、
退院のときにバス停から見送った後ろ姿。


デイサービスで相談員をしていたころに見た、
ご飯が食べられなくて病院で胃瘻を作ったけど、
自宅へ帰って奥さんと暮らすようになると
みるみる食欲が湧いて胃瘻をとっちゃったおじいちゃんの、頼もしい笑顔。


社会福祉協議会時代のときに見た、
自分たちの町をよくしよう。お年寄りも、若い世代も、子どもたちにとっても、住みやすい町にしようと、
夜の9時まで皆で集まってああでもないこうでもないと、ときには喧嘩もしながら話し合うおじさんたちの姿や、

ボランティアをして相手から感謝されたときの、学生さんたちの照れ臭そうな顔。



挙げだしたらキリがないけど、
この仕事を通じて、ほんとうにたくさんの人達との出会いがあって、
その人それぞれの、色んなストーリーがあって。

それらに寄り添わせていただけることが、
やりがいだった。




もちろん、嬉しい記憶ばかりじゃない。

お酒の飲み過ぎで血を吐いて何回も入院してきたイカついおじさんにはごりっごりに怒られた。
殴るぞ、みたいなことを言われた。


師長さんにもめちゃくそ嫌われて、話しかけても無視されてた。


うんちだらけのおじいちゃんを担いだりもした。


妊婦のときだって仕事が終わらなくて終わらなくて、夜の8時9時まで残業したり、休日出勤したりした。助けを求められないことが情けなくて、お腹の子に申し訳なくて、暗い部屋でひとり、涙が出た。



書いてて自分を疑う(笑)けど、
それでも、それらの経験も昇華されちゃうほど、好きだと思えることの方が多かったんだろうなあ。
そんなこんなで、なんとか続けてきた。





今ちょびっと振り返っただけでも何となくわかる。

10年足らずでこんなこと言うの、甘いかもしれないけど、
私は、この仕事が好きだけど、得意ではないや。

なんなら どっちかというと、"できない方" に分類されるとおもう。



だけど、
やりがいがあって、
ところどころ垣間見える、目の前の相手の笑顔が嬉しくて。
あなたでよかったって、言ってくれるその気持ちが嬉しくて。


おまけにそのために大学行って資格までとってるもんだから変に囚われちゃってるところもあって、
(私からこれとったら何が残んのさ、的な。)

「私もしや、向いてない?」

と薄々気づきながらも、その気持ちには蓋をして。
「努力不足」だということにして、
人一倍時間をかけることで、なんとかやってきた。


「本当の気持ち」に見て見ぬふりを続けると、
発酵しすぎたパン生地みたいに、
心のボウルもいっぱいいっぱいになってしまいます。




だけど、
去年5ヶ月だけ焼き菓子店での仕事をしてみて、
そして今、初めて正社員ではなくパートで社会福祉の仕事をしてみて、


これはもう完全に、
「私、この仕事大好きだけど、向いていない!!!」
と気づかざるを得ないできごとがあった。


それはめちゃくちゃ ちっちゃくて些細なことだけど、
私にとっては 10年以上も長く悩まされた、身体の不調にまつわることだった。







ズバリそれは、口内炎です。

どうか、笑わないであげてください。
めちゃくちゃ痛いので。(笑)

※ちなみに、
ビタミンB豊富な野菜いっぱい食べるとか、
サプリメント飲むとか、
食べたら歯磨きして清潔に保つとか、
貼り薬とか飲み薬とかは、
ひととおり試してます。



高校生のとき、大学受験を意識し始めたころくらいから、
長らく私を苦しめ続けた口内炎!!!

気づいたときには3個くらいからでき始めて、
最悪のときは一度に5個以上できるときもある。

もう、どこでご飯食べればいいのよ。

しかも、他の人はどうなのか知らないけど、
私の場合は必ずといっていいほど潰瘍のようにえぐれた状態になり、なかなか治らない。

八重歯に当たって痛くて、喋るのもしんどいときもあった。
仕事の電話に出てもふがふが言ってた。

食事が苦痛になるのもとにかくしんどかった。
どこで食べても口内炎に当たるので、
変な噛み方になり、それで結局口の中を誤って噛んで、
後日今度はそこが口内炎になる、みたいな感じだった。

そんな感じで治ったら次ができるので、
一年365日のうち、口内炎が無い日の方が少なかった。
(これ、ほんとうに盛ってない。)

もう振り切って、そのことを自慢していた。

完全に、私はこういう体質なのだと思っていた。
めちゃくちゃ口内炎ができやすい人なのだと。





それが、一時的に焼き菓子店で働いていたとき、
ピタッと止んだのです。

そういえば、口内炎が、ひとつもない!

っていうか最近、しばらくできてなくない?

気づいたときには、かなりびっくりしました…。

口内炎がないって、素晴らしいですね。
食べ物を美味しく食べられるってこんなに幸せなんだ。
片方の顎だけで噛まなくても良い、
そう、舌も部分で感じる味が違うので、
口の片方だけで食べてるとあんまり味がわからないのです。

結局、その仕事を辞めるまで、
そして辞めてからもしばらく、口内炎の無い快適な生活を送っていました。


食事が美味しいって、嬉しい、楽しい、幸せ。





そして今。

色々あり、やっぱり社会福祉士の仕事がしたいなあと思って、福祉職に戻ってみて。


3ヶ月ほど経ちましたが、
色々任せてもらえるようになると、
また出てきたのです、ヤツが。(涙)


そう、今2か所口内炎があります。痛ーーーい。


私の口内炎は、もちろん体質もあるけど、
おそらくストレスによるものだったんだなということに気づきました。


もちろんまじで身体が警告発してた病院勤めのころは、
仕事中や出勤路で涙がとまらん日が続いたり、
仕事から帰って身体が全く動かんかったり、起き上がれん日もあった。
それらがあまりに続くから辞めた。


たぶん私、
福祉の仕事が好きだけど、
単純に社会保険制度の取り扱いが難しいことや
人々の悲しい気持ちへの共感など心理的負担が大きいこと、
人の人生の上で大切な選択のサポートをするので間違えちゃいけないという重圧、などなど
自分の能力としてはキャパを越えてて、
だけど、それとは別におっきなやりがいがあるから、
やりたい、やらなきゃと、とっても無理して頑張ってしがみついて、
ずーっとストレスを抱えてたんだな。


絶叫メリーゴーランド。



そんなこともありながら、
今は主に地域に住むお年寄りからのご相談に対応する仕事をしてるんだけど、
やっぱりこの仕事が好きだな、続けたいな、と思うので、
気持ちの持ちようでストレス回避を図りたいと思います。


口内炎も、言ってもまだ2個なので、
いっぱいいっぱいの状態ではないはず。
と、10年以上口内炎と付き合い続けた結果何となくわかる謎のバロメーター。



私は、この仕事好きだけど、
できない!


「頑張ったらできるようになるかも」は、もう手放そう。
(もちろん努力しない訳ではないです、
調べ物、勉強は業務時間内に留めるということ。)

というか、
正社員時代にもう何回も何回も何回も泣いて泣いて悩んで相談して怒られて、夜遅くまで勉強して朝早く行って勉強して頑張ってみて、今なんだから、
これ以上「できる側の人」にはなれない!
もうじゅうぶん、頑張った。


ほんで、人間なのでミスする!
間違えても、怒られるし、迷惑かかるけど、死なない!
周りを、頼る!


そしてこれがいちばん大切な気がする。

自分が、相手に対して、何が重要なことを施しているという気持ちにならないこと。

自分は、なにか特別だったり大きなことができる職種というわけではない。

そばで寄り添い、一緒に考え、必要なときに必要な知識を提供するだけ。


「なにかしてあげなきゃ」
「自分はもっと何かできるはず」
と思うから、

重圧に押し潰されるのです。

自分がミスをしたから、
自分がもっと他の選択肢を提案できていたら、
この人の結果が変わっていたかもしれないと、
自分を責めすぎるのです。

私はただの相談員で、
起こった結果は本人の選択。


決して冷たくなるというわけじゃなくて、
本当の意味で対等になればいい。

私は未だに、「専門職」という看板の意味を勘違いしていた。


そして、
この心のもちようで働くには、
今のパートという立ち位置が、とってもぴったりだなと思うので、

周りまわって結果オーライだな、
と思ったわけでした。


ということで、
これ以上口内炎を増やさない(ストレスを溜めない)ように、
私は私にできることだけをやるって感じで
お仕事続けてみようと思います。


それとともに、
どっちにしてもこれから先の長い人生、
身体の負担と、それがそのままむすめにも影響するかもってことを考えると、
やっぱりずーっとは続けらんないや。
と思うので、

振り出しに戻って、
相変わらずカフェ開業も志していこうと思います。




たかが口内炎、
されど口内炎、じゃないですか(笑)?


こんなに長い文章を、お読みいただきありがとうございました。

心の中が整理できて、
それが誰かに読んでもらえて、
ときに共感までしていただけて、
ほんとうにありがたや〜です。
noteで交わされるコトバが好きです。


ふと、電気圧力鍋でなくてフライパンで蒸してみたら
すぐに割れてくれた蒸しパン。
まだまだ蒸しパンにハマり中です。

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