事前準備の質を高め、論理的であること「#テレワークで上げる生産性」
2021年を振り返ると、おおよそ1年の半分は「在宅勤務・テレワーク」でした。
私はコンサルを生業としていますが、もともと業務委託型・内部への入り込むカタチを好んでおりますので、クライアントのオフィスにデスクを借りて、朝から晩までの終日を一緒に仕事をするスタイルをメインにしていました。
入館証そのものや、グループウェアのアカウントをお借りしているケースも多く、稼働日数は案件によって、週1日のところもあれば、週3日のところもあったり、様々です。
最近では、裏側で作業は進めておいて、月に打合せを1回~2回のみ。基本はweb会議で対応し、往訪したりしなかったり、というやり方も増えてきましたが、今でも週の半分くらいは、終日往訪型の案件をやらせていただいております。
何の話かと言いますと、今回も日経COMEMOが面白い企画をやっていたので、再び参加です。
今回は「自分のコンサル業としてのテレワークによる生産性」について、とコンサルタントから見た「(クライアント)事業会社の方々のテレワークによる生産性」
この両軸で記事を書いてみたいと思います。
自身のコンサル業としてのテレワーク
一応テーマが設けられておりましたので、それに沿って書いていきたいと思います。
結論から言うと「テレワークによる、自身の生産性は上がりました」
ただし、あくまでも「自身の生産性」限定です。
何かしらの戦略やプラン立案、帳票やプレゼン資料の作成ワークなどにおいて、非常に効率が良かったと感じています。
PC環境やデスク環境も整っており、サブディスプレイがあったり、業務に必要なモノがすべて手の届く範囲にあることなど「作業」や「事前準備」は非常に生産性が高まった実感があります。
結果的に、何かプロジェクトを進める提案のような場合にも、内容の精査や資料作成に掛けられる時間が増え、質も高めやすくなり、非常に良かったと感じています。
ただし「それをプレゼンする」「伝える」「報告する」ということにおいては、状況によって大きく異なる。という印象です。
ある程度、私との仕事のやり方や進め方に慣れている方にとっては、より質の高まった提案になりますので、web会議などでも、まったく苦になりませんでしたが、
ちょっとしたことをライトに相談したい、という方からすると、やはり往訪していて、トナリに座っている方が話し掛けやすく、実はその中に大きなソリューションのヒントが隠れていることもあるので、
web会議や、チャット等でどんどん連絡をいただける形であれば良いのですが、
そうでない方とのやりとりにおいては、むしろ生産性は下がったとも言えます。
誰しもがチャット等での、やりとりや相談を得意としている訳ではない、というのは大きな学びとなりました。
これは、通常の事業会社の社員向けの質問としての意図が大きいと思いますので、ちょっと的外れかもしれませんが、
いかに「気軽にコミュニケーションを取れる環境を整えられるか」が、生産性を高めるためには非常に重要だと痛感しています。
やはりこちらから先行して、チャット等でコミュニケーションを取る動きや、スケジュールを見える化しておいて、この時間は暇(なことは、実際はないですけど)であると、アピールしておく方がよさそうです。
私自身、クライアント先に往訪して仕事を進める場合、ひたすらの資料作成等の作業関連はすでに自宅対応していることが多く、往訪中に必死にワークをしないと追いつかない、という状況はあまり作らないようにしています。
狙いとしては「いつでも、誰でも話しかけてね」という空気感の演出です。
本気で「あいつ暇そう」「何しに来てるんだ」と思われてしまうと、それはそれでコンサルタントとしては、サボっている感じになり、困ってしまうのですが、
自分に余裕を作っておくことが、クライアントに対してのソリューションにつながると思っています。
「こんな資料いつの間に?」「このアイデア、いつ考えた?」そう思われる方が良いかと思っています。
その演出が、なかなかテレワークだと見せつけられないので、そういったテクニックやツールは今後考えておいた方が良さそうではあります。
ここまでが、自身のコンサルタントとしての話で、タイトルに沿ってお伝えしたかった内容はこれで終わりですが、
以下からは、私からみた事業会社の皆さんについての見解です。
事業会社の方々のテレワークによる生産性
同じように、お題をもとに記述していきますが、私から見えた複数の会社のみなさまの感じを総合的に書いてみたいと思います。
これは、上がった、下がった、両方が見えました。要因や理由については以下に記述していきます。
「自身のタスクやTODOの整理に長けている」
「優先順位の判断が巧みである」
「上司に対するコミュニケーション手法が確立出来ている」
「スケジュールがはっきり見える化されている」
「自身の〆切を、明確に宣言している」
これらが出来ている方々は、テレワークで上手く生産性を高められていたように思います。
また上記加えて、
「web会議ツール、チャットツールなどを普通に使いこなせる」
この部分も地味に生産性には影響していました。
逆にみていて、生産性が低いなあと感じるのは、web会議の招待や参加などにやたら手間取るパターンです。
かなり当たり前の話ではありますが、事前に会議の招待URLが送られていなかったり、伝わっていなかったり等も挙げられます。
時間ぴったりに会議が始まらないので、それだけで生産性は下がっていますし、どうしてもグダグダとした雰囲気に包まれますので、私としてもその時間は焦りにも似た感覚がありました。
これが最も重要であり、記述する必要があるテーマだと思うのですが、
「仕組み」ということだけでいうと、
・スケジュールやタスクの見える化 それに対するフィードバック体制
・会議の質の向上のための、事前準備のクオリティ強化
・チャットツール、web会議ツール等の教育体制(使用ルール含む)
これらに尽きると感じています。
もちろん、システムインフラ面の問題等も関連してくるのでしょうが、そういったことだけを整えても、働き方が変わらないと生産性は上がらないと感じます。
まとめとして
上記の3つを叶えるためには、どうしても「論理的な思考力」が求められる場面が増えてくるように思います。
もしくは論理的とまで言わずとも、どうしてもテキストベースのやりとりが増えますので「文章構成力」「読解力」は問われていた感じがあります。
また、資料の精度や事前準備の質は、リアル会議よりもweb会議の方がより問われる感じがありますので、「準備力」ですね。
とはいえ、資料作成そのものにやたらと時間がかかってしまっては本末転倒ですので、そのスピード感を高めるためにも「論理的であること」は手助けになると感じます。
あたまでっかちな、ロジカルさばかりが先行すべきではないと思いますが、
(1)「論理的思考」
(2)「意思決定」
(3)「マネジメント(or コミュニケーション)」
このあたりが上手く機能するか否かで、その部署のテレワークによる生産性は大きく変わると感じます。
会社の仕組みとして、こういった能力を伸ばす教育体制や、評価制度などを組み込むことが、ある程度必要になると考えます。
どちらかと言うと上記は、「結果の評価」よりも「そこに向かうプロセスそのもの」になりますので、そこにも重きをおける会社はテレワークでも生産性を高められるのではにないでしょうか。
以上、ちょっと違った視点で考えをまとめてみました。
コジマサトシ/トナリコネクト