じわりと心地よく染み込む「赤と青とエスキース」青山美智子
こんばんは、となカエです。
再読必須です。
エピローグを読み終わってからが本番。
絵画を巡るオムニバスです。
各話サクサク読めます。
作品内容
感想★ネタバレあり★
《エスキース》
下書きと、いう意味だけど、ちょっと違う。
《必ず完成させるという》下書きという意味のようです。
最初は、一章〜四章まで分けて書こうかと思って分けてましたが、
エピローグを読んでやめました。
物語全てに《とある絵画》が出てくるので、
「絵の持ち主が変わるオムニバスなのか〜」
って思ってた私はアホです。
絵の持ち主はずっと同じ。
エピローグで「んんんん⁈」となりました。
一章にでてきたカップルが日本で画商して、辞めて、カフェ経営して、別れて、でもまたくっついて。
その人生のターニングポイントのときに周りにいた人たちのお話でした。
四章でそれは少しよぎったけど、まさか社長が一章でBBQに誘ってきた先輩?だったとは全く予想外でした。
でも確かに。
あのときの先輩のキャラと口調だわ。
タイトルはそれぞれ、
[一章]
金魚とカワセミ
[二章]
東京タワーとアーツ・センター
[三章]
トマトジュースとバタフライピー
[四章]
赤鬼と青鬼
全てのタイトルに《赤》と《青》が使われている。
この色に隠された対比が、最後にまとめてストンとわかるのがなんとも心地よかった。
ブーは《ブルー》
レイは《レッド》
ネイティブの発音では日本人にはそのように聞こえてしまう。
一章では、ブーはチャラ男のイメージだったけど、めっちゃ一途でした。
最後まで一途。
ピュアッピュアです。
それがわかってから読み直すとよりよいです。
にやにやしてしまいます。
この中で特に好きなのは三章。
《とある絵画》が飾られてる喫茶店で行われた対談。
漫画家さんのお話。
その話ででてくる、
「バタフライピーってなんだ?」
と思って調べてみました。
これ一時流行ってたやつですね。
レモン入れたら色が青→ピンクになる。
これがメニューにあるだなんでなんてシャレた喫茶店なんだ。
額縁の話もよかったな。
完璧な結婚。
額縁も含めて絵画。
年も時代も少しずつ違うけれど、絵が色々な人の手に渡り登場する話と思っていたら、いやー本当にまんまと騙されました。
とても面白かったです。
まとめ
若年~50代まで幅広い主人公がでてくるので、
どなたでも楽しめる1冊だと思います。
小説なのに、色を感じることができる作品。
絵画の用語に明るい人は「お?」となるかもしれません。
一枚の絵が描かれ、
額縁が作られ、
飾られる。
その節目節目で描かれる物語。
オムニバス形式なので、気軽に読めます。
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