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【3.11】トモダチ作戦~裏話の続きのお話~

数多彼に授けられた勲章の中から、日本から授与された勲章のみを身に付けて、虹の橋を渡ったこの人は。。。


当初、日本人を毛嫌いした理由ともなった、彼の大切な親友達に、あえて【日本からもらった勲章を身に付けて逢いに行った】んだと、私は思う。

当時、彼が、殺したくて堪らなかった日本人が、その中の一部に、彼が驚き、心を動かされ、敬意さえ抱かされた日本人も居たということを親友達に教えたくて。

彼が日本人と戦った真の意味を問う為に。

人が戦争に駆り出される背景を教える為に。

戦争の意味そのものを問い質す為にこそ。


トモダチ作戦。Operation Tomodachi.

それは、かの、東日本大震災において迅速に行われた、アメリカ海軍の日本救済活動のことである。


話は、第二次世界大戦の戦後に遡る。

戦後の帝国ホテルにアメリカ人の彼は降り立った。

任務の為であるが、彼は心底、日本人が憎らしく、大嫌いだった。

彼は、戦争で、親友達を亡くしていた。

滞在する帝国ホテルの従業員にも取り立てて関心を示さず、自らも、まるで必要以上に構うなという体で。

日本滞在が暫く続いたある日、彼は一輪の花を買って帰り、部屋のコップに飾った。

翌日帰ってくると、その一輪の花は花瓶に生けられていた。

彼は怒ってクレームを入れた。

〝そんな要望は入れていない〞

帝国ホテル側は答えた。

〝そのような指示は出しておりません〞

その後も、彼の部屋には、花が生けられるようになり、花で一杯になった。

彼は改めてホテル側に問い質した。

〝誰がやっているのか調べてくれ〞


花を飾っていたのは、ルーム担当の女性だった。

彼は女性に金を払おうとした。

〝要りません〞

女性は言った。

〝お客様に快適に過ごして頂きたくてやっただけのことです〞

更に彼は驚かされた。

彼女は未亡人で、先の大戦で、夫を亡くしていた。

〝あなたの御主人を殺したのは自分かもしれない〞

そう、彼が女性に謝罪すると。

女性はこう答えた。

〝そこで夫が死んでいなかったら、大佐こそ死んでしまっていたかもしれません〞

女性は、〝戦争にあって、誰もどこも責められない〞と言った。

この出来事は、彼を深く考えさせた。


~その女性を際立たせる、自身の立場を越えた、公平な視点~と、

~自身の日本国に対する思い込み評価の正当性~を。



帰国した彼は、日本国再建の為に尽力し、日本は蘇った。

日本は彼に勲章を贈った。

彼は、その勲章だけを身に付けて、旅立った。


彼は何故、日本の勲章を身に付け逝ったのか。

私はこう思う。

彼が最も大切な親友達へ、戦争の背景を教えに行ったのだと。

彼が何より大切だった仲間達の命こそ奪い、

彼が憎しみ喘いだ日本人から教えられた【大切な何か】を伝える為に。

日本人を殺すことを大事としていた彼は、

いったい何をこの出逢いから受け取ったのだろう?


トモダチ作戦には、彼の孫が先陣を切って臨んだ。

彼もまた、暴動や略奪を行わず、他の避難場所を思って、〝ここはこれだけでいい〞と言う日本人達に驚かされたという。


【トモダチ作戦】なんて、ナイスなネーミングだね。

世界のオトモダチ達よ。

今日もあなたが、生きたことを祝福するよ。大好きだ。

あなたのことを【大好き】と言える明日が、また始まりますように。。。

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