Note創作記事訓練 五題噺2 そうめんに夢を見る
創作の訓練としてランダムで
引かれた5つの言葉を使用して
物語や架空日記を作ろうと思います。
今日のお題はこちら
私の仕事は移動流しそうめん屋である。
おそらく、知らない人の方が多いだろう。
呼ばれれば全国どこへでも行き
完璧な角度と水の流れでそうめんを
流すのが仕事だ。
ちなみに、我が家は江戸時代から、
移動流しそうめん業を営んでいる老舗だ。
我が家が長い年月、流してきたそうめんを
考えると誇らしくもあり、目頭が熱くなる。
最近は、インターネット経由で
仕事の依頼が来る。
今回はアメリカのアイダホ州知事からだ。
日本の流しそうめんと言う文化に
興味津々のようだ。
もちろん依頼の回答はYesだ。
久々の海外流しとなる。
この流しを成功させればソウメンドリーム
となるだろう。
アイダホ州の気候を考えて商売道具を
準備する。準備で勝敗の8割りが決まる。
アイダホの夏暑く乾燥状態に合う、
そうめん、竹、ホース、桶、ザルを選び
完璧な布陣を整える。
完璧過ぎてにやけてしまう。
そんな時に、お隣の山本さんが
夏みかんのお裾分けにきた。
山本さんは年の頃は30歳半ばで
長い髪とスラリとしたスタイルが印象的だ。
暑いからか人妻にも関わらず、
露出が多い服を着ていて、布の面積が少なく
私は目のやり場に困る。
外に出るときはエチケットを守りTPOに合う
服装にして貰いたいものだ。
と、にやけてしまう。
せっかくのお裾分けなので
夏みかんに手を伸ばすと感触が何か違う
遠近感の狂いか、夏の暑さのせいか、
どうやら私は山本さんの胸に偶然にも
接触していたようだ。
私は痴漢で逮捕された。
そうめんの白さのように身の潔白を
訴えたが無駄だった。
アイダホ州の仕事も流しそうめんのように
綺麗に流れてしまった。
そんな夏の日。