クラウドクレジットのファンド管理の姿が垣間みえる書籍を紹介します!
クラウドクレジットは貸付型クラウドファンディング・サービスの運営を行っているため、貸付に際して審査・管理・回収という3機能を管理する必要があります。
また日本ではなく世界の資金需要者の方に貸付を行っていく中で、日本の投資家の方によりすばらしい投資機会と思って頂けるよう、純投資の機会としてもよりリスク・リターンのプロファイルがいいものになるよう、いわゆるトップダウン・アプローチ(日本、世界や投資先各国のマクロ経済状況をふまえて投資ポートフォリオをチューニングしていく)もファンド運営において採用しています。
実際にどのようなことを行っているのか、その姿が垣間みえる書籍をこちらで紹介します!
クラウドクレジットはファンド組成、ファンド管理、ポートフォリオ管理を行うポジションを随時募集していますので、これらのポジションに興味のある方はぜひWantedlyで「話を聞いてみたい」ボタンをぽちっと押してください!
ファンドの審査
新規の貸付を開始するかどうかを審査するに際しては、その融資先が倒産してしまう確率がどれくらいあると考えるか、また、倒産をしてしまった場合はどれくらいの回収率になるかを見積もる必要があります。
倒産確率の推計についてはエドワード・アルトマン著の「Corporate Financial Distress, Restructuring, and Bankruptcy: Analyze Leveraged Finance, Distressed Debt, and Bankruptcy」が分かりやすいです。
倒産時の回収率の推計については、同じくエドワード・アルトマン著の「Recovery Risk: The Next Challenge in Credit Risk Management」が体系的にまとめています。
また、書籍ではありませんが、S&Pが中堅企業の格付をどのように行っているかのWhite Paperを公開しており、こちらの資料が、審査・デューデリジェンスのポイントとして分かりやすいです。
審査の側面支援としてシミュレーションを行う場合について、「A Structural Framework for the Pricing of Corporate Securities: Economic and Empirical Issues」は参考になるかもしれません。
ファンドの管理
クラウドクレジットでは、資金需要者と締結を行う貸付契約書にコベナンツ条項をいれています。コベナンツ条項は、資金需要者の財務状況の変化(悪化)をいちはやくとらえる、Early Warning Indicatorの役割を果たします。
書籍「Covenants and Third-Party Creditors: Empirical and Law & Economics Insights Into a Common Pool Problem」では基本的なコベナンツ条項が記してありますが、クラウドクレジットではより融資先の実態に応じたものを選択することが多いです。
ポートフォリオ管理
クレジット運用においては、上場株式や国債のポートフォリオと異なり、流動性や随時の価格のなく、また一義的なリスクの定義も(標準偏差か保険リスクかという意味で)上場株式とは異なるアセットクラスでの運用を行いますが、その中で最適ポートフォリオはどのように構築するか、という論点については前出のエドワード・アルトマン著の「Managing Credit Risk: The Great Challenge for Global Financial Markets」が、実務上つきあたる問題についてそのまま纏めています。
また実務上はもっと体系的な運用を行っていますが、各国のマクロ経済の状況を把握するにあたって、外貨準備高、対外債務、経常収支、通貨の下落、等々がどのように結びつき合っているかというダイナミズムは「ラテンアメリカ危機の構図―累積債務と民主化のゆくえ」が肌感覚を得るという意味では分かりやすかったです。
その他
また別の機会に、融資先の集中リスク、ストレステスト、ローン金利のプライシングについても参考書籍をご紹介できればと思います。
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