『カリガリ博士』/サイレント映画に小劇場の面影をみる
洋画に傾倒していくにつれ、
ジャンルとしてのホラー映画に執心していた時期がありました。
どうやってこのジャンルが発展してきたのかを調べあげたところ、
80年代の洋ホラー黄金期から、
モノクロのクラシックホラーよりさらに前の
サイレント映画
その中でもホラー映画の起源の1つとして出てきたのが1920年制作の『カリガリ博士』でした
当時は調べても予告しか見ることが出来ず悔しい思いをしていたのですが、
まさか観れる日がくるとは思ってませんでした、ありがとうAmazonプライム
意外にもサイレント映画を観るのはこれで2作目
在学中の卒業論文の資料として、
同じくサイレント映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922年)を観て以来の鑑賞でしたが、
サイレントと感じさせない展開、
直線的なストーリーかと思いきや、
ラストのどんでん返しは昨今のサスペンス映画に影響を与えたのではと思わずにはいられませんでした
(観れない方はあらすじだけでも読んで頂けたらと思います、
1920年の時点でこのラストが考えられていたと思うと、名作と謳われている理由がおのずと解るかと)
モノクロゆえか、登場人物の目元が強調されたメイクが印象的
夢遊病者のチェザーレが背が高く線の細い美青年で、
(体型を見るとバレエの素養がありそうでした)
整った目鼻立ちにメイクがよく映えて耽美的な美しさでした
サイレント映画の歴史をさらえてないので所感ではありますが、
場面によっては狭いスペースにセットで奥行きをもたせているロケーションが多く、
上下(かみしも)から役者が出てくる様は、さながら小劇場の映像化に見えたりして、
舞台と映像の境目が、この時代はまだ曖昧だったんだなあ、
と、長く果てしない演劇の歴史を見たような気にもなりました
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