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「怒ってるときも大好きだからね」と息子に伝えた話。

子供の前では、できるだけご機嫌でいたいけれど、どうしてもイライラが溢れてしまうときがある。 


私の場合、イライラしてしまうシチュエーションのほとんどは「何かをしているときに、それを止められる時」だ。家事をしているときに何回も呼ばれるとイライラ。家事をしながら頭の中で考え事したり妄想を楽しんでいるとき、何度も話しかけられるとイライラ。

「ちょっと待って」と言う口調がいつもよりキツくなってしまうことが多々ある。

そんなとき息子は、眉毛を下げて、肩をがっくり落とし、あからさまにしょんぼりして、トボトボと私から離れていく。心と体がおもしろいくらいにバッチリ連動している。


そんな様子を見ると急に愛おしさが溢れて、けっきょく息子の所にかけよって、抱っこせずにはいられない。

「母ちゃん、怒ってないよ?ちょっと待ってほしかっただけだよ?」

「怒ったのかと思った!ケンカしたのかと思った!母ちゃん、大好きだよ。」

「母ちゃんも大好きだよ。」


これがいつもの流れだった。

まるでケンカしたカップルが仲直りするときのセリフみたい。「小さな彼氏」という言葉をよく耳にしていたけれど、4歳になった頃から急に、私と息子はラブラブだ。イヤイヤばかりだった時期が遠く昔に感じるほどに。


どうせ今やっていることをストップしてこの流れになるのなら、はじめから息子の呼びかけに答えながら、息子と話しながら、手を動かしたり止めたりしながら家事をすればいいのに。

そういつも思うのだけれど、私は自分の動きを止められるのがどうしても嫌らしい。どうしてもイライラしてしまって、そのたびにあの流れを繰りかえす。

もうこの「動きを止められるイライラ」はどうすることもできないのかもしれない。それならせめて、息子ができるだけ悲しい思いをしないように何かできることはないか。


そう考えていると、ひらめいた。


ひらめいたので、
その言葉を息子に伝えてみた。



「母ちゃんね、
怒ってる時も○○のこと大好きだからね。」



伝わったかはわからないけれど、

息子が「怒られる=自分は嫌われている」と思っているような気がしたので、そうじゃないよ、ということをどうしても伝えておきたかったのだ。



そして効果は抜群だった。

数日後、
そのシチュエーションが訪れた時のこと。


息子はスタスタと私から離れて、
クルッと振り返って笑顔でこう言った。


「怒ってる時でも、
僕のこと大好きなんだもんね。」


その言葉を聞くとイライラは一気にふっとんで、やっぱりかけよって抱っこしてしまったけれど。



私はすごく未熟だから、イライラがすぐに顔や態度に出てしまうけれど、「どんなときでも大好きだよ」ということさえ伝わっていれば大丈夫なような気がした。もちろん、母も日々精進しますが。



昨日、旦那さんが息子に怒っていたとき、息子はすかさず、またあの言葉を使っていた。

「父ちゃん、怒ってても僕のこと大好きだもんね。」という言葉を聞いた旦那さんは、ゲラゲラ笑いながら私の方を見たので、私もウフフと笑った。



息子に、もう怖いものはなさそうだ。


どんなときでも愛されていると知っている人は、きっと無敵だから。

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