オナラ!おなら!onara!
私の母は、父の前で決してオナラをしなかった。
私が実家で過ごした30年足らずの間に、たった1度も。
そしてそれはきっと、私と弟が家を出て2人きりになった今も記録更新中なんだと思う。
父は、母と私と弟の前で
普通にオナラをする。
母は、私と弟の前では
普通にオナラをする。
私は、父と母と弟の前で
普通にオナラをする。
弟は、父と母と私の前で
普通にオナラをする。
つまり母だけが、家の中なのにいつでもどこでもオナラをすることができずにいた。
そんな母を見てきたから、私も旦那さんの前ではなんとなくオナラをしないでいる。
いや、1度だけある。
うっかりやらかしてしまった。
いっしょに並んでテレビをみていたときに
「ブーッ!」というよりも
「ピーッ!」という可愛いオナラが出た。
なんの前触れもなく発されたそのかわいい音。ごまかそうとする前に「あははははー!」と笑ってしまった。
でも「ピーッ!」っていう可愛いオナラでよかったなと思う。
もし
「ブリッ!」
「バスッ!」
みたいな可愛げのないオナラだったとしたら、そしてめちゃくちゃ臭かったりしたら、きっと笑えなかっただろう。
オナラの音やニオイは自分では選べない。
出してみないとわからない。
「別にオナラしてもいいのに。」
旦那さんはそう言う。
でも私はきっとこれからも旦那さんの前ではオナラをしないだろうと思う。
オナラの話をしていると
いつも思い出す場面がある。
小学校くらいのときに、公園で遊んでいたときのこと。
1人でベンチに座っていた外国の方が
表情1つ変えずに
「ブリッー!」とオナラをした。
その音をバッチリ聞いた私と弟は、目を合わせて、笑いをこらえながらその場を離れるためにダッシュして、2人でゲラゲラお腹をかかえて笑った。
そのときはじめて、オナラを恥ずかしいと思わない人もいるということを知った。
オナラをしないと生きていけないし
だれもがオナラをするのに
どうして私はオナラをすると「恥ずかしい」と思うんだろう。
あの音をきくと、なぜかおもしろくなってしまうのは何でなんだろう。
オナラをすること自体は何も悪くない。
オナラにいろんなストーリーや感情をくっつけているのは私だ。
オナラ。おなら。onara。
1度オナラに対してのストーリーや感情をまっさらにして、ただ自分の身体にもう必要のない空気を外に出す行為として見ることができたら。
私は旦那さんの前で、何食わぬ顔でオナラをすることができるようになるだろうか。
いや、全く想像できない。
人間っておもしろい。
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