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#68 霊を信じていない僕の身に起きた〝不可解〟すぎるホテル体験

僕、お化けだとか、いわゆる心霊関係の類は一切信じていません。
ただ、どうにも説明がつかないことって、やっぱり身の回りで起きるんですよね。そんなお話を今日はさせていただきたいと思います。

2001年にフジテレビにアナウンサーとして入社して9年間、夕方の報道番組のリポーターをやっていました。本当に毎日のように、全国あちこち飛び回っていろんなところに泊まりました。星の数ほど取材をしてきましたが、ということは、星の数ほどいろんなホテル、宿に泊まってきました。

入社して間もない頃、愛知県名古屋市に取材に行きました。「激撮!魔の道路」という企画が当時ありまして、一方通行無視が多発する道路だとか、スピード違反が必ず出る一直線の道路とか、そういう違反が多発する道路の取材をまとめたものです。名古屋で信号無視しが多発する交差点があり、その取材で行ったのですが、終わるのが夜なんですね。朝昼夜と一日中撮影しなくてはいけなくて、で夜に終わって、クルーと一緒にご飯食べてホテルに帰りました。

当時はまだ入社して間もないから、出張先で泥酔するまで飲むなんてことはなくて、ほんの1杯で終わってビジネスホテルに帰りました。

初めから嫌な感じがするホテル

もう始めからいやな感じがするんです。霊的なものって一切感じないんですけど、それでも、なんとなく感じるものってありませんか。なんか、ここ、いやだなぁ、と。そのホテルは、結構老舗でだいぶ築年数が経っていると思われ、全体的に暗い感じなんです。じっとりしてるというか。部屋もなんでこんなに暗いんだろう、というぐらい、全部の明かりをつけても薄暗いんです。

もう早くお風呂入って寝ようと思い、部屋のシャワーを浴びました。そしてそのユニットバスの風呂場から出ようと思い、ドアを開けると、目の前に姿見がありました。ビジネスホテルは、多分みんな同じような作りですよね。ドア開けました、で、右か左にでると、玄関、その反対にベッドと小さな机があって、みたいな形だと思います。

お風呂からドアをガチャっと開けてでると、目の前に姿見がありました。1mくらいの鏡です。

ふと見たら、その姿見の横の壁に手の跡がついてるんですよ。白っぽい粉を吹いてるような。しかも、一つじゃないんですよ。上にむかって、三つも四つも。手形が、上に這い上がっていくように。

さすがの僕も、え、と思いますよ。夜だし。今でしたら、そんなことがあった日にはもう速攻フロントに連絡して、部屋を替えてくれ!となるでしょうけれども、やっぱりなんせまだ若いですから、入社1年目でそんなことできませんでした。第一、ホテルに文句を言うなんてことを思いつきませんでした。

ひょっとしたら自分がお風呂から出たその湯気かなんかでね、前の人の手形か何かが反応して出てきちゃったのかな、と思い、お風呂上がりだったものですから、体をふいていたそのバスタオルでゴシゴシ壁を拭いてみました。

消えないんですよ。全然。ついたまんま。

で、どうしたかというと、根本的には霊とか信じていないから、そんなこともあるかと寝ました。よく眠れましたよね。今から思うと。

数年後に真の恐怖が

それから何年も何年も経ちました。愛知にもたくさん行きました。回数を重ねると、各系列局の皆さんと仲良くなるんですね。大きな都市は、やはり事件・事故が多発するので行く回数が増えるんですね。なので、何度も何度も行くと、現場で系列局の記者さんたちと情報交換して仲良くなって、教えてもらったことを中継で話したりするなど、いわゆる交流が増えていくんです。

ある名古屋出張の時、系列局の東海テレビの記者さんたちと、飲みに行きました。飲み会が終わって「森下くん、ホテルどこなの?」「どこそこです」なんて話になって、そしたら「方面一緒だから送ってくよ」とタクシーに一緒に乗せてくれました。そのとき泊まっていたホテルは、手形が出たホテルではなく、もっと綺麗な新しいホテルでした。

その方とタクシーに乗って帰ってるときに「そういえばさあ、名古屋で一番出るって有名なホテルがあるんだよ」と彼が話し出し、タクシーがそのホテルの前を通るときに「ここなんだよ」というので、外を見てみたら、まさに手形が出たホテルでした。

そのときに初めて鳥肌立ちました。

あれやっぱりそうだったのか、と。

後から聞いたら、芸能人の方とかタレントの方とかゲストとして招くとき、東海テレビから近いから、予約をとることがあったらしいのですが、ちょっと感じちゃう人は入った瞬間に変えてくれ、と言っていたそうです。

やっぱり知らないことのほうが幸せ、というのもありますよね。

ちなみにそのホテルはもう潰れてしまいました。

他にも、たくさんというほどではないけれど、どうにもこうにも説明がつかず、心霊現象とでもした方がすっと入ってくるような話がありますので、どこかの機会で。

(voicy 2022年8月19日配信)

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