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#74 他にないアイデアを生み出すためには背後まで超俯瞰すべし!
今回のテーマはアイデアです。どうやったらアイデアというものがひらめくのか。思い付くのか。人が考えないようなこと、もしくは多くの人に興味を持ってもらえるようなことは、どういった瞬間にぱっと出てくるのか。
多くの仕事でもそうだと思いますが、テレビも仕事に対しての正解というものはありません。日々、視聴率を見ながら、どれが視聴者の心に残ったのか、どれが面白かったのか、そういったものを探りながら、放送しています。
報道の世界ももちろんそうです。どういったものに興味を持ってもらえるのか。一方で伝えなくてはいけないこともあります。おそらく興味を持ってもらえないだろうな、でも伝えなくてはいけない、そういうときは伝え方を工夫しなくてはいけません。いずれにしても、アイディアが必要です。そして、他社の真似をしていても仕方がありません。
新しいものをどうやって作り出していくか。
ここに対しての答え、自分のこの22年間、報道をやってきた中で振り返ってみました。
アナウンサー試験で”単独行動”
まずは、出だし。アナウンサー試験にさかのぼります。アナウンサー試験では、僕の時のフジテレビの場合は、月曜から金曜まで毎日、試験がありました。毎日、一次、二次、三次、四次試験と進んでいくんですね。
始まりが8000人。そこから数百人になるのかな。そして60人くらいになり、30人になり、そして1人になる。こうしてどんどん進んでいくのですが、僕が最も覚えてるのはスポーツニュースの番組、当時夜に放送されていたのですが、そこのスタジオに連れて行かれました。
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その時点で男性は10数人残っていたと思います。20人はいなかったんじゃないかな。アドリブ力を試すんですね。そのスタジオを10分間自由に見ていいよ、と。どこに行ってもいい。スタジオを自由に見た上で、一分半のリポートをしてほしい。そして、カメラワークも指示していい。プロのカメラマンがスタジオでスタンバイしていたんです。
では、どうぞ、と言われ、全員スタジオに入ります。みんな一斉にスタジオに向かって歩いていきますよね。そしてスタジオがどうなってるのか、キャスターが座る席、そして装飾品などを間近でいろいろ見ていきます。
やっぱり同じことをやっていては、同じようなアイディアしか出てこない。
昔からそう思っていたので、その時はあえてスタジオに近寄らず離れてみました。1人だけ遠くからスタジオを眺めてみたんです。つまり、俯瞰したんですね。するとその時、スタジオは奥に行けば奥に行くほど小さくなってることに気づいたんです。
つまり、奥行き感を出すために、あえて奥の方を小さく作っていたんですね。そのことに気がつきました。でも、スタジオに入ってしまうとなかなかそれは発見しづらい。僕はその奥行きの話をメインにして面白おかしく、楽しみながらリポートをしました。
カメラさんへ指示もめちゃくちゃ細かかったんです。ここでパーンして、で僕がここから下から出てくるので、カメラは固定して、で最後は下に僕がしゃがんで終わります、みたいな。
入社してから、そのカメラマンさんと一緒に仕事をすることがありました。
そのカメラマンから「受験生の中でお前が一番細かかった」と笑いながら言われました。
何が言いたいか。すなわち、物事を俯瞰する必要があるんです。みんなと同じこと、周りと同じことをやっていては、同じ手元しか見えません。新しいアイデアがぱっと出てくるためには、まず引いてみる。引いて、大きな視点、俯瞰で見てみる。これがすごく重要なんです。
ちなみにこの試験のとき、受験生はスタジオの控え室に繋がっている前室みたいなところでスタンバイし、あいうえお順でスタジオに入ってリポートしました。で、スタジオから戻ってきてますよね。みな、どうだった?と聞くわけです。いや駄目だった、思うほど出来なかった、みたいななんかそんなことを話しているのですが、なんとなく想像つくと思いますが、僕は「森下」なので一番後ろの方でした。僕の後ろにはその後同期となる渡辺くんがいたのですが、渡辺くんが僕にどうだった?と聞くので、僕はその時自信満々だったので「神が降りた」と答え、全員がドン引きしていました。
もうこれ以上、完璧なリポートなんて今の時点でできるわけがないぐらいの気持ちだったんですね。嫌なやつですね。
入社してから、渡辺くんに怒られました。「あれはない!」と。もちろん冗談半分ですけれども。あの一言によって、全員が凄まじいプレッシャーを負ったといっていました(笑)
いずれにしても俯瞰する必要がある。そして、トライアンドエラーが必要。もし新しいことをやってみて、もちろんそれは失敗する可能性もあるけれども同じことをやっているかよりは全然いいと思うんです。
失敗するからこそ、次のアイディアが生まれてくる。
成功はもちろん成功でいいんです。ただそこに胡坐をかいていてもいけない。ときに「俯瞰」しながらいろいろと挑戦していく姿勢が大事だと思っています。
(voicy 2022年9月6日配信)
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