アジャイルの、ここがすごい!
自分で、今日より明日をよくできること!
アジャイルのよさをひとことでいうと、私はここに尽きるかな、と感じています。
今回も、末尾にあるようにトピックに沿った記事です。
アジャイルのよさ、学びを連鎖する
アジャイルは、経験主義だ、と言われます。まさにそのとおりで、活動を通して常に学びを蓄積し、その学びに基づいて、次のアイデア・判断・行動などにつなげていきます。逆にいえば、学びのために活動を計画立てるともいえます。
なんらかの活動をして、その結果を活かした判断をする、ということはとても自然なことです。これを延長すると、「次にどんな判断をしたいから」、「その判断のためにどんな学びを得たくて」、「その学びを得るためには、今なにをするべきなのか」プランニングをする、という、ある種逆転の発想とも思える考え方に行き着きます。
ですが、これを常にやる、というのは難しいことです。だからこそ、いろんなスパンでこの考え方を適用していく必要があると思います。
年間通して、どこに到達したいから、この半期ではどこに向かおうか。
半年先にここに辿り着くためには、今月はここまで行ってなきゃいけないな。
今月の目標はここだから、今週のゴールはこうなりそうだ。
今週のゴールに向けて、今日はなにがやれるだろうか。
ともすると、大計画主義とも思えますが、ポイントは今日やったことから、明日を変えることです。
学びを活かすために
大きな時間軸からブレイクダウンした、今日やること、に従っているだけでは、学びは活きてきません。
もちろん、事前に立てた計画で1年先まで見通せていて、進み方ややり方まで緻密に練れているならばそれでも良いかと思います。一方で、必ずしもうまくいくわけではないですよね。むしろうまくいかないことの方が多いのが、昨今の仕事のあり方です。
今日はこれをやったけど、すこしうまくいかなかった。だから明日はこうしてみよう。
今週は思ったより進まなかったけど、それはこんな背景があったからだ。だから、来週に向けてはそれを取り除こう。
今月はこんなことがあり、そこからこういうことが得られた。それを踏まえると、3ヶ月先にはこういう目標の置き方にした方がよさそうだ。
半年やってみて、こんなことがわかってきた。一方でまだわからないことも多いし、わかったことを踏まえるともっとこんなことが得られると進めそうだ。だから、次の半年は、わかったこと・まだわかっていないこと・もっとわかりたいことを明らかにできるように、こんな進め方をしよう。
日々の取り組みが次へつながっていくことが重要です。「やってみた」→「次にどうする」の流れが大事ということですね。
ただし、なんでもかんでも「やってみた」だけでは、学びは取り出しにくいものです。このためにはやはり、「なにをするつもりか」という目標・計画を立ててこそ、どうだったか、がわかるというものです。
そのために、「ふりかえり」
アジャイルには、さまざまなプラクティスがあり、そのどれもが強力なものです。スクラムガイドに規定されている、スクラムイベントと呼ばれるミーティング (場) は、さきほどのような学びのループを繰り返すためのものです。だからこそ、スクラムガイドではすべてのスクラムイベントを実施するように定められています。
しかしながら、諸般の事情により、「すべて」を行うのが難しい場合もあるでしょう。実際に私も、そういう場面に何度も立ち会いました。
アジャイルのプラクティスにおいて、なにかを削ぎ落としていかなければならない、となったときでも、私が一番最後まで削ってはならないと思っているのは、「ふりかえり」です。
この「ふりかえり」こそが、過去の学びから、次の一歩を踏み出す力に変えるための場だからです。
ふりかえりは、いろんな時間軸で実施することができます。毎日なのか、毎週なのか、毎月なのか、はたまた、重要なイベントがあったときなのか。
どの単位で実施してもいいし、どの単位でも実施することが、明日を良くすることにつながります。
最後に
冒頭で、私は「自分で、今日より明日をよくできること」だと述べました。
ここまでの話は、「今日より明日をよくできること」の話です。
最後にもうひとつだけ。「ふりかえり」は、チームや組織で取り組むことが一般的だと思われるかもしれませんが、ひとりでも取り組めます。自分が従事する仕事は、自分だけでは変えていけない、アジャイルなやり方ではない、と感じている方でも、「自分ひとりでやるやり方」については、「自分の学び」を活かして「自分で変えていける」ことができるのではないでしょうか。
こちらの記事は、シン・アジャイルコミュニティの【ほぼ月刊】シンアジャマガジン Vol. 4のトピック「わたしがアジャイルを好きな理由」としてエントリーしています。
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