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#138【映画】F1を舞台にしたヒューマンドラマ『ラッシュ/プライドと友情』

F1といえば、どんな競技をイメージしますか?

私のF1に関する知識といえば、
「ヒューーーーーーーーン」という風切り音とともに、あっという間に走り去るレースというイメージしか持っていませんでした。

しかし、友人に熱弁されたことをきっかけに、劇場公開時に映画館で鑑賞した作品をご紹介します。

『ラッシュ/プライドと友情』

主演は、 「アベンジャーズ」シリーズでアスガルドの戦士ソーを演じるクリス・ヘムズワース、「キングスマン」や「ボーン・アルティメイタム」にも出演しているダニエル・ブリュール。

監督は、「アポロ13」「ビューティフル・マインド」「ダ・ヴィンチ・コード」などを世に生み出し続けているロン・ハワード監督。

実話を元にアメリカとドイツで制作されたアクション映画。2014年に日本で劇場公開されていました。
劇場で鑑賞したときには、映画観の大きなスクリーンと音響で観るF1レースはめちゃくちゃすごい迫力でした!!!

劇場版ではジェームス・ハント役をKinKi Kidsの堂本光一、ニキ・ラウダ役をKinKi Kidsの堂本剛が吹き替えました。
ライバル関係にありつつ、切磋琢磨する2人の関係性を演じる声と息がぴったりでした。

あらすじ

1976年のF1世界選手権でのジェームス・ハントとニキ・ラウダのライバル関係が題材とされています。
破天荒なプレイボーイの英国人ドライバー、ジェームス・ハント。
真面目で一直線な性格のオーストリア人ドライバー、ニキ・ラウダ。

野性的思考と直感を活かした天才的な走りを得意としていたジェームス・ハント。
論理的思考と勤勉さ、工学の知識で自分で車を整備するニキ・ラウダ。
正反対の性格である2人がライバル関係としてしのぎを削りながら、何度もレースで競い合っていきます。

1976年のシーズン成績1位を独走するラウダとそれを追うハント。
朝から豪雨で悪状況にあったコースで開催されたドイツグランプリのレースでラウダの車がスリップしてクラッシュし、彼は生死の境をさまよう大事故を引き起こします。
当日のレース開催前に決行を進言したハントはラウダの事故の原因が自分にあると自分を責め、お酒に溺れてしまうこともありました。

しかし、プロレーサーとして発起して、ラウダ不在のレースで勝ち続けてラウダとの点数差を埋めていきました。
一方、一命は取り留めたもののそのシーズンでの復帰は不可能だと思える怪我を負っていたラウダ。
ハントが活躍するレースを病院で見ていたラウダはリハビリに集中して、事故からわずか42日後のレースに復帰しました。

事実に基づく時代背景と心理描写による「リアリティ」

約50年前の話ということもあり、現在のF1とは異なる部分も多くあります。
「誰よりも速く走る」という基本は変わらないのですが、レース用の車の安全性は大きく異なっていたようです。

劇場公開らしい迫力はもちろん、ストーリー展開や心理描写がすごかったです。
前述のとおり、F1について表面的な知識しか持っていない私も作中の世界観に没入感に浸りました。

F1マニアや知識を持った人でなくても楽しむことのできるヒューマンドラマ
マニアックな予備知識も不要なので、熱いドラマが好きな方にはオススメです。

プロドライバーのテクニックによる「リアリティ」

ロン・ハワード監督は、撮影時は安全性を優先するためにレース中のマシン同士が接触したり、接近するシーンはCGで制作する想定だったそうです。
しかし、最初のテスト撮影でドライバーたちが見せた自分の手足のように自在にマシンを操るテクニックを目の当たりにして考えを変えたと話題になっていました。

ロン・ハワード監督も生粋のF1レースに詳しいわけではなかったそうで、映画を撮影する前までは真剣にF1を観戦したことも無かったそうです。
史実に基づいた脚本家を描くピーター・モーガンの助力もあったことで、心理描写もレース映像も最高の「リアリティ」を感じることができました。

登場するマシンは現存している当時のマシンを整備して使用したり、残っている動画に登場する人物に似た俳優を起用しています。
映画の終わりに当時の映像が流されるのですが、まったく違和感なく、その再現度の高さにびっくりしました。

ニキ・ラウダ本人も称賛した「リアリティ」

そんな安全性を守りつつ、迫力の高さもリアリティの高さも細部までこだわられた作品を観たニキ・ラウダ本人は「私がそれを初めて見たときに感動した。ハリウッド的な変更はなく、非常に正確だ。そして、非常に明らかに私を本当に驚かせた」と賛辞を送っています。

ニキ・ラウダ本人もレースの描写には満足していたようですが、当時のハントの素行に対しては「あれよりひどかったよ(笑)」と語っていたそうです。
命がけのレースに出場するドライバーたち。そのため、遊び方も飲み方も派手だったそうです。

遊びも仕事も本気でプライドを持っていたプロレーサーの生き様がめちゃくちゃかっこいい作品でした。
まだ観たことのない方は、ぜひ一度ご覧ください。

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