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トイストーリー4 生き方の多様性とフェミニズム

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  トイストーリーはちょうど子どもに第一作目が公開され、高校生の頃に3だったからなんとなくアンディとは同い年のような感覚がある。それにしても3公開から10年経っていたのが一番の驚きである。

いままでと違うトイストーリー

 今までのトイストーリーはみんなで一緒にいること大切にするということや持ち主への忠義を尽くすことが大きなテーマとして描かれていた。3は持ち主が大人になってしまうという避けられない運命の中でのおもちゃの悲しみやそれを認めて前に進んでいこうという話。

 しかし4では全体的なテーマが大きく違うように感じた。

みんなでいることや自己犠牲、忠義を尽くすことだけが人生じゃない。色んな生き方があって自分が一番幸せな道を選ぼう

というメッセージ大きく出ていた。

ボーとフェミニズム

4はウッディとボーの話と言っても過言ではないのだが、自由の身になった後のボーの生き方がウッディに大きな影響を与える。

まずもともとはこのような古典的な女性像そのものだった姿から

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今作ではこのように変わる。

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キャラクター自体もとても自立していて強気になっている。ウッディをどんどん引っ張っていく現代的な女性像だ。

持ち主を持って尽くすべきという”古い”おもちゃ観から
持ち主を持たずに自由に自立して生きていくという価値観は、まさに女性はこうあるべきという古い女性像を表している気がした。おもちゃ観と女性観がリンクしていてわかりやすい。

「私はもうアンディのおもちゃじゃないの」というセリフはなんとも…。

トイストーリー4はアメリカでは好評だが日本では不評

 アメリカでは3よりも好評だったというくらいなようだが、日本では「結末がトイストーリーらしくない、テーマがあいまい、悪役が弱い」などと中々不評だ。

確かに今までのトイストーリーにはないようなテーマが盛り込まれているし、今までの仲間との場面がかなり少なくなっているのも寂しい。そして今回の悪役も悲しいおもちゃなのだが、最終的にそのおもちゃも救われるという展開だから、前作のようにトラックにはりつけになったりはしない。

個人的にはそれもいい展開だと思ったが、やはり日本は勧善懲悪が好きなのかなと思う。事実上悪役はいないようなものだった。いないのもよかったが。

 結末は今までのトイストーリーでは考えられないような展開だし、ウッディの考えが作品中にどんどん変わっていったという意味で個人的には良かったと思う。そうでないと毎回同じ終わり方になってしまう。

 そしてやはり随所にトイストーリーらしい笑えるシーンはたくさんあった。吹き替えが優秀なのか、なんとも日本人にもしっくりくるユーモアばかりなのがおもしろい。

 そして3と見比べた時のCGのクオリティの差が本当にすごかった。アニメなのに実写のような不思議な絵だ。髪の毛の一本一本まで描かれているのに顔はデフォルメされているという感じ。特に冒頭の水の描写はすごかった。そして今回のバズが今まで以上にテキトーなのも中々つぼだった。

ちなみに今作は途中から今までの監督から女性の監督に代わったらしい。それでストーリーの展開がいつもと違う感じだったのかもしれない。次回作はまた10年後ぐらいだろうか。アンディに子どもが生まれてそこにいくのかもしれない。

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