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シベリアでコロナ引きこもり生活①

シベリアで約2週間何もせずに過ごさなければならなくなった。

街の様子は日々変化しており、この特殊な状況を書き残しておいたら後々になって楽しめるかもしれない。もちろんコロナウイルスのことを忘れることは一生ないのだけれど、案外何をして過ごしていたかというのは覚えていないものなのだ。

ちょうどnoteはこうした日記に適している。

街中の人がマスクをしているのにどこにも売っていない謎

プーチンが会見してから街中の人が一斉にマスクをつけ始めた。多くの人はロシアの病院でいつも見かける青いマスクをしている。若者には黒い物が人気なようである。

しかし不思議なことに相変わらずどこの薬局でもマスクは品切れだ。すぐに買い占められてしまうのかよくわからない。或いはみんな職場で配られているのかもしれない。

職場や学校に優先的に配布されているというのはあり得る。劇場のようにすぐに閉鎖された場合は別だが。


ロシアでもマスクの転売

ロシアでもマスクの転売が問題になっており1枚40ルーブルするらしい。物価的に考えると牛乳1L 、砂糖1kgとマスク1枚の価格が同じ。

「転売をしたものは死刑」とプーチンが言い出しても不思議はない。ロシアでもっと感染が広まり、外出禁止にまでなった場合が恐ろしい。

ヨーロッパでは2万円の罰金だったり、感染していた場合は殺人未遂で12年の懲役など厳しいと聞く。しかしロシアはその上をいくほどにとんでもなく厳しいルールを作るに違いない。

そしてその厳しさを知っているロシア国民は国の言いつけをしっかりと守るだろうと思われる。


ウランウデの街の様子

普段のんきなブリヤート人のことだからみんなウイルスのことも大して気にしないのではないかという予想は大きく外れた。

土曜の昼間でも街中にはほとんどひと気がない。買い物に出かけている風の人がチラホラいるだけだ。不要な外出をしている人は見当たらない。どんなに桜が満開でも素通りしそうな空気が流れている。

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ウランウデのスーパーの状況

ブリヤート人たちの性格上あまり買い占めは起こらないのではと思っていたがその通りだった。買い物している人はみんな通常の量しか買っていないしトイレットペーパーがなくなっていることもない。

ブリヤート人は基本的に貯金をする習慣がないから買い溜めするような金銭的余裕がないのもあるかもしれない。

こんな中で牛乳が大幅に値上がりしていた。年末から5ルーブルほど上がった。1年前と比較しても20%の値上がりだ。ロシアのインフレは年に4%ほどだからすごい。

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店員たちも厳重な対策

スーパーの店員はマスクだけでなくゴム手袋もつけてレジ打ちをしていた。食器などが売っている雑貨屋の店員に至っては防塵マスクをするという徹底ぶり。

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このレベルのマスクならウイルスの侵入を防ぐこともできるのだそうだ。

ロシア人たちの真剣な取り組み

しかしロシア人たちがみんな一斉にウイルス対策に真剣に取り組んでいてとても安心している。日本はすでにかなり蔓延しているはずなのに花見をしているというから心配である。

ちなみに体感としてはマスクをしているのはアジア系であるブリヤート人が多く、白人系はあまりしていないような感じがする。

気温も安定

数日前まで体感気温-20℃だったがもうプラス8℃くらいはあり、これからはガクッと下がることはない予報。一番寒さと乾燥が激しかった時期にウイルスが入ってきていたら本当に大変だったからまだよかった。-40℃じゃウイルスも生きられないかもしれないが。

何をして毎日を過ごすか

外出をできないが意外とすることはたくさんある。元来出不精なたちだからそれほど苦痛でもなさそうだ。

毎日起きたら30分夫婦でヨガをやり、午前中に買い物や散歩をして午後はロシア語を勉強したりトランペットを練習する。Netflixでジブリが見られるからこの休みの間に見ていくつもりだ。グリムというアメリカドラマも中々おもしろいから地道に見ている。これは120話くらいあるから休みの間に見終わることはなさそうだ。

こんなときに楽器はいい

普段は毎日オーケストラでリハーサルか本番がある。1stを吹くことがほとんどなため、コンディションに気をつかいつつ練習しなければならない。

金管楽器をやったことのない人には理解してもらえない感覚なのだが、トランペット奏者というのは音楽家であると同時にアスリート的な要素がとても大きい。

顔面の筋肉は腕や脚と違いかなり小さく壊れやすい繊細な筋肉なので壊してしまった場合は最悪の場合10年もとには戻らないか一生治らない。脳と連携して知覚できないレベルの複雑な動きをしているわけだ。

17歳の頃に壊したときは本当に大変なことになった。その時の後遺症が減ってきたのはごく最近のことである。そのことについてはいつか書きたい。

筋肉だけではなく唇そのものも吹きすぎてしまうと損傷する。スポーツで大会前日にきつい練習をしまくってしまうと本番いい結果がでないことと似ている。

毎日のように大会があるような状況だから、リハーサルや本番以外にはなるべく楽器を吹かないようにしなければならない。

OFFは基本的に週1日だからその日はコンディションによっては調整程度の数十分しか吹かない。

毎日1時間ほどの基礎練習はしているがなにか新しい練習のアイデアを思いついてもあまり練習できないのは大変だった。

しかし今は翌日のコンディションも何も気にする必要がなくいくらでも練習できる。トランペット吹いていると一番時間が潰れるわけだ。友達に聞いたおすすめの基礎練習をしたりして中々に充実している。


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