見出し画像

書評『暇と退屈の倫理学』

 こんにちは!トモタメです。
今回は『暇と退屈の倫理学』を紹介しようと思います。

最近、哲学にハマりつつある私が、1番読んでみたかった本でした。
何で暇・退屈と人間が感じるのか?その本質を探ってみたいという思いから、この本を手に取りました。

この本で印象に残ったところは、
暇や退屈の根源は定住生活から始まったというところです。

元々紀元前400万年に二本足で歩く人間が誕生し、紀元前約1万年に定住生活が始まったと言われています。
つまり、移住生活の方が人類史で見ると長いということです。

移住生活を毎日していた狩猟時代では、目に入るものが全てが新鮮でした。毎日移住生活していますから、見える景色や食べ物など、異なっていたので、飽きることがありません。

また、人類史で見ると、狩猟時代の方が長いので、狩猟時代の人間の機能が定住生活の時の機能よりも発達しています。

例えば、皆さんは大勢の人がいる前でプレゼンをするとなると緊張して、胸の鼓動が早くなることがあると思いますが、あれも狩猟時代の名残です。狩猟時代に数頭の動物が周りに囲まれると、人間は闘争もしくは逃走本能が働き、血液を全身に送ろうとします。それと同じことが400万年以上経過した現代でも、環境は全く違えど、自分の体に起こっているのです。

つまり、現代の人間の機能は、移住生活の方が慣れているということです。
定住生活を始めたことによって、毎日異なる景色を見ることが少なくなり、そして、昨日出会っていない人と出会うことも難しくなりました。だから、人の本能として退屈だと感じることが多くなったのだと思います。

そういう風に考えると、小さい子が走り回るのは人間の本能としては普通の行動なんだなという思えます。

今の生活が、人間の機能として合っていないことが分かったので、今後の暇や退屈の向きあい方を考えようと思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?