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「香り」は欲望のメタファー

「恋愛がしたいから」という夫からの離婚提案を受け入れたマリエ。
30代後半の女性の恋愛と結婚観を描いた小説は、離婚届を提出するシーンから始まる。

展開、ストーリーは、恋愛小説で何度も読んだ気がするけど、傑出しているのは、ベタに言えばリアルと等身大。そして徹底的に女性視点、女性感性。

この作家の小説には人間の欲望のメタファーとして「香り」がよく登場するけど、今作でも大切な要素になっていた。

実家の匂い、子どもの匂い、彼女の匂い、電車で隣合わせる人の匂い…。


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