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Photo by
mioarty
真夏の都バス
もうだいぶ歩いていた。
川を渡る国道の橋の歩道。
河川敷のグランドで学生たちがラクロスをやっていた。
背中を伝う汗。
通り過ぎる自動車の温い風。
渡り終えて、交差点を左に曲がった。
木蔭が続いたが少しも涼しくない。
T字路を左へ折れた。
閑静な界隈になった。
自販機でポカリスエットを買った。
バス停でつかまえたバスに乗った。
最後部の座席についた。
バスは住宅地を抜ける片道1車線を走った。
行きかう自動車、自転車、日傘の人。
間違いなく二度とこのあたりには来ないと思っていた。
睡魔は覚えている。
だけどどこで降りたとか、どうやって帰宅したとか思い出せない。
夏に向かうとき、ふと浮かぶ光景。
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