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山の存在感。開聞岳

富士山を眺めて送る日常ってどんな感じだろうか。人生に何かしらの影響がないわけないと思う。たまに出かける河口湖畔から大きな富士山を見上げるたび考える。
近所から遠くに見える筑波山でも似たようなことを考えるし、ランドマークのある故郷がある人を羨ましく思うのも、東京生まれだからかな。
鹿児島の人は、桜島を眺めながら、西郷隆盛ら近代日本成立のヒーローたちを思い浮かべて「スケールの大きい人間になりたい」など思うのかな。

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それにしても。
開聞岳の存在感はいったい…。

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地元を見おろすように鎮座する存在感の山は。
僕が目にした山を記憶でたどれば羊蹄山、岩手山、飯豊山、筑波山、富士山、桜島、由布岳あたり。
だけど開聞岳は別格だと感じる。

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フォルムは、海に浮かぶように見える美しい円錐。
そして、美しい茶畑が広がる「知覧」で起きた77年前の記憶。
そこにあった滑走路から2時間後の玉砕へ飛び立った1000人の若き特攻飛行士。彼らが手を振ったはずのランドマークが開聞岳だったことは地元の人みんなが知っている。

美しい円錐形といえども、東から北から西からと、眺める方向でまるで喜怒哀楽の表情のように変化して見えるから不思議だ。

僕は、レンタカーのバックミラーから見えなくなるまで追い続けた。

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