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【将棋】先手振り飛車の速攻をひたすら受け止める方針の将棋(パート1)


概要

今回は先手三間飛車対後手居飛車で、後手の囲いが完成する前に先手が速攻を仕掛けてきたのでひたすら受け止めるという将棋でした(将棋ウォーズ10分切れ負け)。
いくつかポイントになる局面が出てきたので、2~3回に分けてご紹介しようと思います。

課題局面(飛車が捕まるかも?)

図1 △5三銀とした局面。飛車先を受けつつ角道を通して味が良い。

図1までの手順は下記の通り。
1 7八飛(28)
*▲戦型:▲7八飛戦法
*▲備考:振り飛車
2 5四歩(53)
3 7六歩(77)
4 8四歩(83)
*△備考:居飛車
5 6八銀(79)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 5六歩(57)
10 3四歩(33)
11 6六歩(67)
12 5三銀(62)
13 5七銀(68)
14 4二玉(51)
15 4八玉(59)
16 3二玉(42)
17 3八銀(39)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 5二金(61)
21 3九玉(48)
22 3三角(22)
*△戦型:対振り持久戦
23 4六銀(57)
24 4四銀(53)
25 6五歩(66)
26 9四歩(93)
27 2八玉(39)
*▲囲い:片美濃囲い
28 2四歩(23)
29 6八飛(78)
30 8四飛(82)
31 6六角(77)
32 7四飛(84)
33 7五角(66)
34 5三銀(44)


△5三銀は▲6四歩からの飛車先交換を受けつつ、7三地点の角のラインを通す味の良い手でした。
AI的にも最善手でしたが、対局中は▲同角成~▲7五銀(図2)でまずいかも、と考えていました。(実際に指されたのは▲6六角でした。)

飛車が捕獲される変化

図2 後手の飛車が捕獲される。後手陣は飛車打ちに強い形ではないため、対局中はまずいと考えていた。

図1で▲5三同角成とくれば、図2まで一直線で進みます。これで後手の飛車がつかまり、先手は▲7四銀~▲8二飛の攻めがわかりやすいです。
しかし、図2をよく見ると、先手に持ち駒がない&△9九角成があるため、後手が指せるみたいです。

最終図(後手の持ち駒と狙いが多い)

図3 図2から△9九角成▲7四銀△同歩▲8二飛△4二銀と進んだ局面。飛車は取られたが、後手に持ち駒が多く、△6五香などの狙いがあるため、後手が指せる。

図2から△9九角成▲7四銀△同歩▲8二飛△4二銀と進んだ局面が図3となります。

この局面を冷静に眺めると、先手の持ち駒が0なのに対し後手は角・銀・香と豊富な持ち駒があります。また、9九に馬ができており、△8九馬や△6六香など攻め手に困りません。先手も▲8一飛成から桂・香を回収する手段はありますが、後手玉に迫る手が難しい状況です。

AI評価は400点ほど後手に振れているので、後手有利な局面です。

まとめ

今回は対局中に気づいた飛車が捕獲される変化を解説しました。
人間心理としては、飛車が捕獲されるのは不利と判断しがちですが、AIと一緒に局面を冷静に眺めると、意外と不利でもないなと気づくことがあります。
次回は同じ対局の中盤戦、先手が次々に仕掛けてくる技をあの手この手で何とかかいくぐる後手の指し手を解説します。

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