課題を解決しようとしたら、プロダクトマネージャーになって、Vtuberになって、人事労務研究所所長になってた話
こんにちは。長いタイトルにしてしまいました。2019年も終わりを迎えようとしております。今年はいろんな意味で転機な年で、社内外の両方にいろいろな発信をさせていただき、SmartHRのことはもちろん、私のことも知っていただく機会も増えたように感じております。
2020年はSmartHRに入社して5年目を迎えることもあり、これまでのことを少し振り返っていたら自分の特徴を整理できたので、「実はこんな考えでやっている」ということを書き記してみたいと思います。
結論から言うと、課題を解決しようとしていただけ
SmartHRに入社してから、プロダクトマネージャー、Vtuber(これは個人活動)、人事労務 研究所 所長をやっていますが、すべて「○○になりたい!」と思ってやっていたわけではないということ。
プロダクトマネージャーをやりたい!と思って入社したわけではないし、Vtuberになることが目的でもありませんでした。人事労務 研究所については結果的に「研究」が付加価値となっていますが、立ち上げの一番の目的は別にありました。
すべて、「課題を解決したい」と思ったときの解決策がプロダクトマネージャーであり、Vtuberであり、人事労務 研究所であったのです。
どんな課題を解決したいと思ったか、1つずつ見ていきましょう。
【その1】入社1ヶ月後に叫んだ「SmartHR残念過ぎる問題」
社員としては5人目として、2016年にSmartHRにジョインしました。役員含めて10人もいない状態でしたし、職種として何をやるかはフワっとした状態でのジョインでした。「経理、営業事務、給与計算、カスタマーサポート、できることはなんでもやります!」
それはよかったのですが、SmartHRを具体的に触りはじめ、ユーザーさんとチャットサポートでコミュニケーションをはじめて1ヶ月。あることに気づいていたのです。
今のSmartHRは10人の会社向けに作られたもの。このまま注目され続け、ユーザーが増え続けると期待に応えられず破綻してしまう。
社会保険、雇用保険の手続きを便利にするSmartHRは革新的なものでした。一般企業の担当者が利用できるソフトウェアはなかったし、UIはとてもわかりやすい。全国に70店舗以上、1,500人の外食企業で労務をやっていた経験のある私は、「あんな場面、こんな場面で使えたら世の中が変わる!」と思っていました。しかし、10人の会社向けに作られたソフトウェアは「あんな場面、こんな場面ではとても使えない」状態であることに気がついたのです。
もったいない、もったいなさ過ぎる。便利な世界をもっと提供できる。このサービスは絶対にもっともっともっと伸びる!
当時、ローンチして6ヶ月。新しい機能をどんどんリリースしていくことが一番のニュースになるし、スタートアップとして生命線であるような状況です。でも、このまま機能を追加していっても、使える企業は限られてしまう。一緒にチャットサポートをやっていた、現:カスタマーサクセスVPの高橋さんに想いを話したところ、「副島さんが声をあげるべき」と言っていただきこのような記事をQiita Team(当時)にあげたのでした。
入社1ヶ月の、突然やってきた人間がこのような投稿をするなんて、なかなかの強心臓ですねw
でも、私には絶対の自信がありました。SmartHRはもっと多くの人に使ってもらうべきで、絶対に成功するサービスであるということ。だから、労務という業務がわかる身として見て見ぬ振りはできませんでした。この課題を絶対に解決したい。
この投稿に寄せられたコメントはこちら。
当時のCTOが「プロダクトマネージャーになってみませんか?」と言ったのです。そこから3年間、”素人PM”の私とエンジニアが5人くらいの開発チームでなんとかやってきたのでした。
なお、2019年からはとても頼れる"プロのPM"が複数人入社してくれたので、プロダクトマネージャーという肩書はなくなったのでした。
【その2】「もっと勉強しようよ!」と叫びたかったけど叫べない問題
SmartHRに入社してから、他社の労務担当者さんの「現状を知る」という機会を得ました。その中で、労務の前提となる知識がないまま業務にあたっている方が多いなあと感じることも増えました。会社から突然「労務やって」と指示されている方もいらっしゃって、見様見真似でなんとかやっているという声も。
そういった方に「ここで学ぶといいよ!」「こんな勉強するといいよ!」を言ってあげようと思いきや・・・・
ない…。適切な環境が見つからない。
例えば経理の勉強をしようと思ったら、「簿記」という知名度、信頼度がとても高い資格があります。でも労務となるとみなさん急に「社労士」資格の勉強を始めてしまう。私も受験生だったことがあるのでどんな内容かを知っていますが、実務からは遠い内容が占めるんですよね。(もちろん実務に役に立つ内容もあります。)
合格には年間1000時間の勉強が必要という、とても高いハードルがあるわりには実用性が高くない。この問題を解決したい。どうしよう、、、、、、
自分でやるか!この解決策がVtuberだったのです。
たくさんの反響をいただきました。2020年は方向性が見えたので、もっとたくさんの動画を投稿できたらなと思っています。なお、Vtuber形式でやっている理由はこちらの動画で語っていますのでよろしければご覧ください。撮影方法も少し語っております。
【その3】労務がわかる人の採用が全然できない問題
最後は、人事労務 研究所 です。
2019年7月に「人事労務 研究所」を立ち上げました。設立の背景をプレスリリースで語っておりますが、実は根底にある課題は「採用」でした。
2016年にSmartHRにジョインしてからというもの、プロダクト開発の中で労務がわかる人は私だけという状態が続いていました。これまでも何人かにお声がけさせていただいたりもしたのですが、「労務から開発へのキャリアチェンジ」という最大級のハードルが待ち構えてしまい、なかなかその決断に至る方はいらっしゃいませんでした。
そしてコーポレートの労務も上手くいっていない問題がありました。労務をビジネスドメインとする会社なのに、自社の労務がイケてないなんて・・・という問題も。「私がコーポレートの労務も見ます」と手をあげたものの、開発との兼任状態はやりにくい部分もあり、「マジでどーーしよーーーー」と本当に頭を抱えていたのが2019年6月。そんな時、突然頭をよぎったのです。
開発の労務と、コーポレートの労務をくっつけたらいいんじゃない?
労務だけの組織を作るの、SmartHRならアリなんじゃない?
社内に提案し、社長の宮田さんと一緒にチームの名前を決めました。
半年が経ちますが、おかげさまで狙い通り、応募者も増え、「ぜひ来ていただきたい!」という方にも出会えております。この組織によって「キャリアチェンジ」のハードルなくなり、労務にまつわるいろいろなことに関わっていただける状態となりました。
こんなキャリアの築き方、ありかも!?
「副島さんは自分のやりたいことを会社に通すのが上手」と、複数人の方に言われたことがあります。でもね、違うんです。やりたいことを言ってるんじゃない。課題を特定して、解決策を考えているだけ。
誰かの何かのヒントになれば幸いです。
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