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古本を通して、亡き筆者の人生に思いを馳せる

夫婦のためのコーチング屋さんを営む、灯し屋のりんぺいです。

一昨日、たまたま見つけた古本屋さんに立ち寄りました。古本は普段、メルカリでほしい本をピンポイントで購入するくらいで、古本屋さんにはあまり馴染みがありませんでした。たまたま遊びに行った場所の近くに古本屋さんがあり、立ち寄ってみることにしました。

宝探しって、何歳でもテンション上がるよね

結果、めちゃめちゃ楽しかったんです。普段は新品が置いてある本屋さんにしかいかないんですが、いつも同じような本にばかり目が行ってしまいます。それに、最近は新しい本も似たようなことを言っているように見えてきて、なんとなく面白くないなと感じていました。(僕が同じようなコーナーばっかりいくせいでもあるのですが、、、)

その古本屋さんが素敵だったのは、本棚とは別に古本が敷き詰められた大量の本があって、在庫処分としての「宝探しセール」みたいなものをやっていたことでした。すごく古い本やボロボロの本もあるのですが、中にはかつての話題作や面白そうなテーマの本もたくさんあって。

宝探しって、めちゃめちゃワクワクしますよね!面白そうな本を見つけると、小声で「うぉー!!」とひとりでテンションが上がってしまいました笑 結局1時間半かけて段ボールに詰まった在庫処分のすべての本に目を通してしまい、気づけば腕が筋肉痛になるぐらいの本をカゴの中にinしていました。その数、実に18冊!一回でこんなに本を買うのは人生初かも。

それでいて、気になるお値段はたったの1,880円!新品のビジネス書1冊分のお値段で18冊も手に入れられるなんて、めちゃ素晴らしいやん…!それに1冊あたり100円ならたくさん書き込んだり、ざっくり読んだり、買って失敗したりしても良いかなっていう心理的安全性がありました笑

本の内容だけでなくその存在に考えさせられる

その18冊を薄く広く気分のままに読んでいるのですが、特に気になった本がありました。それが、眉村卓『妻に捧げた1778話』という本です。

この本は、末期がんによる余命宣告を受けた奥さまのために毎日1話の小説を書くことを決意し実行した小説家・眉村卓さんのお話です。奥さまが亡くなるまでの約5年間で1778話もの物語を毎日欠かさず書き続けたそう。まさに愛妻家としての姿ではないかと、夫としての学びもあるのではないかと思い購入しました。

まだ3分の1しか読めていないので内容については控えますが、「書いた方はどんな人なんだろう?」と気になり調べてみると、すでに筆者さんは亡くなっていらっしゃいました。奥さまが亡くなった17年後の2019年に息を引き取られたようでした。

奥さまのいらっしゃらない17年間はどんなものだったんだろう。何を思いながら過ごしたんだろう。ついそんな事を考えてしまいます。そして偶然ながらにその書籍に出会い、亡くなった後も書籍を通して考えるきっかけを貰え、なにか運命のようなものを感じてしまうのでした。

(あと、この本を55円で手に入れてしまったことも、なんとなく罪悪感がありました。)

自分の死後、生きた証は誰かに届くだろうか

最近、よく自分の死後のこと考えてしまいます。自分が死ぬときには時代がどうなっているだろうか。そして、自分が今取り組んでいることは、後世にも意味のあるものだろうか。生きた証を残すことができるだろうか。

これは本を読むだけでなく、西洋絵画などに触れることでも考えさせられます。ゴッホやルノアールの展覧会に現代の人がこぞって集まるのを見ると、「彼らは当時からこんな景色を想像していたのだろうか?」と考えてしまう。多分、そんなことは想像もしていなかったと思う。たまたまそうなっちゃっただけなんじゃないかって。

でもせっかくなら、眉村さんの本が僕に考えるきっかけを与えてくれたように、死後にも誰かのためになるような仕事を僕もしたい。本当にそうなったかは分からないけど、そのつもりで日々を過ごしたい。100年後の本屋さんでたまたま拾われて、たまたまその人の運命を変えちゃうような。そんな仕事をしたいなと思うのでした。

今日は、100年後の誰かのためになるような仕事をしただろうか。

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