外国語学習と自動車教習は同じ?
みなさん、外国語の勉強は進んでいますか。
今日は外国語学習の進め方についてお話しようかと思います。
最初に質問です。
自動車の免許はお持ちでしょうか。
自動車の免許を取得するには、自動車教習所に通う必要があります。
教習所では、学科(筆記)の勉強と実技(運転)の練習をします。
教習所で行う一連のプロセスは、実は外国語学習と非常によく似ているんです。
【教習所】学科
【外国語】文法・ライティング
➡ルールを学習する
【教習所】実技
【外国語】リスニング・スピーキング
➡実践力を鍛える
ここでも質問です。
学科の勉強だけで免許の取得は可能でしょうか。
自動車を自由自在に操ることは可能でしょうか。
答えはNOですよね。
学科の勉強だけでは車を運転できるようにはなりません。
でも、おかしいです。
なぜ学科の勉強をしているのに運転できないのでしょうか。
アクセルを踏めば車は動くこと、ブレーキを踏めば止まることくらい学科の勉強をしていれば誰でもわかります。
車の動き方はすでに頭に入っているはず。
それでも運転できないのはなぜか。
※もちろん法律で決まっているからなどの話しではありません
自動車の動き方を知っていても、実際に動かした時の感覚は大きく異なります。
例えば、一時停止の標識があるとして。
教官「停止線の30センチ手前で車を止めてください」
生徒「わかりました」
「はい、止めました」
教官「一度外に出て位置を確認してみましょう」
生徒「うわ、、、全然手前で止まってる、、、」
こんなこと経験しませんでしたか。
私が教習所に通い始めて、最初に行った技能講習の記憶が今でも鮮明に残っています。
教官「試しに直線で30キロ出してみましょうか」
私 「はい、、、(アクセルを踏む)」
教官「もっともっと~アクセル踏んで踏んで~」
私 「(緊張)」
教官「もっと踏んでいいよ~」
私 「(えーーーすでに結構速度出てないか???)」
直線終わり
教官「今ので20キロくらいだね」
私 「ほ、ほんとですか???(スピード出てる気がしたけど)」
最初のうちはスピード感覚がゼロ。
頭の中で30キロ30キロと唱えても、実際の30キロは全くの別物。
緊張しすぎてメーターを見る余裕がない。
ずっと正面を見てました。
停止線の話もそうですが、実際にやってみると頭の中のイメージと大きく異なることがよくあります。
これは外国語学習でも全くそう。
どんなに正しい文法が頭に入っていても、それを正しく使えるとは限りません。
どんなに発音記号を暗記していても、正しく発音できるとは限りません。
どんなに多くの単語を暗記していても、即座に口から出すことはできません。
すべて実践しなければ会話でもリスニングでも使い物にならないのです。
縦列駐車がどういうものかを頭で理解しても実際にやるのは難しいですよね。練習しないと上達しません。
語学も全く同じです。
机の上の勉強だけでは、口の開け方や舌の動かし方、喉の使い方、相手との言葉のキャッチボールはできません。
TOEIC990点だけど外国人との会話は苦手な方がいます。
社内では”英語ペラペラな人”という認識をされていても、「喋るのは無理!」という方、結構多いと思います。
それはなぜか。
学科の勉強に偏り過ぎて、実技の練習が圧倒的に足りていないから。※TOEIC990点はめちゃくちゃ凄いです。
学科の勉強も当然大切ですが、それと同じくらい実技の練習も大切なのです。
頭の中のイメージだけで縦列駐車は難しい。
実技の練習をもっともっとやらないといけません。
学科と実技をバランスよく学ぶことで車を安全に扱うことができるようになるのです。
だからといって間違ってはいけないのは、実技の練習だけではダメということ。
いくら自動車を自分で動かせるといっても、60キロ制限の道を100キロで走ったらアウト。
一方通行の標識を無視して進入してはいけません。
これらは学科で学ぶことです。
どんなに運転技術に自信があっても、ルールを破ったらアウト。
実技だけ極めてもダメ。
必ず学科の知識が伴っていないといけません。
要は、学科と実技両方の能力を高めた結果、運転免許証の交付が認められ、晴れて公道を走ることができるようになります。
語学の場合は免許証などはありませんが、同じように「ルール」と「実践」を学び鍛える必要があります。
文法や単語の暗記ばかりしていても会話やリスニングはできません。
特に日本人の学習スタイルは、文法と単語の暗記が90%くらい占めているのではないでしょうか。
会話とリスニングはおまけのような感覚ですよね。
十分すぎるくらいに文法や単語の知識は持っているのに、会話とリスニングの練習が圧倒的に足りていないから”話せない”のです。
話せるようになるには、話す練習をしないといけません。
最初はインプットが必要ですが、例えば文法の本を1冊終えたら、残りは会話にシフトしたり。
10ヶ国以上の言語を扱える話者(ポリグロットと呼んだりします)は、文法の本を何冊も勉強したり単語帳を何冊も暗記するようなことはしません。
文法の本(しかも薄いやつ)を1冊終えたら、あとは会話なり普通の本を読んだりして力を付けていくそうです。
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