【実践】タイ文字を覚える方法
今回は、私がタイ文字をどのように覚えたのか、みなさんに紹介したいと思います。
タイ文字を覚えるのに苦労している方へ、少しでも参考になれば幸いです。
「単語の読み方」ではなく「子音の覚え方」です!
①中子音字・高子音字・低子音字のグループに分ける
②似たような形の文字を紐付けて覚える
③文字の特徴をつかむ
④使用頻度の高い文字を優先的に覚える
私はこの4つを意識しながらタイ文字を覚えました。
まず、子音を3つのグループに分けます。
①中子音字
ก จ ด ต บ ป อ (ฎ) (ฏ)
②高子音字
ข ฉ ผ ฝ ษ ส ห (ศ) (ถ) (ฐ)
③低子音字
ค ช ท พ ฟ ง ญ ณ น ม ย ร ล ว (ซ) (ภ) (ธ) (ฆ) (ฌ) (ฑ) (ฒ) (ฮ) (ฬ)
※カッコ内は使用頻度の低い文字
タイ語の子音は、このように3つのグループに分かれています。
ひとつずつの子音が、それぞれどのグループに属するのかを暗記する必要があります。
なぜなら、属するグループによって声調が変化するからです。そのため、グループごとに子音を覚えるのがポイント。
タイ語の歌で文字を覚える方法がありますが、私はオススメしません。
なぜなら、その方法で文字を覚えたとしても、今度は3つのグループに振り分けて新しく暗記するという別の作業が生まれてしまうから。
また、訳も分からない言語の歌を耳コピするのはそう簡単ではありません。
私はある程度英語ができますが、それでもはじめて聴く洋楽の歌詞を覚えるのは簡単ではありません。ましてや、文字の書き方や読み方すら知らない言葉の歌を覚えるのはあまりにもナンセンス。
というか、歌を覚えても読み書きできるようにはなりません。そもそも論ですが。
頭を使ってシステマティックに覚えましょう。
そして、優先順位をつけ使用頻度の高い文字から覚えていくこともポイントです。
タイ語をある程度勉強していくと分かるのですが、全く使わない文字がけっこうあります。
こういう文字は、出てきたら確認する程度で問題ありません。
使わない文字を覚えてもすぐに忘れてしまうので、時間を割くだけ無駄です。
①中子音字
最初に中子音字から。
①中子音字
ก จ ด ต บ ป อ (ฎ) (ฏ)
※カッコ内の文字は使用頻度が低いもの
中子音字には9つの子音がありますが、よーく文字を眺めてみてください。
「ด」 と「ต」
「บ」と「ป」
「ฎ」と「ฏ」
すごい似てますよね。
はじめて見た時は「何が違うんだ?」と一瞬戸惑いました。
これらの文字は”兄弟”として覚えます。
ペアで暗記してください。
「形が似てて、どっちがどっちか分からない」と苦戦しがちですが発想を変えましょう。
似ているからこそ、まとめて覚えてあげるんです。
例えば、「ด」を先に覚えて書けるようになれば、「ต」だって難なく書けます。
「ด」の上が凹んだものが「ต」だから。
「ด」が書けるのに「ต」は書けない、そんなこと絶対にあり得ません。
これだけ形が似ているのだから、どちらか片方を覚えれば自動的にもう片方も頭にインプットされます。
「บ」と「ป」、「ฎ」と「ฏ」も同じ。
「บ」を書いた時点で、「ป」も9割できています。
少し線を伸ばすだけで「ป」が完成。
「ฎ」と「ฏ」も全く同じ考え方。
形が似ているものをまとめて紐付け覚えるとはこういうことです。
タイ語を読めるようになるにはまず文字の形を覚える、つまり文字を書けるようにしてください。
子音それぞれの「音=読み方」は、文字を書けるようになってからでも大丈夫。
まずは文字を頭に叩き込んでください!
「ด」 =d
ดู「見る」
「ต」=t
แต่「でも、しかし」
2つの読み方はこの通りですが、「あれ、どっちがdだっけ」とこんがらがってしまうことがあると思います。
私も実際そうでした。
しかし、それは想定の範囲内。
何度も確認しながら繰り返し頭の中で唱えることによって、見ただけですぐに文字が浮かび上がってくるようになります。
暗記するというよりも、パッと自然に文字が浮かび上がってきます。
頭の中で唱えるときも常にペアで覚えるようにしてください。
何度も言いますが、まとめて紐付けることが重要。
「『ด』は、、、なんだっけ、、、あっ、dだ!相方の『ต』は、、、」
このように繰り返し暗唱すれば、絶対に絶対に大丈夫。
「บ」=b
บ้าน「家」
「ป」=p
ไป「行く」
どちらもよく出てくる子音です。
「ฎ」=d
「ฏ」=t
変わった形をしている文字ですよね。
正直、めったに出てこない子音。
単語帳をパラパラ眺めても、全然出てきません。
残る「ก」「จ」「อ」は、単体で覚えます。
「ก」はニワトリの頭みたいで、いかにも”タイ文字”って感じ。
使用頻度も高く、よく目にする文字 。
「ก」=k
กิน「食べる」
これは今すぐにでも暗記できると思います。
あと、イメージで暗記するというのも効果的ですよ!
「ก」って、見るからに「k」っぽくないですか?
くちばしが尖ってる感じが、なんとなく”かきくけこ”の音っぽくないですか?(笑)
どう見ても「m(ま行)」ではない(笑)
私は幼い頃から何かを暗記するときに、形や色のイメージで暗記していました。
おそらく伝わらないと思いますが、例えば「中子音字」は色だと赤色のイメージ。高子音字は黄色。低子音字は青色。
中子音字である「ก」は、私には赤色の文字で「ก」が頭にインプットされています。
まあ、そんな話は置いておいて。
「จ」=c
※ABCの「C」ではなく、濁った音の”ざ行”のような音
จะ「~するつもり」
未来形の「จะ」で頻繁に使うことになる文字です。
日本語にはない音だと思いますね。
”じ”よりも”ぢ”に近いかな。
「อ」=ɔɔ
※母音としての発音が「ɔɔ」
ออก「出る」
日本語にあてると「お」ですが、日本語にはない「お」なので注意。
「お」の口で「あ」を発音すると「ɔɔ」になる。
②高子音字
②高子音字
ข ฉ ผ ฝ ษ ส ห (ศ) (ถ) (ฐ)
次に高子音字です。
似たような形がないか見てください。
いましたね、「ผ 」と「ฝ」が兄弟です。
「ผ」=ph
ผม「私(男性)」
「ฝ」=f
ฝันดี「おやすみなさい」
「ผ」は、男性が使う「私」という単語の「ผม」でよく使います。
「ฝ」は、おやすみという意味の「ฝันดี」があります。
実は、この「ผ 」と「ฝ」の兄弟にはライバル兄弟がいるんです。後で出てくるので、ここでは言いません。
高子音字には兄弟が1組。
しかし!仲良しトリオがいます。
「ษ」と「ส」と「ศ」がトリオです。
とにかくこの3人は仲がいい。
同じ音を持っているんです。
3つの中で一番よく使うのは「ส」です。
「ษ」=s
ภาษา「言葉」
「ส」=s
สวย「きれい」
「ศ」=s
โศก 「悲しい」
さらによーく見ると、もうひとつポイントがあります。
「บ」「ล」「ค」という別の文字があって、その文字に毛を生やしたような文字が、このトリオ。
「ล」と「ค」は低子音字なのでまだ出てきていませんが、「บ」は中子音字で出てきましたね。
「บ」「ล」「ค」にチョンと毛を生やすと高子音字の「s」になる。
「ข」=kh
基本単語によく使われる子音です。
ขอบคุณครับ「ありがとうございます」
เขา「彼/彼女」
ขอโทษ「ごめんなさい、すみません」
高子音字の代表格ですので、最初に覚えましょう。
「ฉ」=ch
ดิฉัน「私(女性)」
この子音は、女性が使う「私」の「ดิฉัน」以外にはほとんど見ません。
ただ、「ดิฉัน」はよく見るので、自然と覚えるから問題なしです。
「ห」=h
หา「探す、非難する」
モンスターズインクに出てきそうな見た目。
「ถ」=th
ถือ「持つ」
รถ「車」
そんなに多く使われる子音ではないので、覚える優先順位としては低い子音。
「ฐ」=th
こちらの子音は、覚えなくていいです。
文法テキスト1冊を通して、一度も見たことのない子音。
③低子音字
③低子音字
ค ช ท พ ฟ ง ญ ณ น ม ย ร ล ว (ซ) (ภ) (ธ) (ฆ) (ฌ) (ฑ) (ฒ) (ฮ) (ฬ)
低子音字はたくさんありますが、シンプルに考えれば大丈夫。
これまでの中子音字と高子音字以外は、すべて低子音字です。
数の多い低子音字を暗記するのではなく、中子音字と高子音字を覚えて、それ以外は自動的に低子音字というように考えれば難しい話ではありません。
また、カッコ内の子音は覚えなくていいです。
めったに見ることのない子音だから。
優先して覚えるべきものは14文字になります。
では、形が似た子音を探しましょう。
「พ」=ph
พูด「話す」
「ฟ」=f
ฟัง「聞く、聴く」
「あれ、なんか見たことある」と思った方はするどい。
”実は、この「ผ 」と「ฝ」の兄弟には、ライバル兄弟がいるんです。後で出てくるので、ここでは言いません”
➡高子音字のパートで書いた文です
上記の文を思い出してみてください。
高子音字の「ผ 」と「ฝ」で触れた、ライバル兄弟がこの2つ。
外見上の違いは、〇が内側にあるか、外側を向いているか。
音は全く同じですが、属するグループが異なります。
ココがポイントですね。
「ผ 」「ฝ」➡高子音字
「พ」「ฟ」➡低子音字
右向いてるか、左を向いてるかという覚え方でもいいと思いますよ!
外見で覚えるしかないので、何度も目に焼き付けて覚えましょう。
「น」=n
นอน「寝る」
「ม」=m
มา「来る」
こちらも形が似ていて、非常に戸惑う子音。
「นม nom」という単語は「牛乳」または「胸(俗語としての”おっぱい”)」という意味を持ちます。
私は「牛乳を飲むนม(nom)」で覚えましたね。
このように、自分なりの覚え方を何でもいいので考えると、タイ文字の暗記はサクサクと進みます。
「ค」=kh
คุณ「あなた」
คน「人(ひと、人数を表す”1人、二人など”)」
中子音字の「ด」や「ต」と似ていますが、〇の書き方が異なります。
「ด」と「ต」は時計回りに〇を書き進めますが、「ค」は反時計回りに〇を書きます。
ただ、言葉で説明するより手で覚えた方が早いです。
「ช」=ch
ชอบ「好き」
ใช่「はい(Yes)」
高子音字の「ข」と似ています。
属するグループは違いますが、生き別れの兄弟で覚えましょう。
「ท」=th
ทำ「作る、する」
高子音字の「ห」に似ていますね。
こちらも生き別れの兄弟です。
〇がひとつか、2つあるかの違い。
「ง」=ŋ
英語の「g」に似ていますが、発音も「g」とほぼ同じ。
”ŋ”という発音記号は見慣れないですが、「n」と「g」が合体した音です。
”ング”のような発音をします。
งาน「仕事」
「ญ」=y
ญี่ปุ่น「日本」
この文字は日本人として押さえておくべきものです。
「ณ」=n
この文字もカッコにしていい文字ですが、คุณ「あなた」で頻繁に使うので、自然と覚える文字かと。
文字の右側が「น」に似ているので、音は覚えやすいと思います。
「ย」=y
変わった形をしているが故に、記憶に残りやすい文字。
อยู่「~にある、いる」
”や行”っぽいルックスだと個人的には思います。
「ร」=r
トヨタ「ハリアー」のエンブレムのような形してませんか。車わからない人には申し訳ありません。
「r」を反転させたようにも見えます。
ร้อน「暑い」
私はこの文字好きです。鷹っぽくてカッコいい。
「ล」=l(エル)
高子音字の「ส」で触れた文字です。
ลุก「立ち上がる」
「ล」に毛を生やしたものが高子音字「ส」なので、グループは違いますが関連付けて覚えましょう。
「ว」=w
この文字も覚えやすいです。
「うわぁ~」って感じしませんか。ほんわかしてそうなイメージ。
繰り返しになりますが、イメージで覚えるのは効果的。
イメージで覚えれば、頭で考える必要が一切ないので。
ここからは使用頻度の低い文字が続きます。
「ซ」=s
ข➡︎ช➡︎ซ
進化の最終形態みたいで強そう。
ซื้อ「買う」
あまり頻繁には見ない文字です。
動詞の「買う」で使うくらいですかね。
「ภ」=ph
ภาษาไทย「タイ語」
「ภาษา」が「言葉」という意味です。
これもあまり見ることがない文字。
「ธ」=th
เธอ「あなた、君」
ธนาคาร「銀行」
おそらく普段使うことはないでしょう。
「ฆ」=kh
「ฌ」=ch
「ฑ」=th
「ฒ」=th
「ฮ」=h
「ฬ」=l
決して面倒くさくなってきたからという理由ではありません。
使わなさ過ぎて単語例すら思いつかない文字。
本当に見ない文字です。信じてください。
興味ある方は単語を調べたり暗記してもいいですが、ぶっちゃけ使うことないと思いますよ。
実際、私はこれらの文字を薄っすらとしか頭に入れていませんが、タイ語学習には何の支障もありません。
本当に出てこないし使わないので。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
覚えるべき子音は、ぜんぶで42個あります。
一度ですべて覚えるのは至難の業。
まずは、3つのグループに分けて中子音字から覚えましょう。
①3つのグループに分ける
②形の似た文字をペアで覚える
③特徴をイメージでつかむ
④優先度の高いものを覚える
文字を書けるようになったら、次は単語で覚えるのもアリです。
単語で覚えれば、より頭に定着しやすいと思います!
1文字や2文字の短い単語もたくさんタイ語にはあるので。
42個の子音を覚えたあとは、長母音と短母音、声調符号など、その他の文字を学習してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。みなさまからのサポートは、今後の活動費用として使わせていただきます。