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最果タヒ展に行ってきました!【2021.2.16】

こんばんは、灯城です。

今日は、

最果タヒ展
われわれはこの距離るべくまれた、のために6等星なのです。

に行ってきた感想を書こうと思います!


この巡回展は、2020年8月福岡を皮切りに、東京(-20.12.20)、名古屋(21.2.13-2.28)、大阪(2021.3.5-3.21)で開催予定の展覧会です。

私は、名古屋展に足を運んできました!

会場は名古屋パルコ西館6階のパルコギャラリーです!

私は初めてこのギャラリーに足を運んだのですが、小さくまとまった場所ながらも、高めの天井から開放感を得られるところや、コンクリートの床にバミリ跡が残っているところに”らしさ”を感じて、最果タヒの詩がもっている雰囲気にあっているように思いました。

肝心の展示についてですが、入ってすぐから雰囲気の良い空間がまとまっていて、一気に詩の世界の中へと飛び込んでいったようで素敵な時間を過ごすことが出来ました。その感想を、書き連ねようと思います。

A.詩の存在

「詩の展示」と銘打たれた本展では、最果タヒさんの詩から切り取った言葉たちが、あたらしい形をもってして、その存在をあらたに主張し直しているように感じました。見る角度、光の当たり方で見え方の変わるその言葉たちは、確かに明確な意味を持ちながらも、まったく雰囲気を変えて、見るものに改めて語り掛けてくるようだったのです。

C.詩と身体

詩集の中では順にお行儀よく並んでいた言葉たちも、展示されるとなると”順番”というルールは、とくに重要ではないようです。この入り組んだオブジェに書かれた詩を、あなたはどこから読みますか?私の目にまっさきに飛び込んできたのは「人間はかわいそうだね、」の部分です。そのあとには「部屋の扉がひらいていく、向こうに、見える景色が」という言葉が、ひときわ輝いて見えました。自分の目の前から奥に向かって、伸びやかに進んでいくそのフレーズは、詩集でみていたときよりも、もっと魅力的に演出されていますよね。言葉の意味を、詩がその身体をもってして表現してくれたように感じました。

G.詩ょ棚

この光景にはすごく見覚えがあります。本をたくさんお持ちの方は、背表紙でストーリーを作ってみたり、関連するキーワードを並べてみたり、少し意識をしてみたことがあるのではないでしょうか?私は、この展示にとても親近感を覚えました。「詩ょ棚」というタイトルもユニークで可愛らしいですよね。言葉の間に紛れ込むように置かれた、最果タヒさんの既刊が照れ臭そうに、でも見つけて欲しそうにこちらをみているようでなんだかくすぐったかったです。

D.詩になる直前の、名古屋パルコは。

本展の目玉は、なんといってもこの展示だと思います。

切り取られた詩たちのモビールが、ゆったりと回り続け、表裏で白と黒、違う言葉を交互に見せてくれます。それが何通りにもなると、上と同じ写真がもう一度撮れることはもうないでしょう。そして、実際にこの詩のモビールを目の前にしていると、まるで言葉の波にのまれるようでとても気持ち良かったです。しかも、このモビール群の中を歩いていくことが出来るのです。触ることは出来ないために、その詩のあいだを慎重に縫って歩きます。そうしてたどり着いた奥には…。煌めくようにまぶしい言葉が、まるで己を見つめ直す機会を与えてくれたようでした。あらわれては消え、そしてまたあらわれる言葉たちは、白黒なのにまるで発光しているように脳裏に焼き付きます。きっと、見る人によって、ハッとさせられる言葉や、気付く言葉や、笑える言葉や、傷つく言葉はさまざまです。言葉のもつ力を改めて感じさせられ、これらが詩として完成する前の息吹を、直にかんじることが出来たように思います。

言葉が、わたしを飛び越える。
それは、「読む」瞬間もきっと同じです。読むことは、与えられた言葉を受動的に読むのではなく、その言葉を自分だけの言葉へと変容させていく行為だと思う。そのとき、言葉の変化は、読むその人の予想を、そしてその人自身を、時に追い越していくだろう。それは「書かれた言葉」のスピードであると、読み手は思うかもしれない。けれど、あなたも加速している、あなたの言葉が、加速している。そのスピードを、肌で、気配で、空間として、感じられる場所を、私は「詩の展示」と呼んでいます。

これは、この展示会のフライヤーに記されていた最果タヒさんの言葉です。

私はこれを読んで、なるほど、と思いました。これは、きっとこの展示会に足を運んで耳を澄ませ、目撃してきた人間の特権であると思います。

これを読んだあなた、羨ましいでしょう。
言葉の加速を感じることはそうないと思います。

これは、現代詩人である最果タヒさんの紡いだ言葉の持つ力であり、雰囲気なのだと感じます。

”言葉を体感するインスタレーション”

お近くの方は、ぜひ足を運んでみることをオススメします!

最後に、素敵なお土産を。

詩そのものカード「彫刻刀の詩」です!

言葉のみで形作られたカードに、心を掴まれてしまいました。

下に映っている青い本は、ミニ本付きチケットを買った人のみがもらえる『6等星の詩』。黄色い本は、この展示会のオフィシャルブックです。

素敵なお買い物まで楽しむことができて、とっても満足でありました。


ここまで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、ありがとうございます!

それでは失礼いたします。


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