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デザイナーの僕が40歳からメンズコスメのD2C事業を始める話①〜コンセプト編〜

はじめに

2020年夏より、新規事業としてメンズコスメのD2Cブランドを立ち上げることにしました。約20年近くデザイン・クリエイティブの仕事に携わってきた僕にとって、新たな挑戦がいよいよ始まります。

目指したのは“ワークツール”としてのスキンケア

起業家、クリエイター、様々なスペシャリストなど、仕事とプライベートの境界を超えて常に忙しく活躍している人は、仕事のパフォーマンスを上げることと同じくらい自分磨きやコンディションづくりを大事にしています。そんなハードワーカーのために、ミニマルなスキンケアを通じて仕事のパフォーマンスアップを提供するメンズスキンケアのブランドをつくります。

普段、僕は企業のブランディングやクリエイティブを手掛けるPARKという会社(PARKの詳細はこちら)の共同代表・アートディレクターをしています。
クリエイティブのキャリアは約18年、まったくの異業種にゼロからの挑戦ということで、決意表明でもあり、今後初心を忘れないためにも、なぜこのような事業に決めたのかに始まり、ブランド立ち上げの背景まで綴っていきたいと思います。

同じような世代・境遇の人や、これから事業を始めたい人に少しでも役立ったり励みになったりすれば幸いです。

5年目にやっと見つけた愛を注げる事業

会社を立ち上げたのは約5年前、当時在籍していた面白法人カヤックで出会った同じ志を持つ同僚3人でPARKを立ち上げました。立ち上げ前からクライアントワークの事業を主にやっていくことは決めてましたが、同時に自社での事業もやっていきたいと語り合っていました。

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時が経つは早いもので、クライアントワークは幸い堅調に伸びていってる一方、自社事業の構想が立っては消え立っては消えを繰り返し、5年が経ってしまいました。これまで、ニュースのキュレーションアプリや、グルテンフリーのレシピ・ミールキットのサービス、飲食ビジネスなど、なかには開発合宿までやったりしましたが、様々な理由で頓挫してきました。今思えば、どの事業にも本気で“愛”を注ぎきれなかったのかもしれません。そんななかで、腰を据えてチャレンジしたいと決めたのがメンズコスメブランドです。

なぜコスメなのか

僕自身、3年くらい前に縁あって女性向けコスメブランドのブランディング・デザインの仕事を始めました。その世界は門外漢だったこともあり、スキンケアに始まり、ヘアケア、メイクアップまでとにかく勉強し、みずから実験台にもなり、気になるものがあれば片っ端から使ってきました。乙女の気持ちになることは案外悪くないもので、その後、コスメブランドの立ち上げやリニューアルをいくつも手がけ続けるなかで、どんどんコスメの楽しさにのめり込んでいき、今ではいっぱしのコスメオタク。1日1回はドラッグストアやバラエティショップ※の店頭で新商品をチェックしないと気が済まないようになりました。(※LOFTや東急ハンズ、PLAZA等のコスメ売り場のこと)

最近手がけたブランド

そんな経験を重ねていくうちに、女性向けコスメは個性やライフスタイルにあった選択肢が星の数ほどあるのに対し、男性向けの選択肢の少なさに痛感するようになりました。女性にはこんな楽しいことがあるのに...と羨ましささえ覚えました。

「自分にフィットするブランドがここまでないものだろうか...。」

全部とは言いませんが、多くのメンズコスメブランドは、何十年も前からいまだに「男らしく」「男をアゲる」「女性にモテる」を訴求し続けていて、背後に異性が見え隠れするような訴求に、どうしても窮屈さを感じずにはいられませんでした。まぁ自分は特殊な環境だしなと思いつつも、いろんな人に疑問をぶつけてみると、思った以上に共感の声が多く、その問題意識が強くなるばかり。次第に自分のようなライフスタイル・ワークスタイルにあったものをつくれないだろうか?と想うようになってきました。

そうと決まったらまずは仲間をつくろうと、社内のメンバーを巻き込み、メンズコスメの問題意識を啓発したり、一緒に視察にいったり研究したりするようにしました。地道に続けるうちに、新しいコスメブランドが出るたびに誰かしらが社内slackで積極的に共有するようになり、あげくの果てには去年の社員旅行を韓国コスメ視察ツアーにまでしてしまいました。ひとりの想いだったものが次第にPARKのメンバーも強い関心を持つようになってきたことで、僕はこの事業を始める決意を固めました。

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忙しくはたらく人に特化したメンズコスメ

僕に限らず、仕事とプライベートの垣根を持たずに働くビジネスマンにとって、肌のケアというのもパフォーマンスのひとつだと思っています。それは、プレゼンテーションに始まり、インタビューや登壇しかり、ネットワーキングしかり、そして日々の社内での対人コミュニケーションしかり。顔の良し悪しはさておき、顔つきや肌の調子はビジネス上とても大事です。

しかし、忙しくて活躍している人ほどじっくり時間をかけることは難しく、どうしておざなりになりがちなものです。その一方で、彼らの多くが仕事のパフォーマンスを上げるために、ガジェットとか服とか、最近だと食など、色々とギアやツール、メソッドにこだわっているのに、意外と肌には目を向けていない現実...。

それはやっぱり、スキンケアって男にとって

「めんどうくさい」

ものだからだと考えます。まず根本的なこととして、女性は成長の過程の早い段階で、肌をケアする重要さ・メイクして美しくすることの習慣や原体験を持ちますが、男性はそれがないので無理もなく、よっぽど美意識が高い人でないとなかなか習慣化できない。僕も日々たくさんの化粧品に囲まれた生活をしていますが、そのひとりです。
また、最近男性のスキンケアの意識の高まりで、さまざまな男性向けのブランドが発信していますが、どれも「ていねい」だったり「お作法」だったりを良しとする傾向があり、それだとまだ生理的なハードルが高いと感じます。

そこで、丁寧さやお作法を求めがちなこれまでのスキンケアに対して、最適・最低限のスキンケア(ミニマルケア)を設計し、「めんどうくさい」から解放し、習慣化できるようなスキンケアブランドをつくることに決めました。

すなわち、僕らがつくるブランドは、男性におけるスキンケアの煩わしさをショートカットし、可処分時間を増やし、いきいきとした肌のコンディションを保ちながら仕事でパフォーマンスを上げるための“ワークツール”。

もはやコスメではなく、ビジネスアイテムのひとつとして捉えていく。こうして商品づくりがスタートしました。

今回はここまで。次回は実際のプロダクトについて話していきます。
PARK発のメンズコスメブランドにご期待ください!

【次回へ続く】



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