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100人のライブハウスが埋まらなかったバンドが、5万人のドームを埋めた日

4月8日。
back numberというバンドが北海道で一番大きなライブ会場、札幌ドームに自身初のドームツアーでやってきた。

いやー。大きいバンドになったな。と思う。



私が初めてback numberのライブに行ったのは、
17年。
ベストアルバムリリース記念、そしてbacknumberとして初のアリーナツアーだった。それ以降全国ツアーは全てアリーナクラスの会場でやっている。その前の年まで地方は1000人規模のホールやライブハウスで、大きい会場は追加公演に関東の1か所で横アリが使われるレベルだった。
だけど、ついに地元の会場は8000人規模にならないと落選して悔し涙を飲む人だらけになった。

これだけでも十分すごい。すごいのに。
今年はドームツアーだった。
ついにここまで来たか。

キャパは53000人。
チケットは一般発売で即日完売。
地元のドームでライブやる芸能人といえば
嵐、SMAP、EXILE、星野源。
この4組に肩を並べた。SnowManは5大ドームのうち札幌だけ除外した。(3月に1~2万人キャパでもライブできるように改修したから来てあげて)
なのに彼らは札幌も入れてくれた。
曲を生み出す勢いは止まらないのに、集客力まで過去最高を更新し続ける。このバンドは強い。 

ライブ1週間前、電子チケット表示の日。
ローチケアプリを開くと、
表示された座席はアリーナA10ブロック14列目。

ど真ん中。

引用元はこのサイトです↓
https://livekiti.com/%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8A%E5%B8%AD%E5%BA%A7%E5%B8%AD%E8%A1%A8%E8%A6%8B%E3%81%88%E6%96%B9/

大学入学と同時にファンクラブ年会費会員になり、全てのライブは会員最速先行でチケットを取っていた私。いつも広い会場の座席はアリーナだった。ファンクラブでもスタンド席になるのはよくある話なのでこれは本当にありがたい。
そしてそのアリーナの中でもAブロックというのは他のバンドのライブも含めて初めてだった。




前置きが長くなりましたがここから当日です。

1曲目。
最初に歌ったのはサビからだった。
「おしゃれではないけど唯一のダサさで
君が笑えたらいい」
アイラブユーの大好きな歌詞だった。
依与吏さんが息を吸うところから肉眼でしっかりと見れた。
この日ほど目にカメラが付いてて自分だけで録画再生できたらと思った日はない。

MCで依与吏さんは札幌ドームを埋められると思ってなかったと明かした。
「北海道に住んでるって人、手挙げてくれますか?」
会場の8割が挙手した。
「イド!(事務所)写真撮って!こんなにいるよ!」
もっと自信を持ってほしい。back numberのライブ行ったって話すと、十中八九すごいって言われたり羨ましがられたことしかなかった。それくらい大好きな人たちが沢山いる。
「俺が事務所の社長だったらここは打ってない」
謙虚で、そして自分を過小評価しがちな彼。
だけど今日ここにいる53000人全員が、決して安いとは言えないお金を払ってここに来てる。
札幌だけが1日の公演だったのだけど「次は2DAYSやりたい」と3人とも意気込んでいた。絶対行ける。埋められるよ。

だけど彼らも人がいないライブをしてる。
2009年に初めて北海道に来たとき、100人のライブハウスを満員にできなかった。
どんなバンドにもそういう時代はある。
路上ライブ、埋められなかった分は自分たちでお金を払うライブを積み重ねて積み重ねて今がある。

「これから14年、しんどいこといっぱいあるけど。何度も北海道に来て打ちのめされることになるけど。あと14年耐えろ。そしたらすごいものを見ることができるから」
14年前の自分に語りかける依与吏さん。

彼にとっては消したい過去のはずなのに、5万人の前で包み隠さず、涙ながらに話した。
どんなにかっこ悪くても、泥臭くても、そんなあなたが一番かっこいいよ。

私たちには今最高の景色が見えている。
だけど見えてない苦労が何十倍、何百倍もある。
ここまで来るのにどれだけ身を切られる思いをしてきたんだろう。そう思うとこっちも泣ける。

折れずにここまで進んできてくれてありがとう。
back numberを好きでよかったと思わせてくれてありがとう。

「14年前は、全然人に届かない曲作ったって意味ない。そう思ってたけど。自分で自分の曲を本当にいいと自信持って言えるか。これが大事なんだ」

この長いMCの次にベルベットの詩だった。

「あるがままの姿で自分のままで生きさせて
努力は実りづらいがきっと人生は素晴らしい」

依与吏さんは自分たちの音楽が売れる、売れないって話をしてた。
私はこの話を聞いて一般人の日常生活で友達や恋人になる人に出会うことも大事なものは変わらないと思った。バンドマンの音楽がヒットするのも、一生の付き合いになる人に出会うのも、自分の言葉で心が通じ合う人に見つけてもらうのは簡単じゃない。それでもありのままの自分を好きになってくれる人はきっといる。いつか出会えるその日まで今を誇れる自分でいられるかがきっと大事なんだろうな。

そしてこの曲で、長年の私の夢が叶った。
最初に書いた17年に行った初めてのライブで、そのドレスちょっと待ったでモニターに観客が映る演出があった。
映れるのはAブロックの限りなく前方にいる人たちだった。
Bブロックから見ていた当時の私は
「いつかあそこに映りたい」と思った。
そしてこの日。
サビで画面の中に自分を見つけた。
ピントはあっていなかったけど、
確かに自分がそこにいた。
6年間back numberのライブに1年も欠かさず行き続けて、ドームで夢が叶った。

このライブはコロナ禍になって初の声出し解禁だった。
アンコール前最後にやるのは必ず
スーパースターになったら。
去年のツアーではまだ声出しはできず、感染防止策で銀テープに見立てたレーザーが光った。
4年ぶりに本物の銀テープが飛んできて、
観客全員で合唱した。

スーパースターになったら迎えに行くよきっと
僕を待ってなんていなくたって
迷惑だと言われても

思いっきり歌えた。最高に気持ちよかった。

back numberの夢、私の夢が叶った、
忘れられない夜になった。


個人的な話の中でも更に個人的な余談をここで書こうと思います。

ドームの広さを活かしてメインステージの反対側アリーナ後方にサブステージが作られ、
3人が片道5分くらい歩いて移動する一幕があった。
これ、まじで助かった。
なんで助かったかって言うと、
前半私ものすごくトイレに行きたかったんです。

家から出るときにお茶を500ml飲んで、
そのままトイレに行く機会を逃した。
歌ってる最中は忘れられたんだけど、
曲と曲の間でとんでもないムズムズに襲われた。

本当にこのLINEスタンプみたいな感じだった

アンコールまで耐えられる自信がなく、悔しいけど次のMCで抜けてトイレに行くことも覚悟した。
だけどアリーナを一周して作られた導線を移動するのに5分はかかるので、これはチャンス!と思った。

アリーナ席最前、端っこの人が至近距離の3人に
手を振り悲鳴を上げる中、早歩きでトイレに行った。おかげでサブステージでのアコースティック演奏前に間に合った。
アンコールの前に観客の休憩時間を作ってくれた3人とスタッフに感謝。
利尿作用のあるお茶はライブの日には極力飲まない。それは知ってたのに、お茶にハマってた時期で飲んでしまった。本当に自分あほだな。

写真では晴れてるけど、午後から小雨が降り出した。4月の北海道はまだ冬コートが要るくらい寒い日もある。この日もそうだった。
だけど最高にホットな気持ちになった。


8月には6年ぶりにRising Sunに出ることが決まっている。
これからのback numberも、最高の景色を見れることを楽しみにしている。


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