小さい時に好きだった本を読み返した話
休職期間中、生き方を改めて考えるために、自己分析をしてみています。
そんな中でこんな質問がありました。
「小学生の時に好きだった本は何ですか?」
なかなか悩ましい質問です笑
図書室で本を読むタイプの野球少年だったので、それなりに読んでいた気はするんですが、思い出すのが難しい。。。
それで家の本棚に何があったかと思いを馳せると、頭の中に浮かんできたのは、森絵都さんの「カラフル」でした。
あらすじ
主人公は、前世で大きな罪を犯した魂で、天使の抽選に当たって再挑戦のチャンスを得ます。
しかし、そのチャンスとして与えられたのは、自殺を図った少年・真の体にホームステイすることでした。
魂は真として生きるうちに、彼が見ようとしなかった真実に触れていきます。
人間の欠点や美点が見えてくるようになり、自分自身や他者と向き合っていく物語です。
「カラフル」の意味
衝動的に図書館で本を借り、読み返してみると今でも、いや、今だからこそ刺さる表現の数々。
この本のタイトルにもなっている「カラフル」の意味がよく表現されている部分です。
SNSでキラキラした日常を浴びせられている今の世の中では、さらに深く刺さる言葉だと思います。
他人の決め付けや世間の見方でがんじがらめになって、どうやって生きていけばいいんだと迷子になってしまいそうで、自分の汚い部分も見えて、そんな中でもささやかな幸せがあったりして、全部全部ひっくるめて人間として生きるってことなんですね。
印象に残るセリフ
登場人物のセリフでは、ある女の子のセリフが特に心に残っています。
中学生という設定にしては少しおませな感じがしますが、思春期という事とも重ねて非常に人間のぐちゃぐちゃとした感情が現れているセリフです。
そう考えると、今の世の中、一貫性が重視されすぎな気もしてきます。
SNSで有名人が過去と違う発言をしようものなら、寝首をかくように指摘せずにはいられない人が一定数存在することがとても悲しいです。
いや、人間って元々そんなもんで、清濁ごっちゃ混ぜで生きてくもんなのよって、楽に考えていきたいものですね。
生まれる苦しみ
人間これだけ悩みながら生きていると思うと、生老病死の四苦に「生まれる」苦しみが入っているというのも納得な気がしてきます。
悟りに至ることもできないような我々が人生をどう乗り越えていけばよいのでしょうか。
物語で主人公のガイドをする天使プラプラは、最後にこう言っています。
終わりに
久しぶりに読んで良かった。心が少し軽くなった。人生という長めのホームステイ、皆さんももう少し気楽に過ごしませんか?また次回。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?