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〈to'morrow music〉 NEW ARTISTS OF THE MONTH (April 2023)

この時期にいつもここの一言コメントで書いていると思います。
梅雨無理!!!!!!

引っ越したいです。

さて、今月もプレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉から国籍 / ジャンルを問わずに特にお気に入りのニューカマーを厳選し紹介していこうと思います!

Drook (Richmond / USA)

リッチモンドを拠点に活動中のDrookという3人組のバンドはこれまでにリリースしてきた楽曲ではThe Acesとかを感じさせるインディーポップ系統の楽曲からアンビエントやシューゲイズっぽいサウンドまで鳴らしていたのだが、最新作としてリリースされた『MR. FISHER'S DIRTY CLUB MIX』というEPで完全に変容。それはCharli XCXA.G. Cook系統の〈PC Music〉やcookii辺りのハイパーポップを彷彿させるエレクトロポップ。特にシングルとして公開されていた「IF U THINK IT COULD BE LOVE」が完璧なクラブ・ポップチューンで本当に最高!この曲はバンドメンバーの2人が同時にCovidになった時に書いた曲らしいが、家にいるのが飽きたのかエナジーが出まくってますね!バンドがこれからどういう方向性行くのかは不明ですが注目しておいて損はないかと!

Elizabeth Hume (Tacoma / USA)

ワシントン州はタコマを拠点に活動中のSSW、Elizabeth Humeは先日デビューEP『Wake Me Up When I’m Older』をリリースしたばかりのティーンのアーティストなのだが、本当に透き通った美しい歌声をまず持っている。絶妙なベッドルーム加減を持ったキレイなインディーポップはPhoebe Bridgersのようなインディーフォークからの影響を感じ一方でCharli AdamsAlaska Reidといったフォークの中にシンセサウンドを足してポップさを加えているアーティストにも通じる音楽を鳴らしている。アレンジはとにかくシンプルな分、全編を通して深海まで潜るかのように心に刺さる一方で天に昇っていくかのような心地良さもあるヴォーカルが本当にシンプルに刺さる。素晴らしい。

FRIDAY* (Sydney / Australia)

シドニーを拠点に活動中のFabian Odameによるプロジェクト、FRIDAY*。彼がリリースした最新曲「Beaming」はまず最初に”Friday”という掛け声からスタートしているユーモアからはじまる楽曲なのだが、実際にAメロがスタートするとあまりにも良い曲すぎる。Frank OceanやBROCKHAMPTON、更にはDaniel Caesar辺りまでを彷彿させるインディーとR&Bを交差する大名曲で、最初から最後までこんなに気持ちよく歌える楽曲は中々なくて、この感じは「SAN MARCOS」を最初に聞いたときと同じ感覚にさせられた。リリック見なくても歌えちゃう感じでイージーな単語ばかり使ってるのも最高だし、TikTokで一瞬で世界的なアンセムになってもおかしくない。

frys (Padang / Indonesia)

インドネシアはスマトラにある街パダンを拠点に活動中のKiky Ersyaを中心にしたドリームポップ・バンド、frys。Hazel EnglishDIIVFazerdaze辺りからの影響を公言するアーティストで、サウンドに関してもその辺りの音楽が好きな人はまず間違いないと思う。この「Run」という曲に関してはSoft Blue Shimmer辺りが好きな人はまず間違いないドリームポップで、僕はインドネシアには行ったことないけど、東南アジアのインディーシーンが充実しているのが目に見えてくるバンドの一つ。スマトラの画像を検索すると本当にキレイなビーチばかりでてくるが、この海岸沿いを歩きながら聞きたくなるし、この手のバンドの中でも歌が中心にあるのが素晴らしい。

Katie Tupper (Saskatoon / Canada)

カナダはサスカトゥーンを拠点に活動中のSSW、Katie Tupper。Erykah BaduAnderson Paakといったアーティストに影響を受けたと語る彼女が作る音楽はネオソウルを軸としたサウンドなのだけど、その中で時々インディーっぽさが垣間見えるのが最高だ。Kate Bollingerはジャズやソウルに影響を受けたインディーアーティストだけど、Katie Tupperはインディーに影響を受けたネオソウル・アーティストって感じだろうか。他にも結構ポップス・バラード色が強い「Woman No」のような曲が歌えるのも強みだ。スムースなヴォーカルも本当に音楽性にマッチしているし、こんな音楽嫌いな人はいないのではないでしょうか!

Lucky Iris (Leeds / UK)

UKはLeedsを拠点に活動中のMaeveとJasperによるアートポップ・デュオ、Lucky Iris。彼らはシンセポップからトラップ流行以降のベッドルーム・ポップ、更にはハイパーポップからの影響も感じさせるカラフルな音色のサウンドを少し切ないヴォーカルと共に鳴らす。ひとり部屋の隅で聞くのにも、友達とダンスしながら聞くのにもちょうど良い楽曲を多種多様にこれまでシングルとしてリリースしている。今回の「23」という曲はエレポップ〜シンセポップをメインの軸にしたアプローチだけど、ミックス面であったり、途中ノイズっぽいサウンドが混じってたりするのが今風のアートポップといえるであろう。

Olivia Dean (London / UK)

世界的に見ても今月末にリリースするデビューアルバム『MESSY』で大ヒットの可能性すら持っていると思うUKはロンドンのソウルシンガー、Olivia Dean。アルバムの中から先行リリースされた「Dive」という曲が60sの空気を吸い込んだノスタルジーな要素もありつつ、とにかく”陽陽陽”の満面の明るさで多幸感抜群で超最高だ。メジャーからのリリースですが、そこら辺のソウルシンガーとは違いKing KruleJamie Isaacといったアーティストも輩出しているThe BRIT Schoolの卒業生ということで実力派で、このピアノ弾き語りverの「Dive」もまた別の良さが出ているし、Jazz Cafeでのライブ映像とかからもヴォーカリストとしての実力を心底感じることができる。

Sabine Hollter (Berlin / Germany)

以前はBrooklynでBarriePsymon Spineといったバンドに所属していたアーティスト、Sabine HollterがBerlinに拠点を戻しスタートさせたソロプロジェクト。ブラジルにもルーツを持つということで、ブラジリアンなリズムを積極的に取り入れた楽曲からエクスペリメンタル・ポップ〜アートロックの要素が強いサウンド、更にはミュージカルの世界観を感じさせるような楽曲までを幅広く制作し、アルバム一つで起承転結があり、映画を見ているかのような気分にさせてくれる音楽。この「Temporary (The Hermit)」という楽曲はオルタナティブな要素が強めのポップソングだけど、後半のサウンドがカオスに混ざる展開とか作り込まれてて素晴らしい。

shy martin (Stockholm / Sweden)

これまでにThe ChainsmokersKygoといった大物アーティストにも楽曲を提供している事から完全に実力派である事がわかるスウェーデンはストックホルムのネクストポップスター候補、shy martin。shy martinはSara Hjellströmによる個人プロジェクトで、これまでソングライターとして活躍してきた彼女が本格的に自身のプロジェクトに力を入れ始めてからあっという間に注目を集めている。デビューアルバムとしてリリースされた『Late Night Thought』を聞いていると、Billie Eillishの持つ冷たさと人間らしさを感じる一方でより、昨今のアートポップやベッドルームポップにも親しいサウンドを鳴らしているのがわかる。ベッドの上でギターを鳴らし作曲しているというDIY感のある制作方法も素晴らしいし、”自分の中で作曲にルールは無い”と語っている自由さ、そしてそれがポップソングを作る上で一番大事なんだろうな。

SUDS (Norwich / UK)

UKはNorwichを拠点インディーロック・バンド、SUDS。シューゲイズな要素もパンキッシュな要素もエモの要素も持ちつつも、全体を見ると最終的にシンプルなインディーロックを鳴らす4人組でRayboysMuncie Girlsとかが好きな人にオススメのバンドなのだが、Mae Caterのエモーショナルで青っぽいカラーを感じる歌声が特別だ。弾いているフレーズはエモなのに音色は少しアメリカンなインディーロックっぽかったり、疾走感があるのにドリーミーだったり、シンプルだけど細かいところで違いを作ってその一つ一つがめちゃくちゃ癖になる。

上記で紹介したアーティストを含めたマンスリープレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉も公開してます!

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