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〈to'morrow music〉 NEW ARTISTS OF THE MONTH (February 2021)

日本の電車の便利さは素晴らしいと思いますが、NYCのサブウェイのパフォーマーやハリウッドの駅前でウロウロしている偽物スパイダーマンが恋しくてたまらない日々を過ごしています。

マイク(スパイダーマン)元気にしているかなあ。

さて、今月もプレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉から国籍 / ジャンルを問わずに特にお気に入りのニューカマーを厳選し紹介していこうと思います!

BETWEEN FRIENDS (Los Angeles / USA)

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LAを拠点に活動中のSavannahとBrandonによるデュオ、BETWEEN FRIENDS。グループ名にFRIENDSという名前がついてるが2人の関係はSIBLING。そんな彼らがリリースした2枚目のEP『tape 001』はタイトルからも分かる通り今っぽさを感じるR&Bやベッドルームをミックスしたスタイルで、気怠さのある派手すぎないヴォーカルが彼らのスタイルに非常にマッチしている。Crumbとかを彷彿させる曲から80sのディスコチューンを今っぽく変身させた曲まである。彼らはインタビューでオーバーシンキングしないで曲を作っていると答えていて、その制作方法のせいかもしれないが、少し余白がある部分も良い方向に作用していると思う。『tape 002』もすぐにリリースされるし、今後が楽しみな存在。

dad sports (Ottawa / Canada)

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もしあなたが”インディー” という単語に反応するのであれば絶対に聴いてほしい。なぜなら2020年代に爆誕したBeach Fossilsと言いたくなるこの3人組、dad sportsの音楽が好きじゃないわけがないから。去年リリースした「name & places」という曲も本当に最高だったけど、2月にリリースされた「nrvs again」という曲も更に最高だ。とにかくキャッチーを極めたヴォーカルのメロディーと絶妙な緩さの宅録感のあるローファイサウンドの組み合わせが悪いわけがないし、単音ギターリフとドリーミな要素を両方ゲージマックスで使用しているのもグッド。2020年代に音楽がどんだけ進化したとしても絶対に死んでほしくないシーンだし、デビューアルバムをリリースする頃にはカナダのCASTLEBEATのような存在になっていてほしい。

Great Youth (Kyoto / Japan)

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京都を拠点に活動中の4人組、Great Youth。僕は彼らの最新曲「Loveless」で存在を知ったのですが、この曲はKevin Abstractが作り出したシーンの流れやKeshi辺りを彷彿させるローファイ、R&B、ラップをミックスさせた欧米のベッドルーム・ラップ・シーンを感じる曲。他にもK-RAPシーンとかにも共通して最高。気になったので彼らの過去曲を聴いてみると「Emma」「Cure」という曲もかなり素晴らしかったのだけど、この曲たちは1975からの影響を色濃く感じる仕上がりになっていた。「Loveless」とは全然ジャンルが違う曲だったが、ジャンルに囚われずその時の音楽シーンの状況や自分たちのモードによって音楽性を180℃変え、クオリティーを出せるバンドは強いし、それこそ1975とかもそういうバンドですよね。Great Youthのこれからは読めないけど、とにかく楽しみにさせられる。

Internet Girl (Cape Town / South Africa)

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南アフリカのTk、Neese、Griggsによる南アフリカの3人組、Internet Girl。Jimi Somewhereをゲストに迎えた楽曲などもリリースしている注目株で、TikTokとかでいつ爆発してもおかしくない親しみやすいポップさがまずある。具体的にはDominic Fikeとかに近いポップ〜パンク〜ラップをミックスした音楽性を独自のスタイルといっても良いベッドルームスタイルで鳴らしている。かなり今っぽいけれども、時にガレージ要素もミックスしていたりと、ロックを聴いて育ってきたのが楽曲からも滲み出ている。2月にリリースされた新曲「bitter」に迎えたゲストがLAの17歳のアーティスト、PaydayというのもJimi Somewhereに続いて抜群のセンス。

LILHUDDY (Stockton / USA)

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「Hype House」というTikTokスターが集まるコレクティブを設立し、自身もTikTokを通じてスターになったChase HudsonがLILHUDDYとして音楽デビューを果たした。エモラップを通して、2021年の流れとして00年代リバイバルが来ているのは、恐らく様々なプロデューサーと共に流行を考えてデビュー曲をリリースしたLILHUDDYがエモ / ポップパンクをブチ鳴らしていることでも証明できることだろう。既にMVが700万再生されているのには笑っちゃうが、あんまり日本には届いているイメージは無いし、彼がインフルエンサーであろうが、なんであろうが正直どうだっていいけど、鳴らしてる音楽がカッコいいから紹介したい!

天国旅行 (Sapporo / Japan) 

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札幌を拠点に活動中の4人組ロックバンド、天国旅行。先日リリースしたデビューアルバム『キッズ・アー・オールライト』が本当に素晴らしすぎました。一本でも糸が千切れたら崩れてしまいそうな絶妙なバランスで成り立っている絶妙なオルタナティブ・ロック。危うさという名のカリスマ性を感じるヴォーカルと爆発力のあるサウンドの組み合わせが最高。ニトロデイbetcover!!the pillowsといったちょっとタイプの違う日本のオルタナ系のアーティストの中でどれか一つでも好きな人は聴いてほしい。それにしても歌心がありすぎるし、札幌は定期的に素晴らしいバンドが出てきていて、やっぱり良い街だなあと思います。

wachowski (Tokyo / Japan)

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藤城アンナ(ex. CY8ER)と 井出和幸(ex. 映画で見た少女)を中心に結成された5人組バンド、wachowski。1月にデビューシングル「喪失 / 再生」をリリースしたばかりのこの企画にピッタリのアーティスト。1曲目を飾る「喪失」のイントロから身を任せられるほどに心地良い轟音が鳴っている。男女ヴォーカルのバランスの良さはもちろん、ストーリーを想像してしまうのような文学的なリリックがエモーショナルを掻き立てる。「喪失 」の間奏からBメロにかけて余韻のように鳴り続ける轟音、「再生」でキレイに静かになっているピアノなど、とにかく一つ一つの楽器の音もヴォーカルも美しい。マイブラの泣ける轟音とCopelandのエモいメロディーを同時に浴びいるようだ。

Wallice (Los Angeles / USA)

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LAを拠点に活動中のアーティスト、Wallice。ローファイさのあるインディーポップとキャッチーなヴォーカルという組み合わせは、昨今の宅録ポップ〜インディーポップを繋ぐシーンが好きなら間違いないだろう。彼女がリリースした2ndシングル「23」のサビで鳴っている少しファジーなアレンジも良い。元々はJazz Vocalのクラスに通ってドロップアウトし、それから現在自身のプロジェクトに力を入れ始めているということなので、まだまだ引き出しは多そうだ。またプロデューサーにはmarinelliという幼馴染を起用しているらしく、そういった部分も個人的には好感を持てる。現在デビューEPを準備中とのことなので、楽しみに待ちたい。

youra (Yeosu / South Korea)

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韓国のSSW、youraが先日リリースしたEP『Gaussian』に収録されている全6曲はゆるい質感のレトロなR&B「MIMI」、サビの独特のヴォーカルのリズムがダンスを誘うポップソング「PINK!」、エフェクトのかかったヴォーカルと渋めのギターなども取り入れ、深いところでポップに鳴り響く「ZEBRA」、クラブサウンドを積極的に取り入れた「AIRPLANE MODE」、Solange辺りからの影響を感じるR&B「Bye Bye」、静かなでセクシーなヴォーカルがムードを作り、K-POPらしいR&Bテイストが詰まった「RAL 9002」とどれも本当に毛色が違うモダンポップ。その中で光っているyoura自身のヴォーカル・ワークは今まで聴いてきた歌声のどれとも違って、本当に耳に残るし、最高だ。

Yu Su (Vancouver / Canada)

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中国出身で6年前にカナダに移住するまで現行の音楽には特に興味も無かったというYu Su。ヴァンクーヴァーに移住したことにより、街中で日常的に行われているクラブイベントやFloating Pointsがギャラリーの地下で行った公演などに影響を受け、自身でも音楽を作り始めたという。心地良さもクールさも備えたハウスからディスコチューンまでを収録したデビューアルバム『Yellow River Blue』は森〜海〜電子世界までを行ったり来たりしているかのようなバラエティーに富んだ音色と、何よりもこの「Xiu」という曲で使用されているサウンドはまさしく中国の伝統的な音楽をイメージする音で、中国にルーツを持ち、カナダのシーンに触れた彼女にしか作れない音楽を作っていると思う。

上記で紹介したアーティストを含めたマンスリープレイリスト〈TO'MORROW MONTHLY〉も公開してます!

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