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誰のためでもない、誰のためにもならない、ただひたすら自らの “言語化の練習” のためだけにある、2023年の振り返りnote(15,000字)- Webクリエイティブに貢献しようと奔走した男の軌跡 ‐

タイトルの通り「誰のためでもない、誰のためにもならない、ただひたすら自らの “言語化の練習” のためだけにある、2023年の振り返りnote」だ。

書くつもりなんてさらさらなかったのに、数々の2023年の振り返りを見ていたらどうしても書きたくなってしまった。岩松さんや宇都宮さんのような洗練された言葉は一つもないし、平尾さんのような節が効いた言葉もなければ、necco Times のような圧倒的な「やってんなぁ!」感は一切ないけれど、来年に向けた自分なりの屈伸運動くらいのつもりで書いてみたい。

皆さんとのアレコレ(企画、協業、出演とか)

だいたい時系列で書いてるはず。

エムハンドのシクミとシカケ

500名以上の方にお申し込みいただき、大好評を博したエムハンドさんとのオンラインイベント。美しすぎる資料、考え抜かれた言葉、合理化されたシクミとシカケ、いずれも学びしかなかったが、最も心を打たれたのは岩松さんの目の前の玉ねぎを全力で切る姿勢だ。開催3日前から資料が見違えるほどにその姿を変えていく。言葉と共にビジュアルが洗練され、さらには動きが加わっていった。爆発的に増えるスライドのファイルサイズにPCが悲鳴をあげていたのはご愛敬だが、その姿勢は鬼気迫るものといっても過言ではない。イベント終了後、𝕏で発言されていた方々に全リプライしていたのも「マジか・・」と思い、年始からケツを思いっきり叩かれたイベントであった。

Zoomでのセミナー終了時刻にはまだ300人以上が視聴してくださっていたものの、ただのノリで当時流行っていたTwitterスペースに場所を移した結果、200人を置き去りにするという愚行をしてしまったのは今となってはいい思い出である。(大反省)

1年の時を経て、2024年1月25日(木)19:30~ #エムハンドのシクミとシカケ2 を開催することが決まっている。前回以上のイベントとなるよう頑張っていきたい。
【M-HAND PAPER&】エムハンドの、未経験が育つシクミとシカケ

メタバースでのポートフォリオ展示会&座談会

ウェブスタッフ社で初めてとなる2週連続での開催となったオンラインイベント。メタバース空間でポートフォリオの展示会を開催しながら、各回にゲストをお招きしてポートフォリオについてワイワイ語り合うというイベント。

1週目はホロン社の間宮さん、中川さん、尾形さんをゲストにお招きし、採用担当者として「ポートフォリオをどう見ているか」という視点からそれぞれを評価したポイントなどをお話しいただいた。

2週目はまるみデザインファームのまるみ師匠、大伸社コミュニケーションデザイン社の塗さん、ルート社の緒方さんをお招きし、メタバース空間を走り回りつつ、巨大スクリーンにポートフォリオを映しながらその良さを皆で語り合った。

メタバース展示会かつ2週連続という新しすぎる試みで超バタバタではあったが、弊社の公式𝕏の中の人2号・3号の新人2人が裏方としてめちゃくちゃ頑張ってくれたおかげで大きなトラブルなく進行させることができた。私は表に出る役回りが多く目立ちがちではあるのだが、決して1人の力では為しえなかったことであり、彼ら・彼女らに支えてもらっているからこそできた挑戦だった。企画、進行、広報、運営、あらゆるフェーズで支えてくれる人がいることに改めて感謝をしたい。

採用担当の心を掴んだポートフォリオを大公開!ドコがよかった?先輩デザイナーが徹底分析 - ウェブスタッフ

未経験ネキへのキャリアインタビュー

上記のイベントにもご出演いただいたホロン社の尾形さんにキャリアのインタビューをさせていただき、noteとしてリリースした。ムラマツさんがぶちあげた伝説のイベント BREAKING DESIGN の未経験ネキとしてのチャレンジでめきめきと腕を上げ、日々逞しくなっていく彼女を見ていて、どうしてもその根性と覚悟の背景を知りたくなってしまったからだ。

ご支援させていただいていた方と、キャリアインタビューという形で改まって場を設けてお話しするのは初めてではあったが、彼女の飾り気のない態度や率直に語られる言葉は40歳のおじさんをとんでもなく感動させた。同時にキャリア支援というものの奥深さを改めて知り、自らの仕事を捉え直すことができた良い機会となった。尾形さん、本当にありがとう。

豆カレ就職相談会

就職・転職戦線で悩む方々向けに「こうしたらえんちゃう」を話してきた。運営の方からは「過去最高の問題解決度・満足度でした」とメッセージをいただけてほっと胸をなでおろすも、もっとこういう伝え方あったよなぁ・・ぶっきらぼうすぎたなぁ・・と反省する点も多々あった。

営業の最前線で10年以上仕事をしてきているので、瞬発的なやり取りは得意な方ではあるが、教養の無さや思考スピードの遅さが故に雑な言葉遣いをしてしまいがちだ。場や人に合わせた、適切な言葉を選べるようにもっと努力しなければならない。ちなみにここで出会った方とその後のキャリア相談会でばったり再開してたりする。「アレ、この画角と部屋の暗さ・・もしかしてあの時の・・?」なんて失礼なことを言ってしまったことを今更ながらお詫びしたい。

いとせつデザイナーかるた

「と」でとんでもなく恥ずかしいことになってしまった Posted by MIMIGURIタケウチさん

もはや最初の出会いは忘れてしまったが #デザイナーあるある を毎日投稿していたムラケンさんとの𝕏でのやり取りが始まりだろう。イラスト好きな私が勝手にファンになっていただけなのだが、バイブス合う二人(と勝手に思ってる)のやり取りは相互交流に発展し、ムラケンさんが「みんなトムさん、フォローするんやで!」と大変ありがたいポストをしてくれることもあった。

活動拠点のフィリピンから日本に戻ってきていたムラケンさんとの食事の機会があり、爆誕してしまったのがこの #いとせつデザイナーかるた だ。いろは歌の順でデザイナーにとっての愛しいこと・切ないことをテーマに皆さんからご投稿いただき、一番得票数の多かった投稿をムラケンさんにイラストにしていただくというもの。先の食事の機会に弊社の公式𝕏の中の人1号が同席していたため、ものの5分で企画の骨子とやることが決まってしまった。

お陰様で現在では毎回5~10件ほどの投稿が集まり、せきゆおう氏・アリサカ氏・ウノ氏というめちゃツヨ三銃士が誕生し(私もいれて四天王になりたかったがそんな世界線はついぞこなかった)、他にご参加いただく常連の皆さんのアイデアも重なり、多くの共感を呼ぶイラストたちが誕生した。せっかくこんなに素晴らしいイラストが集まったのだから、本物のかるたにしようぜ、的な企画も立ち上がり始めている。ムラケンさんもここで登場した人物から新たな着想を得、次の面白シリーズに向き合い始めていると聞いている。

ひとえにムラケンさんのイラストの魅力あっての企画だが、多くの皆さんにご参加いただき、愛される企画に育ちつつあり、とても嬉しく思っている。

朝までイラレ2

たぶん、いや、恐らくこの世界の誰も、10年以上イラストレーターを触っていない私が出るなんて思っていなかっただろう、そう、鷹野さんを除いては。

「問答無用」の使い方が間違っている気がしてならない

おもしろいものには全乗っかりしちゃう自分自身もどうかと思うが、まあたぶんこういう人生なんだろう。そのノリノリ精神のお陰で、多くの出会いが生まれたし、私自身の学びにもつながった。10分のイベントにもかかわらず、リハで20分以上喋り倒してしまい「あの、今回の持ち時間って何分かわかってる?」と聞かれたのはいい思い出だ。(鷹野さん、ごめんなさい)

何よりも感動したのは、同時進行で複数の企画を進めながら、数千名が参加するお化けイベントに出る20名超の参加者をまとめあげる鷹野御大のプロジェクトマネジメント・ディレクション力だ。トムにはこんな芸当どう頑張ったって一生できる気がしないが、それでも、途中にあったコミュニケーション設計やゲストに向き合う姿勢、効率化されたやり取りといったエッセンスは、今の私の仕事の一部に活かされていると実感する機会も多い。

普段は、目の前の1人の人生に向き合っているが、来年もこういう機会を積極的に掴み、より多くの人のキャリアに関する悩みを共に考え、ポートフォリオについての考え方などを伝えていけるようにしていきたいと思う。

ちなみに、鷹野さんが書いたプロフィール作りのnoteは自分を表現する言葉に困ったときに見返す神noteになっている。対象ユーザーが「講演をする人」に限られているからなのかスキがややnoteに書かれてある有用性や実力よりも少ない気がしている。

めっちゃいいポートフォリオまとめ10選

出す出す詐欺をすること1年余、ようやく書くことができた。𝕏でも300件以上リポストされ、私にとってはかなり大きな反響だった。それだけ「ポートフォリオ」というコンテンツはクリエイターにとって注目度が高く、悩みの種になりやすいトピックということなんだろう。

結果的にこのnoteを経由し、30名以上の方との直接的なキャリア支援の機会が生まれた。別のチャネルからのキャリア相談で「実はこのnote見てました」「このnoteをきっかけにポートフォリオを作り直しました」と言われる機会も多く、そこらへんをあわせると70~80人になるのかもしれない。また、この業界では知らない人はいないレジェンドな方々からも「読んだよ」「面白かったよ」と言われる機会もあった。それほど自分やウェブスタッフ社の認知を拡げてくれたnoteだった。

文章を書くことは嫌いではないし、「文才あるよ」と社交辞令の言葉をいただく機会もなくはないが、勉強をしてこなかったせいで基本的な語彙や文法が壊滅的で、いわゆる美しい日本語力を持っているとは全くもって思っていない。(その証拠に社内で何かを書く機会ではしっかり赤入れが入るし、この丸括弧直前の文章もなんだか気持ち悪いとさえ思っている)

それでも、考え、書き、伝えるという行為は、そこにかける書き手の想いや読み手のニーズがあれば届いていくということを学んだ。月に何本も書くというペースには決してならないと思うが、大好きなWebクリエイティブの業界に貢献でき、求人側と求職側を結び付ける機会となるようなnoteになるのであれば、きちんとテーマを絞り来年も1~2本は書いていきたいと思う。

最後に、快く参加に同意してくれたデザイナーの皆さんに改めて感謝をお伝えしたい。皆さんの苦労と情熱あってこそのnoteです。ご協力いただき、本当にありがとうございました。

出張トム'sカレーサービス

収益は上がっていないが、バイブスは確実にアガった。

数日前に10人前(くらい)のルーを仕込み、オフィスに訪問して振る舞って食う、ただそれだけのサービス。最高のパクチーを仕入れていたのに、忘れるという大失態をかましたが、ご一緒したFIELDのナガサキさんとUNITBASEの中村さんの協力を経て、無事パクチーを入手し、カレーを仕上げることができた。

大真面目に年2~3回くらいはかましていきたいサービスなので「うちにも来てよ」という奇特な方がもしこの世にいるのであればご連絡いただきたい。仕事を放り投・・、きっちりと片付けたうえで積極果敢に攻めていく所存。

デジLIG×WEBSTAFF共催「クリエイターズドラフト」

2023年から協業し、連携を深めているデジLIGさんとの新たな試みである。デジLIGを代表する受講生さんたちが渾身の作品と熱量をぶつけ、参加企業からのオファーを勝ち取ろうというリクルートイベントだ。

初めての試みにも関わらず、10社の企業が参加し、18名の受講生がプレゼンをした、それはもうアチアチなイベントとなった。私の様々なわがままと進行遅延により大迷惑をおかけした自覚アリアリだが、デジLIG運営の林さん、大澤さん、宇都宮さん、植田さん、中屋敷さんの寛大な御心と進行力のお陰で無事盛会で幕を閉じることができた。色々とご迷惑をお掛けしてしまって申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでいっぱいだ。

このイベントを通じた企業と求職者のマッチングも生まれたので企画としては成功といっていいと思っている。また、この企画内でのマッチングだけではない価値も生まれている。イベントに向けた準備を通じて自己理解を深め、プレゼン技術を磨いた多くの求職者が、その後次々と内定を獲得し、駆け出しクリエイターとして羽ばたいていったこと、それこそがこの企画の本当の意味での価値だったのかもしれない。2024年2月にはよりパワーアップさせた当イベントが既に進行している。業界のすそ野を広げる取り組みとして、来年も力を入れていきたい。

関西遠征 プロダクション行脚

企業向け人事コンサル/個人向けキャリアコンサルどちらもやっているとはいえ、ここ数年は個人のキャリアコンサルのほうに軸足を置き、企業とは一定の距離を置いていた。

だが、冒頭のエムハンドさんのイベントに参加してくれていたFIELDのナガサキさんとお話させていただく機会が生まれ、その際「全国の制作会社を回りたいし、もっとWebクリエイティブの業界をすそ野を拡げたいんです」と言っている自分がいた。

そうか、自分がやりたいと思っていたことの一つってそれだった、口にして改めて自分のやりたいことが明確になった。そこからナガサキさんとの調整の末、1泊2日の大阪遠征が決まり、9社、20名以上との予定をギッチギチに詰め込んだ。

これだけは言える、最高の2日間だった。(が、米のせいで肩と腰をいわした)

𝕏でヤンヤしてるだけの何者でもない私を快く受け入れお話を聞いてくださった皆さまには感謝しかない。実際の採用支援に繋がっている企業もあれば、別の話が進んでいる企業もある。我々の主たるサービスは採用支援ではあるものの、それは顕在化している課題を解決するための選択肢の一つでしかない。人事領域であれば、人事制度設計も、評価指標作りも、採用広報も、採用代行もなんだってやるつもりだ。お話しさせてもらった時間と縁を無駄にさせないよう、できる限りのことで来年以降お返ししていきたいと思う。

ガタマリさん、TRACE加藤さん、ZIZO前川さん・坂口さん、spicato細尾さん・前川さん・米田さん・金山さん・白瀧さん・笠井さん・中村さん、Penq藁さん、ユニオンネット丸山さん、アコーダーアリサカさん(会えなかったけど)、カガワさん、FIELD田伏さん・岡田さん・長崎さん、MEFILAS川﨑さん・藤原さん・原田さん・神杉さん、エムハンド山手さん、お忙しい中、本当にありがとうございました。(お会いした順に記載。以下𝕏のポストは遠征のほんの一部だ。)

自社サイトリニューアル

このお2人のビジュ最高

1年越しのプロジェクトで取り組んでいた自社サイトのリニューアル。前回のリニューアルから5年以上が経過し、増える事業とコンテンツにより、骨格と機構がそのすべてを支えられなくなっていた。そこで以前から採用をご支援させていただき、我々のスタンスをご理解いただいていたUNITBASEさんにお願いし、私たちの在り方や事業に向き合う姿勢などの言語化からプロジェクトをスタートさせ、全体の構造整理や情報設計、デザインシステムの構築を経て、サイトのリリースに至った。

多事業×多コンテンツ×多ターゲットという相当難易度が高いオーダーにも関わらず、表も裏もこれほどまでに堅牢で美しく仕上げてくれたUNITBASEチームの皆さんには感謝しかない。また、今回、下層や量産部分などは社内の広報・システムチームが担っていたため、かなりの負担がかかっていた。通常業務と並行しながらの実装と細かいチューニングには頭が下がる思いだ。

関係者の皆々様の努力が実り、国内の主要なギャラリーサイトほぼすべてに取り上げていただいた。

加えて本プロジェクトを陰に日向に支えてくれたPMワカツキさんからのおじさんの涙腺を緩ませる言葉のプレゼントも届き、相当に込み上げるものがあった。

さらに嬉しかったのがS5‐Styleの田渕さんの年末恒例の2023年総まとめにウェブスタッフのサイトがムラマツさんセレクトでbest3に選出されたことだ。

内部情報を一切知らないにも関わらず、これほどまで解像度高くその難易度を読み取ってくれたことに驚きを隠せない。muuuuu.org の「目につきにくいけど『凄い』プロジェクトを、贔屓なく多くの人に知ってもらうこと。」というポリシーがかっこよすぎて、ムラマツさんへの尊敬の眼差しに加え、あやうく恋慕の情も加わりかけた。(翼くんの爆誕、本当におめでとう。オムツでいっぱいのお正月をお迎えいただきたい。)

関わってくれたすべての皆さんに感謝しかない。

ポートフォリオ考

Queri.meという質問箱サービスを使い、いただいた質問に対して答える、というか一緒に考えるという取り組みを試験的にはじめてみた。Webクリエイター向けのポートフォリオについてが趣旨ではあったはずなのだが、

40歳未経験エンジニア転職をきめたどこの誰だかは知らないが、こんな感じで既に弄ばれはじめているあたり、そう遠くない未来にここは大喜利会場と化すだろう。なぜかデザイナーだと勘違いされてそうな質問も来ているものの、それも含めてゆるく楽しんでいきたいと思う。

けっこう真面目に答えているので、他の回答もぜひ見てみて欲しい。

WAB記事ライティング

久々に「俺、一体何をやってるんだろう」案件だった。経緯と内容は記事の通りではあるが、存じ上げていたとはいえ、まだまだ知らない会社のイチ制度を、キャリア支援をしているトムが広報するなんてどうかしてる。まったく依頼する方も依頼する方だ。(ありがとうございます)

それにしてもとてもエキサイティングだった。「トムさんの自由に書いていいよ」がこんなにも楽しいとは。オチの自撮りがあんなにも弄ばれるだなんて想像だにしていなかったので、依頼を受けたライター(?)としてはあるまじき行為だと実はかなり反省している。

その反省も含め、間違いなく2023年のハイライトの一つに挙げられるだろう。Webクリエイティブ業界の広報(?)としての矜持を胸に、来年も色んな会社の素敵な部分を伝えていきたいと思っている。

また、こういう機会が来た時に、自信を持ってYESと答えられるよう、これからも𝕏の世界に日々駄文をまき散らしていきたい。

師走忘年会

今年1年の締めくくりとしてはやっぱりiDIDさん主催の師走忘年会だろう。クリエイターでもなんでもないお前が行く必要はないと正論をぶちかましてくる天使を隅に追いやり、純粋に楽しみたいんだ俺はグフグフ・・的な邪心をもつ堕天使が勝った結果、12月1日、私はそこにいた。

本当に、会いたい人と会えて、会えなくて、話したい人と話せて、話せなかった素晴らしいイベントだった。WABさんの記事や日頃の𝕏での駄文のまき散らし、そしてこの特徴的で愛らしい風貌のお陰か(お父さん、お母さんありがとう)、「トムさん」と声をかけてくださることも多く、気付けば最後まで居座り、ノンストップ喋りっぱなしの3時間だった。

その場にいる人たちの高密度のエネルギーに触れ、改めてこの方々と一緒に仕事をしたいと思えたし、私は私でこの業界のすそ野を拡げ、より多くのクリエイターのキャリアの可能性を拓きたい、と強く思った。

自分たちのアレコレ(施策、感謝、結果とか)

いろいろありましたなぁ。

本社移転

お世話になりました

10年くらい居た渋谷の桜丘町から青山学院大学がある西青山に本社が移転した。リモートワークやオンライン商談・面談があたりまえとなった結果、席はフリーアドレスとなり、オンライン商談・面談に最適化された個別ブースが複数設置されている。仮住まい的な移転でしかないので、次に向けて色々と仕込む2~3年にしたいと思ってる(勝手に)。

ちなみに、新しいオフィスの近くで一番うまいカレーはエリックサウス。

初の男性育休取得

私の話ではないものの、とても印象深い出来事だったので、取り上げる。同じチームで10年来仕事を共にしている男性メンバーが2ヶ月の育休を取得した。予定日が2~3週間ほど早まった結果、下のイベントまるごと私が引き取ることになりパヤパヤしてしまったが、それでもなんとか回せたし、彼の仕事は他の人の協力もあって滞りなく進んだ。

思い返すと8年前に娘が生まれたわけだが、私はその立場における責任や業務量を目の前に、この立場にいる人間が取るべきではないという謎の使命感のもと、「育休を取らない」という選択をしてしまったことをほんの少しだけ後悔していたからだ。

あの時、私が取っていれば妻はもう少し楽になったのかもしれない、0歳の娘との貴重な思い出を作れたのかもしれない、勝手に背負い込んでいた様々な責任とタスクを分散することができたのかもしれない、その結果、超属人的だった判断やルールが組織へと還っていったのかもしれない・・・とかとか。考えだすと枚挙に暇がないし、自分のこれらの感情がどうこうなるものでもないが、たぶん、これからの会社や組織やメンバーにとって、とてもいい選択であり、体験だったのだろうと思っている。

社会的には男性育休取得にむけて様々な施策が動き始め、男性育休取得率は過去最高を記録しているものの、まだまだ世界標準には程遠い数字だし、スタンダードだと世間が認知する数字でもない。あたり前だが、男性が育休を取らないということは、女性が取るということだ。母乳を与えるという生物的行為と血を分けた母という存在によるある種の身体感覚を伴う愛情提供以外は、両者の理解と工夫次第で男性にもできる。

メルカリ社が出した「説明できない男女格差」のレポートにも衝撃を受けたが、「働く」を主戦場に仕事をする身としては、前述の男性育休取得率や男女格差を再生産している理由、こういった事実を数字と共に捉え、あるべき姿を踏まえた、採用支援・キャリア支援をしていかねばと考えている。

国家資格キャリアコンサルタントとしての1年

2022年夏~冬にかけてスクールに通い、持ち前のスケジュール管理能力のなさから試験前の詰め込みで泣きながら取得した [米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー]と[国家資格キャリアコンサルタント]としてカウンセリングに向き合う初めての年だった。

様々な理論や技法を座学で学び、多くの仲間と多くのロープレを通じて体験的に学ぶが、私としては、ロジャースが提唱するカウンセリングの基本的態度である「受容的態度」「共感的理解」「自己一致」が最も心に残っており、これを常に意識しながらやってきた1年だったと思う。(ちなみにこの基本的態度は最初期の授業で教わる)

要するに、相手に対して無条件の肯定的な関心を向けながら、相手の内的な世界を共感的に理解して伝え、カウンセラー自らの感情と振る舞いを一致させようという、態度だ。「要するに」といって要することができていない典型のような文章だが、さらに粗く書くなら、「相手の言葉や態度を、相手の文脈や感情で理解して、自らの嘘偽りのない関心を寄せ、言葉と態度で表現しよう」という感じだ。

私の場合、これがまったくできていなかった。勉強を始めてすぐに、担当の先生に「石川さんはこれまでのやり方を捨てられていない。この態度の意味を全然理解できてない。」とド直球で指摘されたほどだ。どうしても相手の言葉通りに受け取れず、すぐに自らの知識と経験と思考で勝手な解釈を加え、仕事モードの課題解決思考を駆動させてしまい、「●●なんだから、××したらいいんじゃない」とアドバイスし始めてしまう始末。だいぶ強制的なアンラーンが走ったわけだが、捨てる(脇に置く)ことがこれほどまでに難しいとは思わなかった。

散々苦労した結果、今となっては、メタ認知もあがり、できている時とできていない時が自分でもある程度は認識できるようになったと思っている。まだまだではあるし、カウンセリングを終えるたびに「あの表情の意味はこうだったのかもしれない」「あの言葉の背景には何があったのだろう」と自問自答を繰り返す日々だ。

キャリア支援を生業としている以上、心を寄せるようなカウンセリングだけに時間を割くことはできず、適切な関係性とタイミングで指示的なアドバイスや指導的な提案をしていかなければならない。恐らく、この先もずっと抱えるジレンマの一つだと思うが、それすらも内包しながら、自らの血肉として昇華させ、相手にとって価値のあるカウンセリングとなるよう体験価値を向上させていきたい。

キャリア支援の過程と結果

ざっくりな数字でぼかすが、だいたい300名くらいのキャリアをなんらかの形でご支援させてもらった。(うち50名くらいは大変ありがたいことに「困っている人がいて・・」とご友人を紹介いただいた)捕捉できる範囲でいくと、2/3くらいの方々が転職している。顔と名前だけだと長期記憶できないマンにとってはやや怪しいものの、共にああでもないこうでもないと語り合ったポートフォリオを見れば、その支援のプロセスを詳細に思い出すことができる。以下はご支援した方のほんの一例だ。

  • Webデザイナーから専業イラストレーターへ転身した方

  • WebデザイナーからWebディレクターへ転身した方

  • フリーから会社員フロントエンドエンジニアとして転身した方

  • 家族を連れて鳥取から新潟への移住付きの転職をした方

  • 2年越しのポートフォリオ添削を続け憧れの企業に転職をした方

  • 40代未経験からの挑戦でエンジニア転職を決めた方

  • 新卒未経験でUIデザイナーとしての道を決めた方

  • 未経験Webデザイナーとして駆け出し始めた方

特に今年は公式サイト以外からの相談申し込みが多く、名は出せないもののとあるクリエイティブ系のメディアとも業務提携をし、多くの方々とのご縁に繋がっている。

印象的だったのは、𝕏経由の直接的な募集でも出会いが生まれたことだろう。結果的に100名以上の方にリポストいただき、10名以上の方とのご縁が生まれ、そのうちの1名と案件をご一緒するに至った。2年ほど前から力を入れ始めた𝕏ではあるが、これほどまでに縁を作れるメディアだとは正直思っていなかった。これからも適度にふざけながら気張らずに運用していきたい。

話を少し戻すが、転職の過程には多くの努力と挑戦と挫折があり、その方のらしさ溢れる人生があったように思う。しかしながら、全員が全員、私を通じて転職したわけではない。当然ながら私の実力不足や我々のケイパビリティの問題でご支援しきれなかった方々も数多くいる。クリエイターの道を諦めてしまった方、サービスレベルに満足いかずご支援がストップしてしまった方など、多くの残念な結果もまた同時に目の前に転がっている。

個人としても組織としてももっともっと実力をつけ、来年は今年以上に多くの方の多様なキャリアに向き合い続けながら、支援の実績を増やしていきたい。

WS Radio

「安心して話せる場」がコンセプトだ

ほとんど私の思いつきで始めてしまった非公開の社内向けラジオ。夏頃に社内の文化作りを担うメンバーとのMTGで言った「ラジオやりません?」の一言から、拾う神あり、進める神あり、編集する神あり、とたくさんの神メンバーのサポートを経て、フォーマットが固まり、運用が軌道に乗り始めている。

来年からはペースをあげ、全社員を巻き込み、ブラッシュアップしていくつもりだ。目下の課題は日本語話者以外にむけた英語コンテンツの拡充。自社のエンジニアチームはインド、ドイツ、インドネシア、中国、日本と超多国籍な英語主体のコミュニケーションとなっている。海外人材を斡旋する事業においては、インド工科大学との新たな取り組みも始まり、パワーアップして再度前進し始めているので、いいかげん英語の勉強を本格的に始めなければ、と思っていたりいなかったり。

経費精算もくもく会

参加必須は私だけ

いつまで経っても経費精算ができないクソみたいな男のためだけに、経費精算をするだけのもくもく会が新たに立ち上がるくらいすばらしい会社でありチームだ。

私は、細かい事務仕事が本当にできない。やりたくない。逃げ出したくなるほど気が狂いそうになる。そんな私に対して叱る・怒る・キレるのではなく、優しくレールを敷いてくれる仲間がいる。だから、上述のようなことを思いっきり前に出てやれるんだろう。彼ら・彼女らがいるから自分が自分でいられるのだ

また、突然、突拍子もないことを思いついてはチャットに投げまくっていける上司(社長)の存在も大きい。私にとっては重要なテーマではあるのだが、瞬間的に沸騰していることを見透かされているのか、いい感じにスルーしてくれたりする。くそー、コンニャローと思いながら連投するが、刹那的に生きる私なので、次第に落ち着きを取り戻し、関心が別のテーマへと移っていく。これも石川を石川として捉えた上での彼女なりのマネジメントなのだろうと思っている。

ここまで振り返り、色々なことをやれたなぁと思うが、その分、支えてくれた仲間への感謝の気持ちも募る。本当にありがとうございます。これからもどうか経費精算のフォローをよろしくお願いします。(そこじゃない)

𝕏(旧Twitter)運用

昨年はあまり本腰をいれていなかったので「今年は𝕏がんばるぞ~」というゆるい気合いと共に、倍くらいの5,000フォロワーという密かなる目標を立てていたが、本日時点でギリギリクリアしていたようだ。公式マークの課金万歳🙌

2023年01月 2,300フォロワー(たしか)
2023年12月 5,200フォロワー

朝は娘とのやり取りやアイスコーヒーについての強がり、昼は推しポートフォリオや好きサイトグフグフ、かと思えば𝕏で求められていないキャリアについてクソ長文を吐き出し、夜は月と星を愛でる・・・、こんな雑多なポスト群にもかかわらずこんなにも多くの方々にフォローいただけたのは奇跡だと思ってるし、なんだか申し訳ない気持ちさえある。

私にとって、2023年の多くの出会いと感動をもたらしてくれた𝕏ではあるものの、所詮𝕏でしかないので、アカウントの性格や目的を決めすぎず、大きな期待もせずに、引き続きゆるくやわらかく運用していきたい。

今年の「好き・・」なサイト5選

既に田渕さんを始め、目の肥えまくった識者の方々が素晴らしいサイトをまとめているので必要ないはずなのに、私は無謀にも挑戦する。企画が、構造が、技術が、とかではなく私が「好き・・」と惚れてしまったサイトを5つに絞った。主観 of 主観。ただし、それらを表現する言葉を持ち合わせているはずもなく、「好きなものは好きなんだ!」としか言っていない申し訳程度のキャプションを添えるだけにしておく。

01. NEWPEACE

メンバーページが好きすぎて危うくエントリーするところだった

02. くりもと眼科

患者目線で作られたロゴ、写真、アニメーションにズキュン

03. 不二家ブランドサイト

「ペロン」に誰もがハートを射抜かれたはずだ

04. 中華そば 七八

圧倒的な “美味しい” ビジュアルでノックアウト

05. GOジョブ

考え抜かれた応募導線とライティング・・、「やってんなぁ!」

番外編 tote inc. - KOTY 2023 -

カーソル乗せた瞬間に今年の - 狂気 Of The Year - が決まった

今年もたくさんの「好き・・」なサイトに出会うことができた。ここに載せられないサイトも含め、そのクリエイティブへの情熱と煙が出るほど考えたであろう軌跡に、心からのありがとうを送りたい。

今年の「いい・・」note5選

ほぼ毎日と言っていいほど見ていたnote。特に水曜朝は集中してみるようにしていて、毎週20~30ほどのnoteは読んでいたように思う。年間に換算すると1,000ほどのnoteを読んだことになる。改めて考えるとすごい。よく頑張った、えらいぞ自分。

ということで、大好きな田渕さんにあやかり、特に秀逸だったサイトならぬ、noteを選んだ。そろそろ意識が飛びかけているが、強い気持ちをもって紹介していく。

01. 「たまたまの人生」を、今日も生きているだけですから。 / 岩松翔太(M-HAND Inc.)

形容する言葉が見当たらないほどに衝撃を受けたnote。これまでの膨大な量の思考と逡巡が岩松さんという宇宙を通して言葉となって紡がれている。こんなにも深くて広い人に対して、ポエ松とか宇宙松と言った名前をつけてしまってことをとても反省している。それにしてもインタビューしたiDIDさんもスゴイ。石川個人としては今年のぶっちぎりマイベストなのだが、2万字を超える文量で放たれたストレートパンチと宇宙から降りてくる1度では解釈しきれない言葉たちに、ほとんどの人が打ちのめされてしまう。故に、このnoteの思想と言葉に込められた実力通りのスキはつかないんだろうと思っているw

02. 【完全版】なぜ組織は衰退していくのか?(7500文字)

今年読んだ中の最も面白いマネジメント向けnoteだった。組織崩壊や改革の上滑りを経験してきたトップマネジメントは自戒的に読めるし、経営と現場の板挟みにあっているミドルマネジメントは共感しつつ「じゃあ、どうするか?」を考えながら読める。“ダイバーシティ&エクスプロージョン” や “自称政党継承者と昭和野武士拳” など小気味いい言葉が並んでいるのも心地よい。

03. 子ども達の好奇心に真摯に向き合った結果、ぽぽちゃんを生産終了する判断に至りました

これだけ愛されたロングセラー商品をパーパスに立ち返って「この道ではない」と判断できる経営の意志の強さに心を打たれた。8歳になる娘の好奇心を大いに育んでくれたぽぽちゃんとピープル社の皆さんに最大級の感謝を伝えたい。

04. 書評:なぜ男女の賃金に格差があるのか

ノーベル経済学賞を受賞されたゴールディン氏の本の書評noteと考察noteをセットで。「女性の労働市場における成果についての私たちの理解を前進させた」と受賞理由にあるように、その男女格差が明らかにされつつある現代で、無知・無理解・無意識はその格差を放置することと同義。ピルが教育とキャリア選択の両方に影響を与え、長時間・不規則勤務で賃金が上がりやすい時給プレミアムが格差を拡大する主な要因と指摘している。今後の大事なテーマとして理解を進めながら、キャリア支援に活かしていきたいと考えている。

05. フォロワー127万人「北欧、暮らしの道具店」のInstagram運用 9年間のあゆみ

ゴリゴリの戦略とかではなく、とにかくやわらかく「やってみる」が大正義というのが見ていて本当によくわかる。私の実家が五穀米を販売している米屋で長らくECサイトを運営していることもあり、「北欧、暮らしの道具店」は以前からよく見ていた。ECサイトの運営という観点でも学びが多いが、“小さくはじめるけれども、結果がわかるまでは、強い気持ちで続ける” というメッセージは、今年、𝕏を続けてきた私に勇気与えてくれた記事でもあった。

おわりに

実はあと、

  • 2023年の振り返り プライベート編

  • 2023年の振り返り 買ったもの、食べたもの、読んだもの編

  • 2024年のやりたいこと編

も書こうとして、章立てと箇条書きレベルの文章は用意していたが、恐らく日の目を見ることはもうないだろう。このペースで書き進めれば優に3万字を超えてしまうからだ。年末年始にそんな苦行、しんどすぎる。どうか静かに本を読ませて欲しい。仕事でもプライベートでもどうもやりすぎてしまう癖があるが、こればっかりはもうどうしようもない性癖のようなものなのかもしれない。

冒頭に書いた方々の振り返りに触発されて書き始めた記事だがようやく終わりを告げられる。最後に、このnoteを書くにあたり、最も勇気を与えてくれたONIGUILIさんことNishimuraさんに感謝のメッセージを伝えたい。

彼女が書いた2023年の振り返りnoteに登場している「The ONIGUILI Digest」というメルマガに登録して届いたNews Letterの一部に、こう記されていた。

ああ、なるほど、そうだったのか。


𝕏もnoteも、あくまでも言語化の練習でしかなく、なにも完璧な文章に仕上げる必要もなければ、1,000のいいねやスキを目指す必要なんてまったくもってなかった。私が書く言葉なんてものは、終わりのないゴールに向かう旅路の途中に吐き出した唾みたいなものなのだ。(あぁ、自分でももっと適切な表現があったんじゃないかとは思っているよ。でももういいんだパトラッシュ、僕はもう疲れたから…)ありがとうONIGUILIさん、ありがとうNshimuraさん、私ようやく気付けたよ。

これからは “言語化の練習” という大義名分を掲げ、𝕏やnoteに、ただの練習の過程で吐き出されたものでしかない駄文をまき散らしていきたい。

年末年始の貴重な安らぎタイムを溶かし、ここまで読んでくださる方はおそらく世界中を探しても6人くらいしかいないと思うけれど、その6人のうちの1人であるあなたにむけて最後に伝えたい、「今年は本当にお世話になりました。」

さてさて、これで本当におわりです。
皆さま、よいお年をお迎えください。

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