SIGMA fp と 三軒茶屋フォトウォークを楽しんだ日の記録 -Part.①トム・イシカワ編-
-どうしてもフォトウォークがしたい。
よもや毎週末写真を撮るためにどこかに出歩き、あろうことか会社にまで持っていく日々が来ようとは思わなんだ。今年の3月、衝動的に買ってしまった SIGMA fp との生活が始まっている。
カメラなんて10年くらい前に(これまた衝動的に)買ったはいいものの、タンスの肥やしになっていた SONY α4000 以来。その前は SONY Cyber-shot 、 Canon IXY あたりの古き良きコンデジを持っていたような気もするが、ほとんど記憶に残っていない。マニュアルですら撮ったことのない人間が、暗所と動きものに弱く、フォーカス迷いがちで、白飛び大好きなじゃじゃ馬だが、撮り味が抜群に好きなカメラと日々格闘している。(「マニュアルで撮るぞ」と意気込んだ30分後には「やっぱオートで・・」と易きに流れる私をどうか許してほしい)
そんな大初心者な私。「フォトウォーク」なるものを知り、憧れを抱き、(またまた衝動的に)開催してしまった結果、とてつもなく有意義な時間になったよウフフ… というただの駄文と写真の記録 note である。
呼び覚まされる「フォトウォーク」への憧れ
何かの流れでneccoの阿部さん(愛とリスペクトをこめていつもアベフミさんと心の中で呼んでいる)とのDMをしていた時、ふと来たメッセージに「フォトウォーク」の文字が。その瞬間、それへの憧れと渇望を持っていることを明確に認識し、心に決めた。
-フォトウォークをしよう。
思い立ったが吉日、お会いしたことがあるけどもっとお話ししたいカメラな人を妄想しはじめてお声がけを開始。
結果、デザインスタジオ・エル の原さん、RYDEN 岡野さん、そして大阪だし無理だよな・・と思いながらもダメ元でお声がけした oneberg 市山さんの参戦が決定。
旅のしおり的なもの
場所は大好きな街 三軒茶屋(東京都世田谷区。東急田園都市線 三軒茶屋駅。通称 三茶。夜は飲兵衛たちのゴッサムシティに様変わりする下町風情のある街。) であることは決めていたが、肝心のルートや何を撮るかはまったく決めていない。実施日の3日くらい前にいてもたってもいられなくなり、旅のしおり的なものを作ってしまった。完全に自己満足の世界。嗚呼、なんて楽しいんだろう。
調べていたらなんだかんだで三軒茶屋ってこういう街だったんだ、という再発見も。歴史を知るって大事。
前日のドタバタ劇
旅のしおりを作り、ルートもざっくり決まり、カメラの準備を終えた、あとは行くだけ・・・と思った瞬間、よぎる不安。
あれ、夜ご飯の予約って19:00だったっけな・・🤔
念のための確認の電話をしたところ、不安が的中し予約はまさかの18:00。誰だよ18:00に予約なんて入れた奴。慌てて皆さんに集合時間の変更を前夜にお願いしたところ「日の入りが18:30だから18:00頃が一番撮り時かも?」とハラさん。
そうか・・、夕焼けに合わせて動かないとダメじゃん!!!
危うくゴールデン夕焼けタイムをみすみす逃すところだった。馴染みのお店だったので、開店前の店舗に直接謝りに行き、勘違いしていた19:00への予約変更が完了。準備はこれで整った。
安定の3時間前行動
ドキドキとワクワクが止まらず、3時間前に三軒茶屋にIN。案の定することがないため「下見でもするか・・」と思い立ち、予定のルートを回ることに。
これが大正解だった。
決めたルートを回ると「え、なにこの建物めっちゃエモいな」「うお、この公園めっちゃ鳩おる」「うーん、意外に時間かかるな」などなど、気付いたことが盛りだくさん。
「フォトウォークはPCで考えるんじゃない、現場で考えるんだ」
頭の中にいるカーキ色のロングコートを着たフォトウォーク刑事がそんなことを言ったとか言わないとか。とにかく、現場を見るってめっちゃ大事だ。
フォトウォーカーズの軌跡
00. 待ち合わせ
最初はデカめの鞄にあの Hasselblad と 鬼改造 Leica M11 を携えた市山さんにたまたま遭遇。集合時間の17:00ぴったりに原さん、岡野さんが現れちょっとしたカメラ談義。
微妙に遅れて阿部さんが到着。これがドタバタ劇の始まり。
01. 静かな三茶
15分押しでスタートし、まずは三軒茶屋駅前から昭和女子大裏・都営住宅を抜け、インディーズのレコードショップ フジヤマあたりで折り返して栄通りに戻ってくるルートを選択。当日の雲一つない快晴も手伝ってスッキリとした空気感の落ち着いた三茶を堪能した。
02. 夕焼けな三茶
フォトウォークなるものが、こんなにも自由度が高く、各々が思い思いに歩き、時に姿を消し、コントロールが効かないものだなんて知らなかったんだ・・。
自分自身もエモい街並みを撮りながらも、刻々と落ちていく陽を目の前に焦るトム。楽しむ皆さん。いなくなる岡野さん。ああん、どうして!!
そうこうしているうちに18:00を超えた。まずい。非常にまずい。夕焼け撮影のためにキャロットタワーに到着していなければならないのに。予定していた1/3くらいしか回れていなかったが、背に腹は変えられず残りの2/3を大胆にカットすることを決断。結果、最高の時間に到着した。自分で自分を褒めてあげたい。
しばしの休憩タイム
2時間たっぷりと撮影に興じたところでビール補給タイム。10年以上前からお世話になってる阿波尾鶏と徳島ラーメンが絶品なサンチャ フカミさんへ。
03. 飲兵衛な三茶
塩分と油分を十分に摂取して元気を取り戻したおじさんたちはとっぷりと日の暮れた夜の街へ。アルコール控えめのしっかりとした足取りで、カメラを携えて二次会ならぬ、二次フォトウォークを敢行。
三軒茶屋から下北沢へ伸びる茶沢通りの深い場所から、三茶の代名詞となっているディープな飲兵衛スポットの三角地帯へ。
途中で何故か始まってしまったトム・イシカワ撮影会。
04. 仲見世商店街な三茶
ディープでホットなスポットを堪能した一行はフォトなウォークをクロージングするべく商店街をゆるりと歩く。
フォトウォークを終えて
阿部さんのちょっとした一言で燃え上がってしまった衝動は、素敵すぎるメンバーと大好きな街のフォトウォークに繋がった。掛け値なしに本当に楽しめた時間だったと思う。お互いのカメラを、撮っている姿を、撮れた絵を見ながら話すという真っすぐで純粋な時間。
「写真を撮る」という共通の目的をもって街を練り歩くのがこんなにも楽しいだなんて思ってもみなかった。それだけカメラにのめり込んでしまっている、ということなのかもしれない。
それにしてもこんなにも気楽に、一つの趣味、カメラという機材一つで、仕事の役割や世代を超えられるものなんだなと実感し、感動すら覚えてしまった。40歳を過ぎて衝動的に始めてしまった趣味に、童心に返ったようにどっぷりハマっていく感覚。うーん、すごくいい。
マニュアルですらまともに撮れないド素人の声掛けにもかかわらず、二つ返事でご一緒いただいた皆さんのお陰で楽しめたのは言うまでもない。阿部さん、市山さん、岡野さん、原さんに大感謝だ。またいつかご一緒したい。
気持ちは次のフォトウォークへ
今回はたまたまいい天気で、たまたま知っている街で、たまたま下見をして、たまたまショートカットを決断したから成立したが、未知の場所であったとしたらこうはいかなかったはずだ。自らが主催する場においては、もう少ししっかりと事前の準備をしておきたい。(特に、時間に融通の利かない朝焼け・夕焼け系を狙うのであれば、集合時間やスケジュールにも余裕を持っておかないといけない)
荷物や機材については、色々と考え方があると思うが、個人的には極力少なく、カメラ一台とレンズ一本で撮りたい。願わくばズームレンズがいいかもしれないが、今のところ単焦点で潔く撮りたいと思っている。(ズームレンズをもっていないことを正当化したいだけかもしれない)あと、服装もなるべくラフにカジュアルに、足元だけはしっかりと歩きやすい靴で。
また、もっとたくさんの話をしてみたかった。今回は初フォトウォークにもかかわらず主催してしまった結果、なかなかに余裕のない立ち回りとなってしまい、皆さんの撮り方を観察したり、考え方を聞いたり、果ては仕事やプライベートのことについて話せなかったのが心残りである。まあ、またどこかで会えるはずだし、その時までの楽しみとしておけばいい。
最後に、勝手知ったる三軒茶屋で開催したのであれば、もう少し遊びの要素を入れてもよかったのかもしれないと思っている。銭湯でひとっ風呂浴びて汗を流したり、立ち飲みスタンドでビール片手にカメラ談義したり、せっかく徘徊したディープな三軒茶屋の場末のスナックに立ち寄ってみたり、とか。それもまた、次のお楽しみだ。
Special Thanks は いつも突然に
>阿部さん
急に始まるポートレート撮影会には悶絶もんでしたが、めちゃくちゃかっこよく(雰囲気が)撮ってもらえて感無量でした。急な「あっちから歩いてきてください」にちゃんと応えられていたでしょうか。普段のアートディレクターとしての仕事っぷりが垣間見えました。またムーちゃん絡みの引っ越し祝いあたりで会いましょう(予定は未定)。
>市山さん
大阪にいらっしゃるにもかかわらず、我ながら無茶なお声がけをしてしまったと思っていますが、まさかの参戦、本当に嬉しかったです。お陰でたくさんカメラのことを知ることができましたし、その魅力にまた一段とはまってしまいました。そして念願のハッセルのバシュゥゥン、夢のようでした。今度は大阪でビルを撮りまくりましょうね。
>岡野さん
独特な視点といなくなりがちな様子をみて、なるほどこれが岡野さんか、と勝手ながら合点がいってしまいましたww いなくなりがちということもありあまり話せませんでしたが、お近くですし、お互いのカメラを愛機と呼べるようになった頃、また行きましょう。いなくなりがちになりながら。
>原さん
まさかの中野~吉祥寺フォトウォークからの三軒茶屋フォトウォークのダブルヘッダー、本当にお疲れさまでした。愛機を手に入れられてから毎週欠かさず行ってきた写活で鍛えられた腕と脚は本物すぎました。その時をじっと待つ姿を見て、なるほどこういう撮り方もあるのか、と勉強になりっぱなしでした。またご一緒させてください。(次はモノクロウォークになっているかもしれませんね)
カメラを始めるなんて思ってもみなかった
御礼で締めるつもりがなんか知らんが、追加で書きたくなってしまった。
カメラなんてまったくもって興味の対象外だったはずだ。それなのに、今、どっぷりとはまってしまっている。なんでだろう。いや、答えはもうわかっている。
たぶん、いや、確実に、周りの皆さんの影響を大いに受けてしまった結果だ。同じSIGMA fp使いのONIGUILIこと西村さん、fpL使いのエムハンド山手さんにFIELDナガサキさん、情感たっぷりの写真とポエムな岩松さん。よく聞いてるTAKRAM RADIOの康太郎さんがとある回をきっかけにLeicaを手に入れて光を撮り、normalize.fmのdoxasさんが毎日の長時間散歩で写真を撮り、𝕏で見かける SIGMA fp ユーザーの Takuさんやみわさんやarcoさんの日々のポストを見て、触れて、今に辿り着いてしまっている。
影響を受けやすく、熱しやすく冷めやすい私だが、一瞬のものであったとしてもそれはそれでいい。こんなにも楽しい時間を過ごすことが出来るようになったことに、お会いしたことがある方・ない方、みんなに感謝だ。
カメラを持たなければ気付くことのできなかった自分に、美しいなと思うことができなかった景色に、記憶に残らなかったであろう家族や友人との日常に、これからもたくさん出会っていきたいと思う。
あとがき、ならぬ、あとフォト
追記:Part.②も書いちゃったよ