虹色ドリーミング(第22回)

#創作大賞2024
#お仕事小説部門

【大畑真紀(旧姓 永橋)】
  今日は私たちの結婚式と披露パーティーに来てくれてどうもありがとう。
  地味婚ブームだから、2人で「入籍だけしようね」って話してたんだけど、ニジドリメンバーが「結婚式に出てみたい」って言うので、メンバーと身内、それと2人の友人を呼んで、式とパーティーをすることにしたの。
  彼の仕事はイベントの総合プロデュース。当面は共働き。だって今こんな世の中でしょ。私も働きたいし、何よりニジドリが猛特訓中だから。
  式の最後のブーケトスでカレンとミオが2人同時にキャッチしちゃった時はびっくり。あなたたちまだ早いでしょって。
  パーティーでは、カレンが作詞作曲した曲をメンバー全員で歌ってくれて、ちょっとウルっとしちゃった。これは内緒ね。さあ、明日からもビシバシしごくよ。
≪ハッピーウエディング ハッピーウエディング これからの二人に最大級の幸せが 訪れるように 誓いの鐘を鳴らします キラキラとした二人の時が 永遠に続くようお祝いの歌を歌います ハッビーウエディング ハッピーウエディング≫

【カレン】
「ダイバーシティのチケットが完売したぞ。おめでとう」
『やったぁ！』
  リナチー、ユリポン、ユキの生誕祭の物販だけじゃなく、私が載った週刊誌やQuick Japanの記事もいい宣伝になったみたい。みんな配信やSNSでの告知もがんばった。でも何より渋谷のライブハウス街や駅前で手売りをした成果が大きかったかも。

そして、いよいよ12月28日当日。
「うー、めっちゃ緊張するぅ」
「人っていう字を手のひらに書いて飲み込むといいらしいよ」
「それもう200人くらい飲み込んでるよぉ、お腹いっぱいでオエッてなるよぉ」
  ユキとキョウカがバカなこと言ってる。リナチーとユリポンとミオタンはスマホで自撮り中、アオイ様は目をギラつかせて黙って集中してるみたい。最初の曲から全力でいくつもりなんだと思う。私は登場が一番初めだからめちゃめちゃ緊張してる。私も5人くらい飲んでおこうっと。
「スタンバイお願いします」
  円陣を組んでミオタンが言う。
「今日は思いっきり楽しもう！ニジドリ行くよ！」
『オーーー！』