微量栄養素の欠乏
皆さんは栄養素と聞いたとき、何を思い浮かべますか?
炭水化物、脂質、たんぱく質のエネルギー源となる三大栄養素はまずありますね。
勿論、このエネルギー源だけでは体をいい状態にするのはできません。
その他に、ビタミン、ミネラル、無機質というところも出てくるのではないでしょうか。
こうしたエネルギー源とは違うが、体の状態を整える栄養素を微量栄養素とも言われています。
では、なぜ今回微量栄養素のことを取り上げたのかと言いますと、自分達の生活でこうした微量栄養素が日頃から欠乏してしまっている状態になっているのです。
微量栄養素が欠乏するとどうなるか。
本来であれば、体の細胞はさまざまな栄養素が絶妙な具合にコントロールされています。
それで、ある栄養素が欠けてしまいますと、細胞はどこかから取ってこようとしてしまいます。
そして細胞全体として炎症が起きてしまい、体の全体にさまざまな症状をきたしてしまいます。
アレルギー反応は1つの例ですね。
(かといって食べ物に速効性のアレルギーがある人に無理に食べさせるのはいけません。)
また、うつ病についても栄養素の欠乏が原因の1つともされています。
特に21世紀に入ってから多くみられるようになった様々な疾患というのは、こうした微量栄養素が足りていないこともあげられます。
では、それらを取り込めばいいのかというとそれがまた単純な話にはなりません。
まず、食べ物そのものの栄養素が低下しているという報告もあります。
もし50年前のリンゴと同じくらいの栄養素を吸収するには、今一般的に生産されているリンゴの30から50個分相当を摂取しないといけないともいわれています。
これは、土壌が非常に悪化していることが一因ともいわれています。
毎年毎年、実に多くの食べ物を生産しなければならない農家の事情もあり、土地の栄養素が枯れてしまってきています。
勿論、いいものを生産するために肥料も使われていますが、化学肥料がいまや大半となり、生産量をとる代わりに今までのやり方で得ていた栄養素を犠牲にしてしまっている点があげられます。
また、農薬や除草剤も問題にあげられます。
これらは土地に吸収され、吸収された農薬や除草剤の毒素が植物が本来持っていた微量栄養素を壊してしまっています。
勿論、我々の体内にも少しずつこうした農薬や除草剤で使われた要素が蓄積されている点も見逃せません。
さらに遺伝子組み換えがなされた植物もまた、体への影響が図り知れません。
遺伝子組み換え食品は人しか食べません。他の動物は例え餓死したとしても口にはしない、そんな報告もあります。
農産物だけではなく、肉や魚もまた影響が甚大とも言われています。
肉には生産性を高めるためにホルモン剤を投与されていたり、狭い空間に押し込めることでのストレスを緩和させるために動物用の抗ストレス剤が混ぜられた餌を食べさせられたりしています。
魚は水質からくるものですね。以前話した工業製品からの排水のことを参照してください。
加えて加工食品が実に多いですが、あれも製品となる過程で大半の微量栄養素が捨てられています。
今回は自分が分かる範囲ではありますが、まだまだ他にも実に多くの要因が重なりあっているのがあるというのが明らかになっています。
本来なら得ていたものが得られない、それで体を知らないうちに苦しませている。
そんな状態になっているのが身の回りの人達に起きているのは、実に忍びない話ですね。
ではどうするか?というところは今回はあえて書きません。
また次回以降で書ければ書いていきます。
一度、身の回りの食べ物を見直して見てみましょう。
何か分からないことや困ったことがあれば、是非教えてほしいところです。