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旦那さんがある日、「起業したい」と言ってきたら  by起業家妻

旦那さんが「起業したい」と言ったら、どうする?

私の旦那さん(略してD)が「起業したい」と言ってきたのは、GWが過ぎ、もうすぐ夏が来るという2016年の少し蒸し暑い日だった。
私はその当時、在宅で細々と仕事をしていただけで、ほぼ専業主婦のような生活をしてた。

元来がお気楽な性質である私は、Dが起業したいと言ってきたとき、まったくネガティブなことを考えずに「へ〜楽しそうだね、頑張って!」といった言葉を返した記憶がある。

今考えると、家族会議が行われても不思議ではないシチュエーションである。家族だったら反対する、反対はしなくても割と厳しいことを言うのが一般的な反応だと思う。

Dもあっさりと家族の了承が得られて、さぞ拍子抜けただろう。

「旦那さんがサラリーマンを辞めて起業する」ということが何を意味するのか、本当に考えていなかった私は、Dがやりたい事業の話や、事業に関連する業界の話などを聞いたりするのが単純に楽しかった。

だが、2ヶ月くらいが経ったある日、
「Dが会社を会社を辞めたら固定給が入らなくなる。生活はどうなるんだろう…?」
という当たり前のことに行き着いた。

行き着いてからが大変である。1日くらいパニックになった。

がしかし、元来がお気楽で「まあ、仕方ない」で済ませられる私は、次の日には「私が働いて生活費を稼がなくちゃ」という結論に至った。

とはいえ、ほぼ専業主婦できちんとしたキャリアがない私に、まともな仕事があるのだろうか、という不安も大きかった。
ましてDが無収入になることを考えると、できたら正社員で働きたかった。

正直、選ばなければ仕事は星の数ほどある。
だが、「せっかく働くなら、やりたいことをしてお金をもらいたい」という思いも捨てられなかった。

これまであまり努力してこなかったのに、一人前のプライドだけはあり、自分の身勝手さというか、浅はかさを思い知る良い機会だった。

ひとまずいくつかの転職サイトに登録して、就職活動をスタートさせた。

アドバイザーの人と面談するにあたり、どんな業界でどんな仕事をしたいのかを考える必要がある。
あまり自分の将来についてきちんと考えてこなかった私は、生まれて初めて本気で自分と向き合うことになった。

ざっくりと、「書く仕事」に携わりたいという思いは固まっていたのだが、具体的にどんな業務をして、どう会社に貢献していきたいのか、どんなビジョンを持っているのか、みたいなことが皆無だった。

紹介してもらった会社に応募して、面接を受けてを繰り返し、とある会社が運営しているwebメディアの編集の仕事に就くことができた。


これが、Dが起業したいと言ってきたときの我が家の様子である。


あれから3年が経とうとする今、Dが「起業したい」と言ったときに、反対しなくて良かったと本当に思う。何も考えずに応援できた自分で良かったと思う。
もちろん、それぞれの家庭の状況によって応援できるかどうかは変わるし、色々な価値観があるが、それでも「彼の未来」を潰す存在にならなくて良かった。


旦那さんが「起業したい」と言ったら、どうする?

に対する私のアンサーは、
「応援できる自分であり続ける」である。


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