見出し画像

アラサー独身、家を買う?!【後編】

先日、叔父に引率され、不動産投資について話を聞いてきた。

ここに至るまでの経緯について、くわしく知りたい方は前編をご覧あれ▼

後編を楽しみにしてくれていた方がいるか分からないが、先に謝っておく。

事前にインスタで質問を募り、聞きたいことをあらかじめリストアップし、万全の準備を期して挑んだが、色々と想定外の展開に圧倒され、不完全燃焼だった。

さんざん煽っといて、小心者のボロが出てしまった。

いくつか聞けなかった質問ある..

けど、やると決めた以上、みんなの貴重な時間をお借りするわけなので、何かひとつは持ち帰れるものをここに絞り出したいと思う。

アラサー独身のプライドを賭けて、書きます。

敵か味方かそれとも...?

当日は17時前に叔父の住むタワマンで待ち合わせし、営業の方と対面、ご挨拶。

頂戴します。
と柄にもないセリフを言いながら、名刺を受け取る私に、

ともちゃん、名刺持ってきてないの?

と、叔父がいきなり痛烈なカウンターを喰らわせてきた。

え、これってビジネスシーンなん??
わし、取引先か??
名刺必要とか聞いてないんだが???
あなた、味方とみせかけて、敵パターン?!?!?!

初っ端から完全にペースを狂わされた。
話聞くだけだし♪とお気楽ともちゃんで登場したが、完全に常識のない社会人フラグが立ってしまった。

ただでさえ、低収入というコンプレックスで、肩身狭めだったのに、オフィシャルな場に慣れていないという現実を突きつけられ、もう1段階肩が狭まる。

その結果、私は咄嗟に

え、そんなガチなやつだと思わなかった!
(てへぺろ)

と元気いっぱいに答えた。

...完全にバカ丸出しだ。
もうお前は家なんて買うな、帰れ。

東大前の物件を視察

冒頭のドタバタ劇を経て、叔父が購入したマンションを見に行くことに。

その物件は、東大の目の前にあった。
駅から徒歩5分、築6年の中古物件だが、エントランスなどは小綺麗で、しっかりメンテナンスされている印象だった。

住人がいるため、中は見れなかったが、40平米(広いのか狭いのかイメージできん)ほどで家賃は185,000円。

おもわず、たかっ!と叫んだが、2人以上住める広さで、本郷三丁目駅から徒歩5分なら、妥当な価格だそう。わしには、地価が分からんよ..

叔父の見解では、新婚夫婦や教授、東大医学部のボンボンなんかが住んでるんじゃないか、ということだった。

新築は買うときが1番高く、中古になった瞬間、どんどん値下がりする、なんて話をよく聞くけど、この物件は新築のときと同じ家賃を今も保っているらしい。

残念ながら、東大前のマンションは既に完売してしまったが、こういう資産価値の下がらない物件なら、前向きに購入を検討したいものだ。

ホテルの日本料理屋で殺られる

マンション視察後、営業さんがおいしいご飯に連れていってくれる、と事前に聞いていた私は、勝手に叙々苑やトラジをイメージしていた。

ところがどっこい、移動の車の中で、メトロポリタンホテルの日本料理屋を予約していると田中さん(営業の方)がカミングアウトしてきた。しかも半個室。

ちょ、ちょ、ちょまてよ!!!!!
話聞くだけなのに、そんな畏まった店予約しないでくれよ!!!

...まさか半個室に私を監禁するつもり?!?!
契約書にハンコ押さないと解放してもらえないとかいう悪徳商法じゃないよね..??
(冷や汗)

お前、今食ったよな??
食ったら契約する約束だぞ???って恐喝されたらどうすんだよおおおおぉおぉおぉお

そんなつもりなかったから、服装もめちゃくちゃカジュアルともちゃんで来てしまっていた。

こちとら、カーディガンもパンツもユニクロなんじゃ!
ちなみにスニーカーはコンバース!かろうじてポロシャツはラルフローレン
(聞いてねえ)

..ってよく見たら叔父さん、スーツ着とるやないかああぁぁ〜〜〜〜〜いっっっっ!!!!!
お主、やっぱり敵かよぉおおおおおぉお

不安大爆発しながら、運ばれてくるお上品な料理を、心ここにあらずでいただいた。
とてもじゃないけど、ご飯の写真を撮れる雰囲気ではなかった。

あとからお店のHPを見たら、1人12,500円の接待会席プランってやつ食ってましたわ。

※画像はイメージです

ばあば(祖母)も帯同してたから、×4人で50,000円。叔父は日本酒とか頼んでたし、もっとかかってるな..
この金額を経費で落とせるなんて、不動産会社は景気がいいですなぁ。

いざ、シミュレーション!

営業する気あります?
というくらい田中さんが控えめなので(失礼)、叔父がリードし、本題に入る。

私の現在の収入で買えそうな物件のシミュレーションを提示される。

自己資金200万円は不動産会社持ちなので、
ローンで払うのは2,500万。
青砥駅から徒歩5分の1K新築マンション。

おうちのチラシや間取りを見るのが大好物なもんで、立派なパンフレットを目にし、いいじゃん!とテンションが上がったが、帰宅後ネット検索したら、わりと普通のマンションだった。

ネットで拾った写真(粗くてすまん)

当たり前だけど、広告はよく見せようとするからね。冷静になるってほんま大事。

ローンの支払いは86,716円。
物件を貸せば、78,200円の賃料が入るので、
月々の支払いは実質8,516円。

前回、叔父からはローン返済額より家賃収入が上回ると聞いていたが、今回紹介された物件は新築のため、そうはいかないらしい。

おこづかいをもらいながら、不動産投資という夢は敗れたが、月々8,516円の支払いと考えると急に私にもできそうな気がしてきた。

ただ、35年ローンってやっぱり長いよね。
50歳くらいで仕事辞めてやろう、ってうっすら妄想してたけど、ローン抱えちゃったらBBAになるまで働き続けること不可避よ。

お前に借金を背負う覚悟はあるのか!

何を勘違いしたのか、私は田中さんに不動産投資の仕組みや基本的なことを教えてもらう気満々だったのだが、そもそも彼は先生ではない。

自分の会社が保有している物件を買ってもらうために営業しにきているのだ。

そこで気づく。
田中さんや叔父がざっくり説明はしてくれるけど、65歳まで借金をするのは私自身なのに、他人の簡単な解説だけ聞いて、契約していいものか..?

答えは明白。ダメに決まっている。
相場感や、その物件の将来性を加味し、買う価値のある物件かを吟味しなければいけない。

叔父いわく、家賃収入もだが、不動産投資は税制メリットが大きいらしい。だけど、その恩恵を受けるには当然、確定申告の処理なども付きまとう。

他人任せで契約したって、何かあったとき、誰も責任はとってくれない。いい大人が、知らなかったじゃ済まされない。

積立NISAだってインスタやYouTubeで勉強し、本も読み、完璧ではないにしろ、ある程度自分で理解し、納得したうえで始めたじゃないか。

アラサー独身の人生はすべて自己責任。
ちゃんと勉強して、知識を蓄えたうえで責任を負える覚悟ができたら、手出ししよう。

不動産投資のQ&A

とはいえ、いろいろ聞いたので、可能な範囲でまとめる。
(以下、田中さんは田、叔父は叔と省略)

投資の中でも、不動産投資は難易度が高いと聞くが実際どう?

幼少期に親がマンションを購入したものの、父の仕事の都合でアメリカに転勤になり、そのタイミングで売却。

その際、購入価格よりかなり値段が下がったようで、もう家は買わないというのが我が家の方針だった。

そんな話をずっと聞いて育ってきたから、家を損せず買うのは難しい印象が強い、と素直に伝えた。

叔:お姉(私の母)のときはバブル崩壊とかタイミングもあったと思うよ。
不動産投資自体は元手がなくても始められるし、株とかよりよっぽどハードル低いと思う。
俺が今まで買ってきた不動産は、自分が住む家含め、ひとつも価値落ちてないよ。

お酒も入ったことで饒舌になり、具体例を挙げてくれた。

〈実例〉
・最初に買ったマンション(多分20年前くらいに購入@東京23区内)
購入時4,500万→売却時5,300万
(数字が定かじゃないけどこんなもんだったと思う)

・現在住んでいるタワマン(こっちは多分10年前くらいに購入@東京23区内)
購入時8,000万→今売ったら倍の価格と言っていたので、単純計算で1億6,000万

もはや笑けてくる。
さっき待ち合わせたタワマン、億ションやったんか。

億ションってどんな人が買うんだろう?
社長とか青年実業家かな?なんて思ってたけど、しれっと身内にいたw

逆に社長じゃなくても、生まれつきのお金持ちじゃなくても、サラリーマンという肩書きで億ションが手に入るともいえるが、叔父はサラリーマンカーストの相当上の方にいる気がするので、再現性は低そうだ。

上記は自分で住むための物件の話だが、これと別に不動産投資用で小ぶりのマンション2棟と直近購入したマンション1室を所有している。

マンション2棟のうち1棟に、ばあば(祖母)が管理人兼住人として住んでいるのだが、このマンションいくらだったの?と恐る恐るばあばに聞いたら、1億よ!とさわやかに答えてくれた。

次元が違いすぎて恐い、震える。
もはや叔父がいくらローンを組んでるのか、見当もつかない。

私と同スペックで不動産投資してる人っていますか?

(女性、独身、30歳、低収入)

田:います。お若い方だと25歳からいます。

叔:むしろここの顧客は、若い女の子が多くて、俺みたいな50過ぎのおじさんの方が珍しいよ。

不動産投資は元金がなくても始められるから、若い女子も挑戦しやすいようだ。

年収と購入する不動産のバランスって?

田:年収500万だとローンは10倍(5,000万)まで、600万なら12倍(7,200万)まで借りられます。
銀行が返済できると見込んで決めているボーダーラインなので、ひとつの適正価格とみていいと思います。

年収500万円を超えると、一気に借りられる額が増えるので400万円代と500万円代の差は結構大きいです。

元銀行員の叔父も異論はなさそうだったので、そんなものか、と思ったが、以前見かけたこちらのツイートをふと思い出す。

不動産投資は家賃収入があるから、多少無理してもいいのかもしれないけど、マイホームはひたすらローンを払うだけなので、このくらいを上限に考えた方が安全かも。

ローンの借入額は何を基準に考えるの?

田:基本は年収を見ます。
あとはお勤めの会社も。勤めている企業の直近3年間の経営状況なんかも関係してきます。

たとえば、A◯AやJ◯Lなどの航空会社勤務の方はコロナ禍になってから、ローンがおりなくなっています(マイホームは大丈夫だが、投資目的の不動産購入は厳しいとのこと)。

そんなこというたら、わし百貨店!
コロナの影響受けまくってるし、斜陽産業だし、絶対アカンやんw

田:もちろん年収だけでなく、投資信託などの資産も加味します。あとは申請してみて、銀行がどう判断するかですね..

結論、1番大事なのは年収っぽい
フリーランスとかは年によって収入にバラつきがあるから、会社員よりはハードルが高そう。

当たり前だけど、35年間お金を払い続けられる見込みのある人じゃないと、ローンの審査はおりない。

収入が安定しなかったり、経営状況が危ない会社に勤めてたりして、将来どうなるか分からないような人に何千万も貸せませんよ、と。
なるほど、至極真っ当なご意見です。

火事や地震などが起きて物件が損傷した場合、補償してもらえる?

田:火事の場合、居住者も管理会社も火災保険に入っているので、オーナーが何か負担することはないです。

ちなみに田中さんの会社が扱ってる物件で過去火事になったことは1度もないそうだ。そのくらい確率としては低いことだけど、万が一火災が起きても保険があるので、大丈夫みたい。

地震はまた別物って話だったけど、私が内容を理解しきれなかったのでざっくりと。

最近の耐震基準で作られている建物は、そう簡単には崩れないし、未曾有の大地震が起きた場合は、国が何かしらの補償をしてくれるんじゃないかって話だった。

地震大国・日本だし、富士山がいつ噴火してもおかしくない状態なことを考えると、このあたりのリスクについては、もうちょっと掘り下げないと安心して購入できない。

家賃の金額は管理会社がコントロール?それとも個人の判断?

田:数社から見積もりをとって、だいたいこのくらいが相場だろう、という金額を会社が設定します。

叔:ばあばが住んでるマンションとかはうちで管理してるから自由に家賃設定できるんだよ。
実際、入居者入れ替わるたびに値上げしてるけど、ちゃんと人入ってくるんだよなぁ(得意気)。

だけど、この場合は田中さんの会社が決めるから自分では決められないんだよ。
俺も東大前買っちゃったし、家賃上げてほしいけどね〜(田中さんをチラリと見てアピる)

ほかにも色々と指南を受けたが、全部ここに書くと収集がつかなくなるので、気になる方は個人的に聞いてください。笑

アラサー独身の振り返りとつぶやき

今回は、いかに自分が無知かということを思い知ったので(マナー含め笑)、不動産投資の仕組みや税制について、ちゃんと勉強しようと反省した。

あと、やっぱり家賃収入が欲しい(欲望の塊)。
老後2,000万円問題については、会社の確定拠出年金や積立NISAで対策してるから、ローン完済後の65歳から、家賃収入が得られると言われても、正直そこまで魅力に感じない。

体力も物欲もなくなったおばあさんが、たくさんお金を持ったところで、そんなに使い道はないんじゃないかな。

かといって、35年後に自分のものになった青砥の1Kに住みたいかと聞かれれば、答えはNO。
仮に独り身だったとしても、もう少し広い部屋に住みたい。

となると、月々9,000円以下の返済とはいえ、あの物件にそれをする価値はないように思える。
(こうやって思考を整理して客観的に物事を捉えられるんだから、書くってすごい)

あとは叔父が言ってた節税効果が、たいした収入のない私にとって、どれほど価値のあるものなのか
これについては、これから自分で調べてみようと思う。

いずれにしても、まず1歩踏み出せたことは良かった。
早い段階でこういう選択肢があること、リスクはあるが、私でも挑戦できそうなこと、そして真のお金持ちは桁違いに貪欲かつ抜かりないこと。

貧富の差がすごすぎてビビるけど、身近にリアル金持ち父さんの叔父がいるのはある意味、恵まれた環境かもしれない。

待ってろ、未来の私と子孫。
私がしっかり資産増やしてみんなを幸せにするからな。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?