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教員免許を活かす!「児童指導員」とは

 


はじめに

 私は現在、放課後等デイサービスの児童指導員として仕事をしています。この仕事を選んだ理由は、主に2つあります。1つ目は前職で特別支援学級の担任を務めていた経験が活かせることと、2つ目は教職を離れても子どもの成長を手助けする仕事をしたいと思ったことです。

 この記事では放課後等デイサービスの児童指導員としての1日の流れや、実際に筆者が働いてみて感じたことについて書いていきます。

 ここでは、「教員免許を持っているけど、教職に就く予定はない。」「教職からの転職先の候補を知りたい」「子どもに関わる仕事を探している」といった方に向けた記事になります。

児童指導員とは

 児童指導員とは、施設や入所する児童によって職務内容が異なりますが、大まかに職務内容を挙げると、子どもたちの成長のサポート(社会性の取得、学習支援、遊びなど)、進路相談、送迎などです。また、必要に応じて活動記録の記入などの事務作業もあります。

 私が勤めている放課後等デイサービスでも主な仕事内容は、前述の通りです。送迎以外については、教職と職務内容が近いと言えます。

児童指導員のやりがい

 児童指導員のやりがいは、私の職場を通して感じるのが、子どもの成長を様々な面で見守れることだと思います。教職も似ている部分がありますが、学校現場に比べて学習以外の様々な体験活動もある現在の職場では、子どもの新鮮な反応も見ることができます。そこで子ども出た疑問を聞くと私自身も「確かにどうしてだろう?」と思うことがあり、一緒に調べて知識を身に付けるといったこともでき、子どもが感動する姿を見られることがやりがいです。

教員免許が活かせる!

 児童指導員として働くには、児童指導員任用資格が必要です。この任用資格要件を満たす条件はいくつかありますが、教員免許を持っている人は、基本的にこの要件を満たしています。

 厳密には教員免許と厚生労働大臣または都道府県知事からの認定が必要で、後者には合わせて教員免許のコピーの提出が必要になります。私の場合は、雇い主の方に教員免許のコピーを提出して、手続きは終わりました。

 児童指導員の求人には、無資格OKというものもあります。実際無資格でも働いている人はいますが、正社員は有資格者が基本です。また、アルバイトのでは有資格者の方が時給が高い場合があります。 

児童指導員の1日の流れ

 筆者の職場の場合の大まかな1日の流れを紹介します。

平日

 10:00~12:00 出勤・事務作業開始   
 12:00~       昼食・休憩      
 13:00~    児童迎え・来所    
 揃い次第~      学習・SST       
 17:30~    児童送り         
 18:30~    清掃・活動記録記入  
 19:00     退勤               

休日(土曜祝日・学校の長期休業中等)

 9:00~10:00 出勤・事務作業開始
 10:00~   児童迎え・来所
 揃い次第~   学習・SST
 12:00~   昼食・休憩 
 13:00~   屋内or屋外での活動
 16:30~   児童送り
 17:30~   清掃・活動記録記入
 18:00~   退勤
 
 基本的に残業はありませんが、送迎の際に交通渋滞などがあると、それに伴って、退勤が遅くなります。とはいえ、公立学校で勤務していた私の主観では、ほとんど時間通りに出退勤できるので、時間には見通しをもって生活することができます。

教職(特に公立学校での勤務)との労働面の違い

 教職と比較した場合の児童指導員の働き方の特徴を以下にあげます。
・子どもの人数に対して、多くの大人(指導員)がいる。
・賃金が低い。
・残業代がでる。
・残業時間が短い。
・副業がやりやすい。

子どもの人数に対して、多くの大人(指導員)がいる

 現在の職場では、公立学校に比べ、子どもに対する大人の数が多い傾向にあります。割合的には大人1人に対して子ども1~2人です。公立中学校の特別支援学級の担任をしていた時では、大人1人に対して子ども5人以上を見ていたことから、現在の方がより1人ひとりの子どもと関われている感じがします。

賃金が低い

 賃金については、教職に比べると低いと言えます。教職の場合は年齢や経験年数に伴い、それなりに昇給しますが、児童指導員の場合は昇給割合もボーナスも少ないと言えます。
 この問題を解決するには、児童発達支援管理責任者になる必要があります。この資格をとって働くと常勤の児童指導員に比べて、年収が約1.2〜1.4倍ほど上がる可能性があります。
 また、2024(令和6)年4月より、児童指導員としての実務経験が5年以上あるとそれ未満の指導員に比べ若干年収が上がる模様です。
 教員の場合自治体にもよりますが、基本的に特別支援学校教諭及び特別支援学級の担任の教諭の経験も児童指導員の実務経験に入るため、この要件を満たしている教員の方は有利に転職が可能です。

残業代が支払われる

 残業した場合はそれに応じた賃金が支払われます。教職の場合は給特法とも呼ばれる、「給与の4%分を元々給与に上乗せするので、それ以上の残業代は支払いません。」というような法律があります。そのため、基本給が20万の場合は約8000円、30万の場合は約12000円が月々の残業代として支払われます。

 私の場合は月平均の残業時間は、100時間を超えていましたので、100時間と考えても残業している間の時給は約80円~120円という計算になります。それに比べると、児童指導員は一般企業と同じように、時間に応じた残業代が支払われます。これは当たり前のことなのかもしれませんが、教職と比べると良い点だと言えます。

残業時間が短い

 また、そもそも教職に比べて、圧倒的に残業時間が短いです。児童指導員は月に多くても20時間以内には収まっています。前述しましたが、教職に就いていた頃は月平均100時間を超えていました。

副業がやりやすい

 公立学校の教員の場合は法律によって、副業は原則禁止されています。例外として、大学の講師や教育系Youtuberなど、教育に関するものなどは認められるケースがありますが、残業時間も長いことから副業をすることは困難と言えます。

 一方で児童指導員の場合は、残業時間も短いことから、副業もしやすいです。私も実際にフードデリバリーの副業をしています。日雇いのバイトもすることができて、良い社会経験にもなっています。教員時代よりも低い給与はここでできるだけカバーしています。時間がつくれるようになったことから、noteの利用も始めました。
 
 副業の時間を入れても、私の場合、教員時代よりも労働時間は少ないです。給与全体は今のところ、教員をしていた頃よりも低いですが、時給で考えると現在の方が高いです。

おわりに

 今回は児童指導員の仕事、働き方、教職との違いなどについてまとめました。近年、学校現場では特別支援学級が増えていますが、その背景には、障がいへの理解・認知が増え、多様な支援の必要性が生じたことにあります。この点は放課後等デイサービスも似た部分があり、施設や児童指導員の需要の増加も見込まれます。実際に厚生労働省によると、放課後等デイサービスの事業所数や利用者数は、2012年以降右肩上がりとなっています。

 このような点から、教職からの転職先や子どもに関わる仕事を探している人におすすめのお仕事のひとつと言えます。この記事を通して興味を持っていただけましたら、幸いです。
 
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