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自分の甘さを思い知る。「書籍企画書」作成のすすめ

これまでに何度か、出版社に書籍企画を持ち込んだことがある。

一冊は小部数だったが出版に至り、もう一冊は数年来のプロジェクト、やっと企画会議に上がったというところ。

ほか、ボツになった企画も数件。

「え、あなた出版社にいたんじゃないんすか」と自分でも自分に問うのだが、私は出版業界の面白さに魅了されているだけの永遠の素人であると宣言します。


いくつかの本づくりを伴走していると、私なりにわかることもある。「あ、この企画はいいとこまで行きそう」とか「こうすればもっと光る」とかいうのは、そりゃあわかるんです。

けれど、本を形にすることだけがゴールなのかと、私はそう思うわけで、それよりも著者がこれを物語ることが社会にとってどう意味を持つのかの方が、私には断然興味のあることで、

「商業出版したいんです!!!!!!」

という意気込みは私はなるべく買わないようにしています。


何度か繰り返したけれども、出版の形は多様であってよくて、商業出版万歳で、そこにこだわり続けて何も生み出せない今、を自分にもっと問うべきで、

商業出版にはメリットはもちろんあるが、タイミングを間違えればデメリットになりかねないことだってあり(←ここ重要)、それをもう少し前向きに考えてもいいのかもしれません。


まあ、今日はそんなことが言いたいのではなくて、もし本を出したい、と思っている人がいるのであれば、出版社ように「書籍企画書を作ってみる」というのは、声を大にしてお勧めしたいということです。

これは、何度か持ち込みをやってみて、失敗も成功(というほどのことは一つもないのだが)もしている私からしても、

本になろうがなるまいが、<非常に有効なプロセス>であることは間違い無いです。


特に書籍の場合は、企画や著者の新しさ、斬新さよりも、私は

◉その本を、なぜ今出す必要があるのか(企画の背景)

◉あまたある類書たちと、どこがどう違うのか(類書との差別化)

これらを自分なりにきちんと落とし込んで、納得できる論理構成で言語化しておかないと、例え本になったところで、長く愛される本になりにくいのではないかと思うわけです。

本は誰でも作れる。ものをいうのは、形になっていない根っこの部分だろうと。


知っている方も多いかもしれないですが、「企画のたまご屋さん」とは、出版社と書きたい人をつなぐプラットフォーム。

出版社や編集者、出版プロデューサーが一緒になって、著者の発掘、企画の持ち込みを受け付けている場所です。

私も最近、「これは・・」と思う企画について、書籍企画書をアップしてみました。ここにあるフォーマットに従って、自分の企画を煎じ詰めてみると、いやあ本当によくわかる見える、自分の甘さ、いい加減さ、またそれが辛い(笑)。

だけれど、おかげで自分の頭の中にあったモヤモヤしたものは随分と整理されました。ただの企画だったものが、実行可能な「計画」に一歩駒を進められたような気もしました。

私は、さらに、企画書に対する客観的な意見がほしくて、ほんたまさんが主宰する企画相談セミナーにも参加。週替わり?で編集者さんや出版プロデューサーさんたちが、マンツーマンで企画を見てアドバイスしてくれるなんて、ありがたすぎる(涙/有料)


このサイト流し読みするだけでも、出版するとはどういうことなのかが俯瞰できるし、エントリーすれば編集者や出版社に企画書を見てもらうチャンスも得られるというわけで、初めて本づくりをしてみようという方は、ぜひ訪れてみて欲しいサイトです。

関係者の皆様におかれましては、素晴らしいプラットフォームを作ってくださりありがとうございます。


そんでもって、永遠の素人である私にとって何が一番よかったかってことですが、まずは企画の甘さが露呈したこと、それによって企画を強化できたことももちろんなのですが、一番の収穫はですね・・・

「何がなんでも本にしなくてはー!」と焦らなくなったこと(笑)。

なればいいし、ならなかったらそのとき別の方法を考えよう、と肩の力が抜けました。

(正確にいえば、私にもあるんです。これは商業出版したい、という熱量が生まれることが!そこに固執してしまいそうになることが!あせあせ)


セミナー(私はおかのきんや先生でした!ありがとうございます)でいただいた、本になるかどうかを超えた、客観的で的確なアドバイスがものすごく効いたと思います。

ざっくりいうと、それは、中途半端に出版業界のことを知っている私、ではなく、ただの執筆者、一般参加者として、素直に自分と企画そのものに真摯に向き合うべし、ということでした。

熱量が大きすぎるときほど、冷静に企画をみつめなくては。

そういうことをしれた一連の企画書づくりは、ある意味、自分の企画に対する「信頼」を高める、ということに直結しているのかもと思うわけです。


だからこそ、書籍企画書という形で、自分の思いをまずはアウトプットしてみるのをお勧めしたいですね。

書いてみるとわかる。

自分の本づくりへの思いが、どれほど甘く、どれほど深いのか。

それらを知ることでまた、商業出版の世界により近づくことにもなるのだろうと思います。


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