【妊娠日記】ついに臨月にinします|予定日まであと29days
できたら朝日の眩しさで目を覚ましたい、と願う私にとって、この部屋は理想的なそれだった。青々とした田んぼの稲が新潟の風にそよぐ。東から南、西の日差しが入る大きな窓たち、日々育つ畑の枝豆、すこし足を伸ばせばたどり着く海の気配、神が棲んでいそうな地元の神社。
人生の凪だ、とこの数年感じてきた。けど、2023年7月はそのかたまりみたいな始まりの1週間。予定はあるし、まだ有難いことに多少なり仕事もある。里帰り先で会いたい友人や、新潟をわざわざ訪ねてくれる人との時間、まだ買い足したいもの、数年放っておいた実家の私の部屋の荷物をフリマアプリに出したり、あたらしい仕事に向けて勉強をしたり。けど、なんだか妊娠9ヶ月の最後の日々は、凪。それだった。
そろそろ、子どもの名前をまじめに考えたい、というか絞った候補の中からさらに精度を上げて絞っていきたい、という気持ちの私だけれど、夫はたとえば「凪(風がない状態)」という名前がよくって、私は「颯(風が起こること)」がいい、みたいな両極の私たちだから、ふたりの真ん中、なのかあるいはどうするか、というところで里帰りが始まって。
どうしようねぇ、とお腹に手を当てて相談する。返事はないけれど、うぃ〜ん、とマッサージ機みたいにお腹の中で足が動く。定かではないけれど、推定現在の足の裏の大きさは6センチ。きゃわいいねぇ。その足が靴を履くのは、まだもう少し先の未来の話です。
いつ産まれるのだろう、の答えはまだ誰も知らない今。あと数日か、あと1ヶ月以上先なのか。7月の、私の最後の36歳の夏の日々を、いかに過ごそう。
おいでませ小さな命。母は覚悟が決まりつつあります。産みましょう。そして多分、カメラとレンズを新調する。子を抱えても持てるサイズのものたちを。まずいな、親バカの可能性を、ひしひしと自分に感じて、ちょっと怖い。妊娠9ヶ月の終わり。明日から臨月だ。
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妊娠日記(200days diary)
子どもが産まれるまでの特別な日々を忘れないために
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