73.カナヅチで水泳大会出場その1

私は小学6年生。明日から夏休みという一学期最後の日のことでした。また例年と変わらないまったりした夏休みを想像していました。

その時です。隣のクラスのこわ〜い担任の先生がおもむろに教室に訪ねてきました。

「この中で25メートル泳げない者手を挙げて!」

私は5メートルしか泳げないので当然挙げました。10人くらい挙げたでしょうか。名前をチェックされました。そして…

「今手を挙げた者は、8月中旬の町の水泳大会に出場決定なので、明日から毎日練習に来るように」

顔面蒼白です!町に10校ほどある小学校からの代表たちが集まる水泳大会。しかも、大会のある町営プールはうちの小学校にある25Mプールの2倍の50Mプールなのです。

クラクラして倒れそうでした。生きた心地がしません。あぁ嘘だと言って…夢なら覚めて…。何度も願いました。

夏休み1日目…同じくカナヅチのアメちゃんと一緒に朝から小学校のプールに通うことになりました。

続く。


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