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いじけ虫の涙

80年代、私は中学生でした。
部活動は軟式テニス部。中学一年生の6月に、ダブルスのペアを決める時、前衛(前でネット付近を守る人)のテストで、まぐれ事件が起こり、6ペア中の2番手(2番目に上手い)になった話は以前noteに書きました。

その日から、自分は少し上手いんじゃないかと錯覚していました。レシーブがちゃんとできるように、友人と早朝の河原のテニスコートで毎日練習し、段々レシーブもできるようになりました。

ある試合のこと、私のミスばかりが目立ち、負けてしまったことがありました。それを見た先輩が、もう一度、前衛だけ順番を決める再テストをする!と言い、再テストすることになりました。
レシーブ、ボレー、スマッシュができるかどうかというテストでした。

ガーン!ドキドキ…

そのテストでは、まぐれは起こらず、一つ下がって2番手から3番手になってしまいました。

なんだか悲しくて悔しくて、隅っこに縮こまってシクシクしました。誰か同情して寄り添ってくれるのを待ちました。しばらく時間が経って、一番仲良しのようこちゃんが来ると、一言。

「泣いてもどうにもならないよ。悔しかったら、うまくなりなよ。これが実力なんだから」

と言って去っていきました。
言われた瞬間、はっとして、涙がぴたーっと止まりました。そうだった、これが実力。2番手だったのはただのまぐれ。なにいじけ虫しちゃってだんだろう、恥ずかしい。我に返りました。
よく考えてみると、こんなに運動神経ヤバめの私が3番手ってだけでも大したもの。河原で毎日練習した甲斐があった。

少し前のいじけ虫はどこへやら。気持ちはパーンとスッキリ前向きになってた瞬間でした。ほんと良かった✨
心に残る一場面です。

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