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『#Eぐみに会いに行く。』vol.3 樋口文恵さんインタビュー【後編】 やりたいことに真っ直ぐに。

高校時代を共に過ごした同級生たちへのインタビュー企画『Eぐみに会いに行く』。今回は、樋口 文恵(ひぐち  ふみえ)さんにお話を伺っています。場所は母校にも近い巣鴨駅前のファミリーレストラン。インタビュー前半では、現在のお仕事について伺いました。後半では、高校生時代の思い出を中心におききします。

『#Eぐみに会いに行く。』
vol.3

インタビュアー・神田朋子

樋口 文恵(ひぐち ふみえ)旧姓・新松(しんまつ)
大学卒業後、IT企業に就職。入社後はネットワークエンジニアの他、AIを活用したチャットボットのシナリオ設計を経験。その後、チャットボットサービスを提供するスタートアップ企業に転職。都内在住。二児の母。


はやく社会に出たかった。


神田:
今日はここ、巣鴨駅前のファミリーレストランで、文恵ちゃんにインタビューをさせていただいていますがーー

樋口:はい。

神田:ここは高校生時代、文恵ちゃんのアルバイト先だったということで。当時のこともおききしたいな、と。ここではどんな仕事をしてたの?

樋口:いろいろやってたよ。パフェ作ったり、コーヒーのおかわりも入れたりしてた。私がバイトしてた頃はドリンクバーもなかったから。そういえば、ここの制服、可愛くて気に入ってたんだよね。

神田:あー。あの頃はワンピースみたいなデザインだったよね?

樋口:そうそう!

神田:アルバイトは高校に入ってからすぐに始めたの?

樋口:うん。高校1年生の4月には、もう始めてた。

神田:へぇー、早いねぇ。

樋口:学校の成績が悪くなったらバイト辞めるっていう約束を親としてて。夏ぐらいには成績落ちて、一旦やめたんだけど、また始めて(笑)。

神田:そうなんだ。

樋口:高校生は夜10時までしか働けなかったから、できるだけ学校に近い場所が良いと思ってここにしたんだ。部活で軟式テニスをやってたんだけど、それが終わるのが夕方の5時半ぐらいで、だいたい6時半からここで働いてたよ。

神田:今考えるとすごい体力だよね。

樋口:本当にそうだよ〜。でも私、暇が嫌いっていうか、時間がある限りは何かやってたいって思う方で。今でもそうだけど、一人の時間はいらないんだよね。だから、部活とバイト、ちゃんと両方やってたよ。まぁ、私の場合、勉強が抜け落ちちゃってたのかもしれないけど(笑)。

神田:あはははは! ところで、どうしてそんなに早くアルバイトを始めようと思ったの?

樋口:なんていうか、はやく社会に出たかったんだよね。お金を稼ぎたかったっていうのも勿論あって。服とかプリクラとか、お金が必要なことはたくさんあったから。あと、大人と喋るのが別に嫌じゃなくて。バイトすると、大人と「仲間」っぽくなれるじゃない? そういうのがなんか、良かったんだよね。

神田:へぇ〜。

樋口:あと私、2人姉弟の姉だから、基本的に親に心配されたり、手がかかると思われたくなくて。自分が使う分は自分で、って思ってたのもあったかな。

神田:なるほどー。 バイトしてて、辛いこともあった?

樋口:それはもちろんあったし、仕事してる以上、愚痴みたいなものはあったけど。でも、「どんな時に辛くて、どんな時にやりがいを感じるか」って、今でもあんまり変わらないと思うんだよね。そういうことを早めに知れたのも、良かったと思う。


「女子高生」に憧れて。


神田:
私達が通ってた高校は、指定の制服がなかったから私服で来てる人が多かったけど、文恵ちゃんのイメージといえば、ブラウスにリボンとチェック柄のスカート……みたいな。いっつもカワイイ制服着てたよね?

樋口:私ずっと、いわゆる「女子高生」に憧れてたの。中学では校則が厳しかったから、靴下のゴムを抜いてちょっとだけたるませてルーズソックスみたいにしたり、スカートのウエスト部分をこっそり折って短くしたりしてたんだけど。

神田:へぇー。だからその分、高校では私服じゃなくて、「女子高生らしい」制服を着て、ルーズソックスも履いてたんだね(笑)。

樋口:そう! そもそも私、高校受験の第一志望は青学だったんだよ。女子高生って、毎日渋谷にいるものだと思ってたから、渋谷にある学校に行けば渋谷に生息できるんじゃないかと思って……。

神田:えっ! じゃあ、偏差値じゃなくて、毎日渋谷にいるために青学を目指してたの?

樋口:そうそう(笑)。

神田:そうなんだ……。

樋口:制服着て、毎日渋谷にいるのが「女子高生」。そう思ってたから。

神田:なるほど……。

樋口:まあ結果的にうちの高校に入ったおかげで、いろんな制服が着られて良かったんだけどね。他の学校の友達の制服も借りたりして。

神田:そうかぁ。文恵ちゃんはあの頃からおしゃれだったけど、当時で言う、いわゆる「ギャル」ではなかったよね?

樋口:卒業アルバムの寄せ書きでは、みんなやたらと私のことを「ギャル」って書いてたけど(笑)。髪染めたり制服着たりはしてたけど、私は「ギャル」ではなかったよ! 本物の「ギャル」って、もっと雑誌の中にいるみたいな、メイクもバッチバチにして、それこそほぼ毎日渋谷で遊んでるみたいな感じでしょ? 私なんて巣鴨で塩大福食べてたから、全然違うよ(笑)。

神田:ハハハハハ!


いろんな経験をすること。


神田:
文恵ちゃんは高校時代を振り返ってみて、「やっておけば良かったな」って思うことはある?

樋口:やっておけば良かったこと?

神田:うん。

樋口:うーん。やっておけば良かったことー? やっておけば良かったことか……。

神田:心残りとか、ないの?

樋口:う〜ん。……ないかもしれないなぁ(笑)。やりたいことは、やってたのかも。バイトとか部活とか、一度始めたことは最後までやめずにやるタイプだったし。それは今もずっと変わらないけど。

神田:へぇー。じゃあちょっと質問を変えて、「やってて良かった」と思うことはある?

樋口:そうだなぁ。やっぱり大人がするようなことを、いろいろやってみたのは良かったと思うな。

神田:バイトとか、……恋愛とかも(笑)?

樋口:そうだね(笑)。高校生って、小学生とか中学生よりは分別がついてて、でもまだ大人にはなってない状態で。経験した分、失敗して傷付くこともたくさんあるとは思うけどね。

神田:うん。

樋口:でも大人になってから失敗するより、もっと早いうちからいろいろ経験しておいた方が、傷も浅いでしょ? 失敗できるうちに、できるだけいろんなことをやっておいた方がいいと思うんだよね。

神田:そうだね。

樋口:だから高校生の時にいろんな経験が出来たのは、やっぱり良かったかな。今は、そう思うよ。


✳︎  ✳︎  ✳︎

神田:文恵ちゃん、今日は本当にたくさんお話を聞かせてくれて、どうもありがとう。

樋口:こちらこそ。

神田:それじゃあ今から一緒に、高校のあたりまで少し歩いてみよう!

樋口:うん!


おまけ✳︎巣鴨駅周辺散策

巣鴨地蔵商店街入り口
毎月「4」の付く日は縁日で露店が出る。
樋口さんがアルバイトをしていたファミリーレストランも混んだんだとか。
巣鴨駅(都営地下鉄入り口)
線路の上に架かる「すがもはし」。
高校へは、ここを渡って真っ直ぐ。
駅には、あの頃にはなかったショッピングセンターが。
駅の近くにはゲームセンターがあります。
高校時代、ここでプリクラを撮ったという人も多いはず。
大通りから一本入るととても静か。
この道からも高校に行けます。
地図を見ると、近くには大きな公園が。
意外と行ったことはなかったな。
高校のまわりの雰囲気はあまり変わっていないかも。
近くのショッピングモール
ところどころに懐かしい景色が。
校舎の裏手にあるお弁当やさん。
近くにあったコンビニは、もうありませんでした。
折り返して巣鴨駅に戻ります。
日が暮れてきたね。
地元で有名なラーメンやさん。
……あれ?
去年の7月で閉店してたんだ……。
こちらこそ、お世話になりました。
デザインが印象的なビル。
『ぐりとぐら』の時計も変わらずここにありました。
巣鴨駅の近くに戻ってきたね。
これで散策はおしまいです。


どうもありがとうございました。
また遊びに来るからね!


(取材日:2023年2月4日)

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