読書メモ 「黄金風景」

「黄金風景」
 太宰 治
 青空文庫 1999年


ひりつくような、悶えるように鮮やかな感情描写に圧倒される。物凄いものを読んでしまった、と思った。そして、それとは見事にコントラストを織りなす海辺の平穏な家族 ——。

これは「敗者の美」だ。
自分より劣っていたはずの者に、気付けば追い越されていた。歯軋りし、地団駄踏み、脂汗をかいても、もう遅い。黄金色に染まった風景に燦然と耀く勝者は、お慶家族だ。


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