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コーチングを学んで5年。マネジメントスタイルの変遷はいかに。

コーチングというものに出会ってから学び始めて、コーチとして活動をしたり、自分の仕事にコーチングスキルやマインドを統合していこうと試行錯誤しているうちに、あっという間に5年が経過しました。

「コーチとして活動する」「コーチングを本業に活かす」というイメージも決意もないまま、導かれるようにコーチングの世界に出会った私は、5年経過してこんなにも自分のリーダーシップやマネジメントスタイルが変化するものなのかと、驚いています。

なぜ、この話をnoteに書こうと思ったかというと、「コーチングをマネジメントにうまく活かすことができない」「コーチングを組織に持ち込む方法がわからない」と相談していただくことが多いからです。

私自身、この5年間かなりてんやわんやと試行錯誤を重ねて、たびたび「え!?コーチングとマネジメントの融合って無理じゃない!?」と白目をむきながらやっているうちに、気がついたら「あれ?もしかしたらもしかして・・・・私劇的ビフォーアフターしちゃってるのでは?」となった感覚です。

チームマネジメントというものに難しさや、ある種の苦しさを感じていたところから、今では(相変わらず日々葛藤をしながらも)喜びを感じながらマネージャーとしての仕事ができるようになりました。チームやメンバーのマネジメントに限らず、プロジェクトマネジメントなどあらゆるリーダーシップを発揮する場面で、自分の取り組み方が変化したことを感じています。

私自身の極めて個人的な振り返りではありますが、この5年間を通じて、どんなビフォーアフターがあったのか、少し書き残してみたいと思います。あまりに長くなってしまうので、今回はコーチとマネージャーの人格を融合し始める入り口に立つまでのプロセスについて、メインで書いてみたいと思います。

5年間のビフォーアフタープロセス


コーチングとの出会い(コーチング学習開始当初)

コーチングというものに出会い、その可能性に触れて最初はとてもテンションが上がっていました。「私、今まで全然人の話聞けてなかったじゃん!!」「私、全然人の可能性を信じられていないじゃん!!」という具合に、どんどん自分の当たり前が崩れていく感覚が心地よかったことを覚えています。これを深めていけば、自分自身のことも、自分のマネジメントスタイルもアップデートできるんじゃないかという期待感がありました。

混乱期(コーチング学習開始から半年以降〜2年)
半年間の学びを終えて、徐々にコーチとしての活動を開始したり、マネジメントにもコーチングを活かそうというチャレンジを始めました。まだ、コーチングマインドもスキルもしっかりとは定着していない段階だったので、「え、コーチとマネージャーの人格って融合できなくない!?別物じゃない!?」と困惑する時期が始まりました。
コーチとしての自分も未発達だし、今まで保有していたマネージャーの人格も揺らぐしで、てんやわんやでした。メンバーとの1on1や、日常の些細なコミュニケーションにはコーチングを活用できている実感があったものの、大元の「マネージャーとしての新しいあり方」の確立はできず、どんなマネージャーでありたいのかということに、悶々と葛藤する日々が続きました。

ブレイクスルー(コーチング学習開始から2〜3年)
コーチング学習を開始してから2年立った頃に、「あ、私自身が自分の願いを大切にできていなかったんだな。責任という言葉を盾に、自分の感情や願いに正直になることから逃げてたんだな」ということを認めざるを得ない状況になりました。自分が自分の願いに正直にいられていない状態で、メンバーの願いに真っ直ぐ対峙できるはずもないのに、それを認めるのになんやかんや2〜3年ぐらいかかった気がします。
そのタイミングでたまたま育休を取ることになったので、半年ぐらい全ての仕事を止めて、今までの仕事人生8年間を振り返り、じっくりと今後どうしていきたいのかを自問自答しました。その期間で、ようやくしっかりと自分の願いを持って仕事をしていこうと、心に誓いました。さくっと書いていますが、ここの覚悟を決めるのが、本当に本当に大変でした。(出産のタイミングで、命の危機に瀕して、ようやく「もう好きなように生きよう」と覚悟が決まりました笑)

コーチとマネージャーの人格統合開始(コーチング学習開始から3〜5年)
そして、育休から復帰後、別のチームを受け持つことになり、仕事内容も大きく変わりました。ここから、ようやく「コーチ」と「マネージャー」という役割や、「自分自身」という存在の統合が本格的にスタートします。メンバーの願い、チームのゴール、私自身の願いをどのように一緒にテーブルに乗せて扱っていくのか、という点について実験を重ねて、自分なりのスタイルを構築していきました。

コーチとマネージャーの人格を融合するために必要だったこと


一般的に「コーチ」という存在は、ひたすらに相手の願いにフォーカスして、相手が自身の可能性を最大化して、願いを実現していくサポートに全力を尽くします。一方で、「マネージャー」という存在は、チームの向かう方向性や、歩みのスピードを決めて、 チームのゴールを設定して、チームで目標達成をしていくことにリーダーシップを発揮します。

コーチとマネージャーという役割を織り交ぜようとした時に、一番困惑しやすいポイントは、メンバー個人の願いと、チームのゴールが合致しない場合に、どうしたらいいのかわからない、という点だと思います。メンバーの願いと、チームのゴール達成、どっちを優先したらいいの?という状況に陥る方が多いと思います。私自身もそうでした。

そこで、一番大事になるポイントは、マネージャーとメンバーとチームが、互いの願い・目標を実現することに加担し合えるようなゴール設定と関係性構築だと学びました。

まずはメンバーの価値観、人生で実現したいこと・達成したいこと・大切にしたいこと、仕事において実現したいことをマネージャーとして理解しておくことが大事。ここにおいて、コーチングのスキルやマインドセットが大活躍します。簡単にいえば、メンバーのことをよく知るということです。
メンバーのことを知った上で、その人の可能性が最大化し、願いを重ねられるような役割・目標を一緒に設定できるかどうか、が肝になると思っています。一方的にチームとして実現したいことをメンバーに押し付けるというのは本当に大変ですから!

メンバーの話を聴ける能力が上がれば上がるほど、そのメンバーが自分の願いを重ねやすい目標設定が一緒にしやすくなると思います。メンバーの話を聴くことができない場合、マネージャー側があの手この手で「なんとかモチベーションを上げさせなきゃ」と頑張り続ける必要が出てきてしまいます。これはお互いに消耗してしまいます。肩に力が入って、空回りしちゃっていました、私は。

メンバーの話をしっかり聴いた上で、「このチームの目標を達成していくことは、自分の願いが実現していくことと重なっている」と思ってもらう状態さえセッティングできれば、あとはマネージャー側がモチベーションを上げさせないと!って頑張らなくても、メンバーが目標達成をするお手伝いをするだけで良くなります。

メンバーの願いを聞いたからと言って、それを全て仕事の場で実現してあげる責任を負う必要はないと思っています。たくさんの願いを聞かせてもらえる関係性になった上で、徐々にチームのゴールと個人のゴールを重ねていく作業を一緒にやっていくイメージです。

話を聞いたり、関係性を構築するのって時間がかかるというイメージがありますが、そこに投資することって、意外とコスパいいんじゃないかな〜という所感を持っています。少なくとも、私はその方が断然やりやすいし、楽になりました。イメージで言うと、かつては重い船を前進させるために全力で後ろから船全体を押し続けていた感じだったのですが、今はみんなと話しながら、みんながそれぞれオールを漕いでくれているのをサポートしている感じです。

この5年間を振り返って、書きたいことはまだまだあるのですが、際限なくなっちゃうので、今日は一旦ここまでにします。

コーチングをマネジメントやリーダーシップに活かしていきたい方と繋がって、切磋琢磨しあっていけたらいいなという願いを込めて、このnoteをお届けします。

今後もコーチングとマネジメント・リーダーシップの融合の旅路は続きますが、ここまでの経験と知見を共有させていただくセミナー登壇機会をもらいました! これまでの成功も葛藤も全てシェアしますので、ぜひご参加いただけたら嬉しいです。


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