カナダで下痢に悩んだら...
こんにちは。
夢を諦めずに
たった1度の人生を幸せに暮らすために
カナダでの第2のキャリアを歩むために奮闘中
カナダ在住薬剤師の卵、Tomokoです。
プロフィール⇒こちら
==================================
私がカナダに限らず海外に来ていつも困るのは、やはり体調不良になったときです。旅行に行くときは、いつも飲んでいる薬を常備薬として持ち歩くようにしていますし、他の人にもそうするようにオススメしています。
今日は、下痢についてのお話です。
1.下痢の種類
下痢をする場合、大きく5種類に分けることができます。
①Viral gastroenteritis ウィルス性腸炎
②Bacterial gastroenteritis 細菌性腸炎
③Protozoal diarrhea 原虫性下痢
④Diet-induced diarrhea 食べ物による下痢
⑤薬の副作用
1−1.Viral gastroenteritis ウィルス性腸炎
Noroviruses ノロウィルス、Rotavirus ロタウィルス、Adenoviruses アデノウィルス、Hepatitiss A virus A型肝炎ウィルスなどです。
これは、2-3日で収まる場合もありますが、2週間かかる場合もあります。
1−2.Bacterial gastroenteritis 細菌性腸炎
感染した水や食べ物から感染することが多いです。E.coli 大腸菌、Staphylococus aureus 黄色ブドウ球菌、Shigella 赤痢菌、Salmonella サルモネラ菌、Campylobacter カンピロバクターや、Clostridium difficile クロストリジウム・ディフィシルなど。
基本的には、腸内で悪さをして、水溶性の下痢になります。ひどい場合は、大腸にも行き、赤痢様便となり、発熱や寒気、血の混じった便や腹部の痛みなどが起こる可能性も。症状は1時間以内に現れる場合もあれば、72時間かかるものもあります。
1−3.Protozoal diarrhea 原虫性下痢
Giardia lamblia ランブル鞭毛虫, Entamoeba histolytic 赤痢アメーバ, Ctyptosporidium クリプトスポリジウム などによる下痢で、大量の水溶性下痢となります。これは、完治するのに数週間かかる可能性もあります。
1−4.Diet-induced diarrhea 食べ物による下痢
食べ物のアレルギー、高食物繊維食品、脂肪分の高い食べ物、辛い食べ物、カフェインのとりすぎ、ラクトース不耐症によるものなどです。
2.カナダでの下剤
日本では処方箋が必要な薬も、カナダではOTCとして売られている場合があります。といっても、国の法律が違うだけで、作用は同じですし飲む時は注意が必要な薬もあるので、何か分からない事があれば薬剤師に聞きましょう。
カナダで下剤として使用されているものを、挙げてみます。
2−1.Loperamide ロペラミド;Imodium®
日本では、ロペミンカプセル®として処方医薬品となっています。カナダでは、OTC医薬品として薬局での購入が可能です。
剤形も、カプセルだけではなく、シロップやタブレットなどもあります。Imodium ®というブランド名が有名なもののようです。
旅行に行くときには、これを持っていくというカナダ人も多いようです。
12歳以上の子供または大人が服用できます。
2−2.Bithmus Subsalycylate(BSS) 次サリチル酸ビスマス;Pepto-Bismol®
こちらも、日本では同じビスマス製剤として、次硝酸ビスマスが処方医薬品として扱われていますが、あまり見かけません。
カナダでは、下剤としても有名なのではないかと思います。Pesto-Bismo®というブランド名で、剤形や強さ、味も普通のものと、チェリー味のものと...色々と揃っています。2日以上は服用しないでくださいと注意があります。
Pepto-Bismo®を始めとするビスマス(BSS)を飲んで出る可能性のある副作用は、
①black stools 便が黒くなる
②black tongue 舌が黒くなる
③tinntus 耳鳴り
などです。
ビスマス(Bi)は、原子番号83の日本語では蒼鉛とも呼ばれる金属です。毒性はありませんが、体内に蓄積することがあるので、フランスでは禁止されているようです。2日間以上の服用は勧められていませんので、もし服用しても下痢が続くようであれば、病院に行くことが必要です。
他の薬と反応して効き目が変わってくる可能性もあるので、飲み合わせにも注意が必要。
また、使用は12歳以上の子供と大人に制限されています。
Pregnant 妊婦さんやBreastfeeding 授乳中のお母さんも使用できないので注意が必要です。
【なぜ、Pepto-Bismol®が12歳以上しか使用できないのか?】
Pepto-Bismol®はアスピリンと同じ薬のグループに分類されています(-salycylate サリチル酸)。子供がインフルエンザにかかったときに時に、よくアスピリンは飲せないと言われますが、これも同じで、副作用として Rye's syndrome ライ症候群というものがあるからです。Flu-like symptom インフルエンザ様症状やChicken pox 水疱瘡などの後は、特に注意が必要です。
2歳~11歳の子供には、
■Pepto-Kids®という製品が同じ会社から出ています。これは子どものheartburn 胃のむかつき や upset stomach お腹の痛みに効果のあるもので、Calcium carbonate 炭酸カルシウムが含まれています。これは、胃酸を抑えるAntiacid 制酸剤の作用があります。
■Pepto-Bismol®(Original) は、有効成分であるBBSが30mL当たり525mg 含まれています。
■Pepto-Bismol Ultra ®は、Pepto-Bismolの有効成分であるBBSがOriginalの2倍濃縮 (BBS 525mg / 15 mL)されたもの。
■Pepto-Diarrhea®は、Pepto-Bismolの有効成分であるBBSが3倍濃縮された薬(BBS 525mg / 10 mL)です。
2−3.Attapulgite アタパルガイト
これは、日本では聞いたことのない下剤です。3歳以下の子供には使えません。
2−4.Psyllium サイリウム
これは、食材としても使用されていますが、Bulking agentといって、便を膨張させる作用を持つので、大量の水を一緒に飲みます。他の薬と相互作用を起こすので、2時間は開けて飲みます。
7歳以上の子供から使用できます。
下剤作用があると知らずに食材として摂取してしまうと、逆に便秘になってしまう可能性がありますよね。
2−5.Cholestyramine コレスチラミン
コレスチラミンは、コレステロールを下げるお薬として使われます。ただし、胆汁酸へ影響するため、適応外として慢性下痢に使用されることもあるそうです。これも、Buking agentとして膨張させることで便を固めます。
胆汁酸下痢(BAD)(胆汁酸吸収不良(BAM)とも呼ばれる)は、過剰な胆汁酸が結腸にこぼれ、緩くて水溶性便を引き起こすことがあり、この薬はその下痢を軽減する効果があります。
2−6.Clonidine クロニジン
クロニジンは血圧を下げる(高血圧)の処方薬ですが、どんな場面の下痢に使用するかは現在私自身が勉強中です。
参考
・Very well health_ Pepto-Bismol
・Pepto-Bismol FAQs
・Very well health Cholestyramine
*この記事は、私が日々勉強する中で得ている知識を元に書いています。事実に基づいた作成を心がけているつもりですが、一部で間違いがあったりする可能性もあります。ご了承下さい。