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自分にも人にも寛大になると、機嫌がよくなる8

☆他人にうまく甘えられると気分がよくなる

精神科医の土居健郎先生の書いた『「甘え」の構造』(光文堂)という本があります。
この本の中に、「人は自分の行為を他人がわかってくれるはずだと思っていて他人に甘えるけれど、甘えることができないと不機嫌になる」という趣旨のことが書かれています。

「こんなことを言っても大丈夫かな」と思うことを相手に言えるのは、
相手に甘えているからです。
それを言って受け入れてもらえると、いっそう相手に甘えられるように
なり、もっと相手にいろいろなことを言えるようになります。

言ってみて相手から拒絶されたときには、甘えられないことがわかります。
甘えられないときに、人は不機嫌になります。

「言いたいことを言うこと」と「甘え」とは関係ないように
思えるかもしれませんが、心理学で考えると、相手を信用しているから
言いたいことを言えるのであって、それは「相手に甘えることだ」という
解釈になります。

うまく他人に甘えられる人は、言いたいことを言うことができますから、
不機嫌になることはありません。
しかし、相手に甘えることができず、
「どうせ私なんて受け入れてもらえない」
「私なんて仲間はずれだし」と思って、
言いたいことを我慢している人は、不機嫌になっていきます。

本当は受け入れてもらえるかもしれないのに、
自分のほうで「受け入れてもらえない」と思い込んで、
勝手にいじけたり、ひねくれたりする人もいます。

たとえば、コンパの席でビールを飲んでいてグラスが空になったときに、
「どうせ仲間はずれだし」と思って、自分で手酌をするような人は、
他人にうまく甘えることができない人です。

まわりの人はたまたま気がつかなかっただけで、
「ごめん、気がつかなくて」と言ってビールを入れてくれるかも
しれません。仲間はずれではないのに、受け入れてもらっていないと
思い込むのは、他人に甘えられないからです。

人間関係でうまく相手に甘えることが大切です。
甘え上手になると、イライラ気分は減ってきます。

受け入れてもらえるとわかれば、したくないことは
「これはしたくない」ときっぱり断れるなり、
言いたいことも言いやすくなります。

度を超えて甘えてしまって拒絶されるリスクはありますが、
そういうときには、甘えのレベルを下げればいいのです。
予想に反して全部受け入れてもらったりすると、
ものすごく気分がよくなります。

甘えの構造は双方向です。
相手が相手に甘えて受け入れてもらうと、相手もこちらに甘えてきます。
お互いがうまく甘え合うと、自分も相手も言いたいことが
言いやすくなります。
お互いが甘えのレベルを高めていって、甘え合うことを覚えると、
双方が上機嫌になれます。

ただし、甘えのレベルを上げていくことと、
相手への要求水準を上げていくことは違います。
甘えのレベルを上げていくことは、
「ここまでだったら受け入れてくれるかな」と探っていくものであって、
相手への要求を高めることではありません。
要求水準を上げてしまうと、相手が怒り出したりして、
トラブルになることもあります。


~30代女性のための心と体の健康アドバイザー~

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